マルハニチロ(株)は、監査役が株主から負託された独立の機関として取締役の職務執行を監督することが、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質なコーポレート・ガバナンス体制を強化することに有効であるとの判断から、監査役設置会社を採用しています。

コーポレート・ガバナンス体制早見表(2023年6月27日現在)

機関設計の形態 監査役会設置会社
取締役の人数(うち、社外取締役の人数) 8名(4名)
取締役会議長 代表取締役社長
監査役の人数(うち、社外監査役の人数) 5名(4名)
定款上の取締役の任期 1年
執行役員制度の採用
取締役会の任意諮問委員会 指名・報酬委員会を設置
会計監査人 有限責任あずさ監査法人

近年におけるガバナンス改革の変遷

近年におけるガバナンス改革の変遷

取締役会

取締役会は、社外取締役4名を含む8名で構成されており、執行役員制度を導入して監督と執行を分離することにより、独立した客観的立場から、実効性の高い監督を行います。取締役会は、原則として毎月1回開催し、経営の基本方針、経営戦略、中期経営計画、年度経営計画、資本政策などの経営重要事項を決定し、個別の業務執行の決定は経営会議に委任しています。経営会議は、原則として週1回開催され、取締役会から委任された事項について迅速な経営の意思決定を行い、重要な事項については取締役会に報告します。2023年3月期における取締役会は臨時取締役会を含めて17回開催され、平均出席率は取締役97%、監査役99%でした。

監査役会

マルハニチロ(株)は、監査役制度を採用しており、5名のうち、4名が社外監査役です。監査役は、定期的に開催される監査役会において、監査の方針、監査計画、監査の方法、監査役の職務の執行に関する事項の決定を行い、取締役会を含む重要会議ヘの出席、当社取締役および部署長へのヒアリングの実施、国内外の子会社ヘの往査、会計監査人からの監査結果などの聴取および意見交換、グループ監査役連絡会の定期的開催などにより、取締役の業務執行について監査を行っています。2023年3月期における監査役会は7回開催され、監査役の平均出席率は100% でした。なお、当社では、独立性の高い社外監査役4名を独立役員として指定しており、うち金融機関における長年の経験と豊かな知識を有する社外監査役3名を選任しています。

指名・報酬委員会

指名・報酬委員会は、過半数が社外取締役で構成され、委員長および委員は取締役会が選任します。同委員会では、取締役および執行役員の指名、報酬制度および水準などについて審議し、取締役会に対して意見を答申することにより取締役会の意思決定を補佐します。指名に関しては、2022年5月の指名・報酬委員会にて、2022年6月開催定時株主総会以降の取締役、執行役員候補者に係る審議を行い、同委員会よりの答申を尊重し、取締役、執行役員を決定しました。なお、元代表取締役社長などを相談役・顧問に選任する場合も、指名・報酬委員会での審議の上、取締役会にて決定する旨、定めておりますが、現在該当者はいません。
報酬に関しては、2022年5月の指名・報酬委員会にて、2022年7月以降の役員報酬額に係る審議を行い、2022年6月の取締役会にて同委員会よりの答申を尊重し、役員報酬額につき決定しました。2023年3月期における、指名・ 報酬委員会の開催回数は2回であり、委員の平均出席率は90%でした。

経営会議

経営会議は、代表取締役および常務以上の執行役員8名で構成されており、マルハニチログループ全体の経営戦略を企画立案するとともに、その経営戦略の推進に向けた体制の整備、長期ビジョンの実現に向けた経営戦略全般について、その方針を確立し、効果的に推進することを目的としています。経営会議は、原則として週1回開催され、取締役会から委任された業務執行について迅速な経営の意思決定を行い、重要な事項については取締役会に報告します。2023年3月期における経営会議は45回開催されました。

その他の委員会

経営会議の諮問機関として経営会議が任命する委員長をトップとする以下の委員会を設置しています。

委員会名 委員長・議長 開催目的
投資審議会 常務執行役員(事業企画部担当役員) 投資等の提案に関する案件を専門的な知見から迅速かつ広い視点で的確に審議し、リスク分析・評価に基づく合理的な意思決定に寄与。
コンプライアンス委員会 代表取締役社長 グループにおける法令違反等の未然防止および早期発見ならびに法令遵守意識の浸透。
品質委員会 代表取締役社長 グループにおける品質保証方針の策定、品質保証に係る戦略・計画の企画立案および活動推進と進捗管理。
サステナビリティ推進委員会 代表取締役社長 グループにおけるサステナビリティ戦略の企画立案および活動推進、マテリアイリティごとの取組みの進捗管理
知的財産委員会 常務執行役員(経営企画部担当役員) グループにおける知的財産戦略の企画立案、および中核事業の知的財産の保護および拡大。
情報管理委員会 常務執行役員(DX推進部担当役員) 個人情報および機密情報を、利用する形態を問わずに適切に管理し、情報に関する重大な経営リスクに対処。
商品開発委員会 代表取締役副社長執行役員 商品開発に関する方針・戦略の承認、新商品発売の最終承認、商品開発に関する体制の整備・運営。
DX推進委員会 代表取締役社長 DX関連情報の集約と推進を通じて、DX基盤設計、イノベーション、デジタル技術推進を図る。
人権啓発推進委員会 取締役常務執行役員(人事部担当役員) さまざまな人権問題に対する正しい理解と認識を深め、差別を許さない人権尊重の企業風土を構築するため、グループにおける人権教育・啓発を実施。

取締役会の主な審議実績(2023年3月期)

  • 政策保有株式の検証について
  • 取締役会の実効性評価について
  • 役員報酬制度改定及び中期業績連動型株式報酬の導入について
  • 自己株式の取得及び消却について
  • 国内無担保普通社債(ブルーボンド)の発行について

