基本的な考え方

従業員一人ひとりが心身ともに健康であり、個性や能力を最大限に発揮できることが企業の持続的な発展につながります。マルハニチログループは、健康保険組合、従業員と一体となって、健康経営を実践するための活動を推進していきます。

健康経営方針

健康経営方針

戦略マップ

戦略マップ
(*)基本的に「健康投資」と「健康投資施策の取組状況に関する指標」は1対1で対応する。しかし、中には複数の「健康投資施策の取組状況に関する指標」に対応する「健康投資」も存在するため、そのような「健康投資」を「様々な効果に関連する健康投資」とする。

目標

専門組織内において、マルハニチロ(株)の健康課題を「健康経営フレームワーク」の通り整理し、下記の通り目標を設定しています。

健康経営フレームワーク
1. ハイリスクアプローチ
  • 個別指導の徹底により、要治療者の未治療および在職死亡者0の達成
  • 健康診断事後措置を強化し、二次健康診断受診率 70%の達成
2. ポピュレーションアプローチ
  • ヘルスリテラシー向上のための社員向けセミナーを実施し、健康に対する意識醸成および行動変容につなげる/セミナー参加者の行動変容意欲70%以上をめざす
  • 食・睡眠・運動を一連の取組みとしたイベントを開催し、従業員の自主的目標の達成率 50%以上をめざす

マネジメント体制

マルハニチロ(株)では、取締役常務執行役員統括の下、マルハニチロ健康保険組合・人事部・マルハニチロ健康推進室(産業医、保健師、臨床心理士、看護事務員)で構成する専門組織を設置し、月1回定例会を実施し連携を図っています。

マネジメント体制
健康経営推進体制図(マルハニチロ(株))

マルハニチログループ全体の健康経営推進を図るべく、グループ労務担当者会議や安全衛生委員会等にて、取組みの意義の説明や事例などを共有しています。

月例定例会の主な実施内容

(人事部・マルハニチロ健康推進室・マルハニチロ健康保険組合参加)

  • 健康経営戦略マップ構築
  • 施策の策定
  • 健康診断、特定保健指導データ分析
  • 重症化予防対策
  • 海外赴任者のフォロー
  • メンタルヘルス 等

マルハニチロ健康推進室

本社に開設しているマルハニチロ健康推進室では、診療所の機能も兼ね備え産業医(週4日)・保健師・臨床心理士(平日毎日)が常駐し、従業員の心身の健康をサポートしています。出向者や海外赴任者に対しての健康診断事後フォローや、情報発信も実施しています。

マルハニチロ健康推進室によるサポート内容

  • 診察・相談
  • 約50種の薬品処方
  • 症状に合わせた市販薬の提供
  • 病院紹介(紹介状発行)
  • 個室ベッド完備
  • サニタリーケア用品提供
  • 健康診断事後フォロー
  • 長時間勤務者対応
  • ストレスチェック高ストレス者対応
  • 休復職者支援
  • インフルエンザ予防接種の実施
  • 心身の健康やLGBTQ+に関する書籍貸出
マルハニチロ健康推進室の診察室

マルハニチロ健康保険組合

マルハニチロ健康保険組合では、人事部と協働で健康経営を推進し、加入者の皆さまの健康保持、増進のためのサポートを行っています。

マルハニチロ健康保険組合による保健事業施策

  • 健康診断
    特に糖尿病管理やがんの一次ならびに二次予防に力を入れています。
  • 特定健診・特定保健指導
    産業保健スタッフと協力し、重症化予防に努めています。
  • データヘルス計画・コラボヘルス
    レセプトや健診データ等を分析し、医療費の把握、健康リスクの階層化、保健事業の効果が高い対象者の抽出などを行い、産業保健スタッフと共有しています。
  • 歯の健康相談
    う蝕(むし歯)や歯周病の予防と早期発見・治療のために定期的に歯の健康相談(歯科健康診査、歯科健診)を実施しています。
  • 感染症予防
    インフルエンザ予防接種の補助を行っています。
  • 健康増進のための啓発活動
    健康経営を軸として、生活習慣病やセルフメディケーション等の啓発に力を入れています。
被扶養者向け歯科セミナー(2022年度・人事部と協働開催)

健康経営推進担当者

本社の各部署、支社・工場の各拠点に1名ずつ、健康経営推進担当者を配置し、従業員の健康経営参画を強化しています。四半期に一度、健康経営推進担当者ミーティングを実施し、情報提供や意見交換の場を設けています。

健康経営推進担当者ミーティング内容事例

  • マルハニチロの健康経営とは
  • 健康診断と事後措置について
  • メンタルヘルスと復職者支援
  • 健康保険組合のご紹介
  • 施策の紹介、実施報告

マルハニチロの健康経営のあゆみ

マルハニチロの健康経営のあゆみ

マルハニチロの取組み

マルハニチロでは戦略マップに示すとおり、「からだ」に関する取組みと「こころ」に関する取組みを両輪として進めています。

「からだ」に関する取組み

健康診断およびその事後措置

マルハニチロ(株)では、法令で定められている項目だけではなく独自に健診項目を追加することで、より充実した健康診断を行っています。健康診断の受診率100%を目標と掲げつつ、その事後処置に関しても保健師による個別案内を活用し、二次検診の費用を会社が全額負担するなど数値の改善を進めるべく取り組んでいます。その結果、各種数値の改善が認められています。

マルハニチロ(株)が独自に追加している健診項目
  • 腹部超音波
  • 眼底検査
  • 尿酸値
  • 風疹抗体
  • ABC検診(胃がんリスク検査)※27歳・35歳で実施( 40歳以上は胃 X線検査)
  • 便潜血(大腸がん検診)
  • 乳房超音波(乳がん検診)

自社商品を活用した健康経営普及への取組み

マルハニチログループが開発提供する、お客さまの健康維持増進を支援する自社商品を活用し、従業員の健康増進を図っています。2019年度より3年連続で実施した「DHAチャレンジ」は、延べ400名以上の社員が当社DHA含有製品を喫食し、すべての開催において中性脂肪の改善がみられるなど、当社の健康経営の中心的な企画でした。3年間の取組みによって、中性脂肪改善については一定の成果が確認できたこと、また健康課題は中性脂肪に限らず個別性があること、そして健康をめざすためには食のみではなく運動が不可欠であることなどの理由から、2022年度より「DHAチャレンジ」を刷新し、新たな取組みとして「well-Bチャレンジ」を実施しています。
本取組みを通じて、健康診断に向けて自身の健康状態を把握し、バランスの良い食生活や運動習慣を実践することにより健康(Wellness)を強化(Boost)し、一人ひとりが心・体・社会的に良好な状態(Well-being)であるための一助となることをめざしています。

DHAチャレンジ2022
2023年 well-Bチャレンジに参加した役員

DHAチャレンジおよびwell-Bチャレンジの取組みにより、脂質の有所見率が改善しました。

マルハニチロ(株)におけるDHAチャレンジおよびwell-Bチャレンジ後の脂質の有所見率

実施後は参加者の健康診断結果を分析し、特に優れた結果改善や行動変容が見られた社員を表彰するアワードを開催、その様子は動画配信を行い全社共有しています。
本取組みへの参加者は年々増加しており、運営体制も強化しています。

  DHAチャレンジ well-Bチャレンジ
年度 2019 2020 2021 2022 2023
参加者数 100名 151名 193名 221名 295名

DHAチャレンジおよびwell-Bチャレンジの参加者数

well-Bチャレンジの内容詳細はこちら

喫煙率低下の取組み

従業員の喫煙率の低下に向けて、2019年より「卒煙プログラム」と題して、オンライン面談およびアプリを活用したサポートを無償に提供し、取組みを行っています。
その結果、喫煙率の低下が認められています。喫煙率12%以下を目標に、今後も取り組みを進めていきます。

喫煙率
喫煙率

健康に配慮した食事の提供

マルハニチロ(株)本社では、1食あたり糖質30g・塩分2.5g以下の健康に配慮したお弁当office nosh(オフィス ナッシュ)を導入しております。販売時間を夕方まで設けることで、ランチのみならず夕食での利用や持ち帰りも可能です。また、販売は障がい者雇用~なないろサポートチーム~が担当しています。

office nosh

「メンタルヘルス」に関する取組み

ストレスチェック実施と分析

マルハニチロ(株)は、2015年12月のストレスチェック義務化に伴い、2016年度より全事業所に対しストレスチェックを実施しています。メンタル不調者や予備軍への早期対応、そして職場環境改善につなげることを目的とし、今後は受検率90%以上を維持すること、さらに高ストレス者率10%以下を目標にしています。実施後の分析結果は経営会議で報告し、データに基づく職場改善フォローの強化を図っていきます。

ストレスチェック

なお、ストレスチェックと同時にプレゼンティーイズム(体調不良やメンタルヘルス不調などが原因で従業員のパフォーマンスが低下している状態)の測定も実施し、生産性やパフォーマンス指標としています。マルハニチロ(株)では実績値65点以上を目標にプレゼンティーズム解消に取り組んでいます。