取締役会実効性評価

マルハニチロ(株)は、コーポレート・ガバナンス・ガイドライン第21条に定めるとおり毎年1回、各取締役による取締役会の自己評価を実施し、取締役会においてその実効性について分析・評価を行い、結果の概要を開示することとしています。2023年3月期では、2月から3月に実施した全取締役および全監査役に対する質問票形式の自己評価およびインタビューにもとづく評価結果をふまえ、取締役会において審議を行い、その評価にあたっては、外部専門機関の支援を受けています。当社の取締役会は、適切に機能しており、おおむね実効性が確保されていることを確認しました。

社外役員に関する独立性基準

マルハニチロ(株)において、以下の事項に該当しない場合、社外役員に独立性があると判断しています。

(ア)当社グループの主要取引先の業務執行者。なお、主要取引先とは、その取引金額が当社グループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%を超える取引先をいう。
(イ)当社グループの主要借入先の業務執行者。なお、主要借入先とは、直近事業年度末における当社の連結総資産の2%を超える額を当社グループに融資している借入先をいう。
(ウ)当社から役員報酬以外に、年間1,000万円を超える金銭その他の財産上の利益を受けている弁護士、公認会計士、税理士またはコンサルタント等
(エ)当社から年間1,000万円を超える寄付または助成を受けている者またはその業務執行者
(オ)上記(ア)から(エ)までに過去2年間において該当していた者
(カ)上記(ア)から(エ)に該当する者が、取締役、執行役、執行役員および部長格以上の業務執行者またはそれらに準ずる権限を有する業務執行者である場合、その者の配偶者または二親等以内の親族

社外取締役・社外監査役に対するトレーニング、意見交換の実施

社外取締役および社外監査役に、マルハニチログループの事業の理解を深めることを目的として、随時、事業に関する説明、および視察を実施するなどの施策を講じています。また、経営会議の諮問機関であるコンプライアンス委員会のメンバーとして社外取締役も参画し、社外取締役としての客観的かつ専門知識を生かした意見交換を行っています。加えて、社外取締役、社外監査役による意見交換も実施し、監査の実効性の確保に役立てています。

役員報酬制度に対する考え方

経営陣・取締役の報酬については、固定報酬・短期業績連動報酬・中期業績連動報酬で構成されております。業績連動報酬の評価指標は、短期は連結経常利益、中期は連結財務指標およびESG指標となっています。なお、社外取締役の報酬は固定報酬のみです。また、当社は、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しており、同委員会にて報酬制度および水準などについて審議し、取締役会の決議により決定しています。

取締役および監査役の報酬などの総額

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる
役員の員数
(名)
固定報酬 業績連動報酬
金銭報酬 非金銭報酬
取締役 265 188 57 19 7
(うち社外取締役) (27) (27) (-) (-) (3)
監査役 82 82 6
(うち社外監査役) (61) (61) (-) (-) (5)
合計 348 271 57 19 13
(うち社外役員) (89) (89) (-) (-) (8)

(注)
1. 取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
2. 2014年1月30日開催の臨時株主総会において、取締役の報酬額は月額60百万円以内(使用人兼務取締役の使用人分の給与は含まない)、監査役の報酬額は月額10百万円以内と決議されています。
当該株主総会決議に係る対象取締役の員数は13名(うち社外取締役は2名)、対象監査役の員数は5名(うち社外監査役は4名)です。
また、当社は、金銭報酬とは別枠で、2022年6月28日開催の第78期定時株主総会において、当社の取締役(社外取締役及び国内非居住者を除く。)及び執行役員(国内非居住者を除く。)に対する業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」を導入しております。なお、当該株主総会決議に係る対象取締役の員数は4名です。

業績連動型株式報酬制度の仕組み
  • ①当社は、本株主総会において、本制度について役員報酬の決議を得て、本株主総会で承認を受けた枠組みの範囲内において、「役員株式給付規程」を制定します。
  • ②当社は、①の本株主総会決議で承認を受けた範囲内で金銭を信託します。
  • ③本信託は、②で信託された金銭を原資として当社株式を、取引所市場を通じて又は当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得します。
  • ④当社は、「役員株式給付規程」に基づき取締役等にポイントを付与します。
  • ⑤本信託は、当社から独立した信託管理人の指図に従い、本信託勘定内の当社株式に係る議決権を行使しないこととします。
  • ⑥本信託は、取締役等を退任した者のうち「役員株式給付規程」に定める受益者要件を満たした者(以下、「受益者」といいます。)に対して、当該受益者に付与されたポイント数に応じた当社株式を給付します。ただし、取締役等が「役員株式給付規程」に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。

政策保有株式に対する考え方

取引関係の維持強化を目的に、政策保有株式として取引先の株式を保有していますが、当社の事業戦略および取引上の関係などを総合的に勘案し、その投資価値を判断することを基本方針としています。取締役会では、毎年1回、個別の政策保有株式の投資価値を検証し、当社の事業戦略や取引上の関係から継続保有の意味合いが薄れてきたと判断される銘柄に関しては、株価や市場動向をふまえ、売却などの縮減を進めることとしています。検証にあたっては、配当利回り・取引の状況などの便益を個別に精査したうえで、今後の取引の考え方や戦略的な重要性などの定性的評価も勘案し総合的に判断しています。2023年3月期は、2022年8月29日開催の取締役会において政策保有株式の検証を実施し、5銘柄31億円の縮減を実施しました。

グループガバナンスに対する考え方

「マルハニチログループリスクマネジメント規程」を定め、2016年3月期より毎年、各部署・グループ会社を対象にリスクの抽出と評価を行うリスク調査を実施し、リスクマネジメント基本計画を策定しています。取組みの内容は取締役会に報告され、グループ全体のリスク情報を共有しています。

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