実施年度 測定人数 回答率 実績値
2021年度 3,449人 90.3% 64.4点
2022年度 3,387人 90.3% 64.4点

※WHO-HPQを用いて測定
※0~100点で実績値が高い方がパフォーマンスがよい状態

メンタルヘルス不調予防措置

マルハニチロ(株)は、メンタルヘルス不調にならないために、従業員が臨床心理士などに気軽に相談できるよう「ココロバ」というネーミングをつけて、社内での活用を促進しています。特にメンタルリスクの高い新入社員に対しては、基礎知識および予防方法の習得を目的とし、臨床心理士が個別面談を実施しています。2022年度は、50名の新入社員全員に対し実施しました。
また、メンタルケアの一環として、1on1ミーティング「ブカシル」の全社導入も行っています。風土の醸成という部分もありますが、上司が部下にとってよい対話者であること、健康を含めて総合的な観点で部下の様子に気を配ることを狙いとしています。さらに、メンター制度を導入し、関係性の質の向上、すなわち1次予防に努めています。

従業員のヘルスリテラシー向上に関する取組み

新入社員研修

マルハニチロ(株)では、新入社員研修でD&Iや健康経営についての理解を深める機会提供を行い、今後を担う世代を含めて会社全体の風土醸成をするために、「ダイバーシティ&インクルージョン」の意味や当社での位置づけ、D&Iの考え方にのっとって行われる「健康経営」の意味や実際の当社での取組みを紹介しています。

従業員向けイベント

マルハニチロ(株)では、従業員のヘルスリテラシー向上や生活習慣病予防のため、健康課題や従業員アンケートを元にさまざまなイベントを開催しています。

運動不足解消・運動習慣定着の取組み
実施年度 イベント 内容 参加人数
2020年度 エクササイズレッスン動画配信 コロナ禍に対応し、“在宅編”“オフィス編”計4つのエクササイズを動画配信 視聴数705回
2021年度 うぉーきんぴっく 歩数+身体活動量(メッツ)+エクササイズプログラム参加をポイント化し金メダルを目指す 252名
2022年度 歩数競争 well-Bチャレンジ2022の中で歩数競争を開催 221名
2023年度 歩数競争 well-Bチャレンジ2023の中で歩数競争を開催 295名
2023年度 エクササイズDAYS いつでも、だれでも、どこからでも参加可能なエクササイズイベント 307名
食生活改善・生活習慣病予防の取組み
実施年度 イベント 内容 参加人数
2021年度 食生活セミナー 仕事効率をアップさせる食事術セミナーの開催 126名
2021年度 体組成測定会 体組成測定と保健師によるアドバイス実施 260名
2022年度 ヤクルトリレー 腸の健康の啓発に合わせ、部署メンバーに日頃の感謝メッセージとヤクルトをバトンで繋ぐリレー 200名
2023年度 ベジチェック測定会 野菜摂取の意識啓発、現状確認、行動変容促進 1,000名~
睡眠に関する取組み
実施年度 イベント 内容 参加人数
2021年度 スリープタフネスセミナー 良質な睡眠を得るための知識とスキルを習得 68名
女性の健康に関する取組み
実施年度 イベント 内容 参加人数
2020年度 Women‘s Fest2020 女性特有の健康課題に特化し5つのイベントを実施 139名
2021年度 働く女性の健康動画配信 「働く女性の健康」をテーマに3部構成の動画を公開 視聴数226回
2022年度 働く社員の健康セミナー(女性編) 産婦人科医の高尾美穂先生をお招きし、女性特有の健康課題を学び、行動変容促進 149名

社外への事例報告

  • 2022年 産業衛生学会での事例報告
    「定期健康診断で40歳未満の従業員にABC検診を導入して」
  • 2021年春・秋/2022年春 HRカンファレンス登壇
  • 2023年 産経新聞社主催のセミナー
    『「健康経営」そして「ウェルビーイング※1経営」へ ~先進企業と共に考える「人への投資」の本質的価値とは~』登壇

健康経営への取組みによる社外評価

マルハニチロ(株)では、以下の健康経営への取組みによる社外評価を受けています。

  • 健康経営銘柄2022
  • 健康経営優良法人(ホワイト500)2022
  • DBJ健康経営格付最高ランクを獲得
  • スポーツエールカンパニー2023
  • 東京都スポーツ推進企業

社外からの評価

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