コーポレート・ガバナンス体制
マルハニチロ(株)は、取締役会における審議の充実と監督の独立性を高め、経営陣への権限移譲と迅速な意思決定による環境変化への対応力強化と起業価値の向上を目指すため、当社は2025年6月25日の株主総会で監査等設置会社へ移行することを決定いたしました。

コーポレート・ガバナンス体制早見表(2025年6月25日現在)
機関設計の形態 | 監査等委員会設置会社 |
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取締役の人数(うち、社外取締役の人数) | 11名(6名) |
取締役会議長 | 代表取締役社長 |
定款上の取締役の任期 | 1年 |
執行役員制度の採用 | 有 |
取締役会の任意諮問委員会 | 指名・報酬委員会を設置 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
近年におけるガバナンス改革の変遷

取締役会
取締役会は、執行役員制度を導入して監督と執行を経営会議と適切に役割分担し、客観的な観点で業務執行を監督します。原則として毎月1回開催し、経営の方針・戦略、中期経営計画、年度経営計画、資本政策などの経営重要事項を決定し、個別の業務執行の決定は経営会議に委任しています。2025年3月期における取締役会は臨時取締役会を含めて16回開催され、平均出席率は取締役100%、監査役98%でした。
監査等委員会
2025年6月25日より設置した監査等委員会は社外取締役2名を含む3名で構成されています。監査等委員会は、監査等委員会規程および関連する社内規程等に基づき、取締役の職務執行の違法性・妥当性の監視・監督および監査を行います。
指名・報酬委員会
指名・報酬委員会は、過半数が社外取締役で構成され、委員長および委員は取締役会が選任します。同委員会では、取締役および執行役員の指名、報酬制度および水準などについて審議し、取締役会に対して意見を答申することにより取締役会の意思決定を補佐します。
2025年3月期における、指名・報酬委員会の開催回数は6回であり、委員平均出席率は100%でした。
経営会議
経営会議は、代表取締役および常務以上の業務執行役員の計7名で構成されています。原則として週1回開催され、取締役会から委任された業務執行について迅速な経営の意思決定を行い、重要な事項については取締役会に報告します。
その他の委員会
経営会議の諮問機関として経営会議が任命する委員長をトップとする以下の委員会を設置し、委員またはオブザーバーとして各委員会に取締役メンバーが参加しています。
委員会名 | 委員長・議長 | 開催目的 |
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投資審議会 | 取締役常務執行役員 | 投資等の提案に関する案件を専門的な知見から迅速かつ広い視点で的確に審議し、リスク分析・評価に基づく合理的な意思決定に寄与。 |
コンプライアンス委員会 | 常務執行役員 | グループにおける法令違反等の未然防止および早期発見ならびに法令遵守意識の浸透。 |
品質委員会 | 代表取締役副社長執行役員 | グループにおける品質保証方針の策定、品質保証に係る戦略・計画の企画立案および活動推進と進捗管理。 |
サステナビリティ推進委員会 | 取締役常務執行役員 | グループにおけるサステナビリティ戦略の企画立案および活動推進、マテリアイリティごとの取組みの進捗管理 |
知的財産委員会 | 取締役取締役常務執行役員 | グループにおける知的財産戦略の企画立案、および中核事業の知的財産の保護および拡大。 |
情報管理委員会 | 常務執行役員 | 個人情報および機密情報を、利用する形態を問わずに適切に管理し、情報に関する重大な経営リスクに対処。 |
商品開発委員会 | 代表取締役副社長執行役員 | 商品開発に関する方針・戦略の承認、新商品発売の最終承認、商品開発に関する体制の整備・運営。 |
DX推進委員会 | 執行役員 | DX関連情報の集約と推進を通じて、DX基盤設計、イノベーション、デジタル技術推進を図る。 |
人権啓発推進委員会 | 取締役常務執行役員 | さまざまな人権問題に対する正しい理解と認識を深め、差別を許さない人権尊重の企業風土を構築するため、グループにおける人権教育・啓発を実施。 |
ガバナンス強化に向けた方針
取締役会における討議の活性化
社外取締役にマルハニチログループの理解を深めることを目的として、随時、事業に関する説明・視察などの施策を講じています。2024年度は、2026年3月の社名変更にむけてオフサイトミーティング等の場も活用しながら、CI変革・中期事業戦略に関する討議等、活発な議論を重ねてまいりました。また、経営会議の諮問機関である各委員会への参加に加え、社外取締役による意見交換も実施し、監督の実効性に役立てています。
取締役会実効性評価
マルハニチロ(株)は、コーポレート・ガバナンス・ガイドライン第21条に定めるとおり毎年1回、各取締役による取締役会の自己評価を実施し、取締役会においてその実効性について分析・評価を行い、結果の概要を開示することとしています。2025年3月期では、2月から3月に実施した全取締役および全監査役に対する質問票形式の自己評価およびインタビューにもとづく評価結果をふまえ、取締役会において審議を行い、その評価にあたっては、外部専門機関の支援を受けています。当社の取締役会は、適切に機能しており、おおむね実効性が確保されていることを確認しました。

社外役員に関する独立性基準
マルハニチロ(株)において、以下の事項に該当しない場合、社外役員に独立性があると判断しています。
(ア)当社グループの主要取引先の業務執行者。なお、主要取引先とは、その取引金額が当社グループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%を超える取引先をいう。
(イ)当社グループの主要借入先の業務執行者。なお、主要借入先とは、直近事業年度末における当社の連結総資産の2%を超える額を当社グループに融資している借入先をいう。
(ウ)当社から役員報酬以外に、年間1,000万円を超える金銭その他の財産上の利益を受けている弁護士、公認会計士、税理士またはコンサルタント等
(エ)当社から年間1,000万円を超える寄付または助成を受けている者またはその業務執行者
(オ)上記(ア)から(エ)までに過去2年間において該当していた者
(カ)上記(ア)から(エ)に該当する者が、取締役、執行役、執行役員および部長格以上の業務執行者またはそれらに準ずる権限を有する業務執行者である場合、その者の配偶者または二親等以内の親族
役員報酬制度に対する考え方
当社の経営陣・取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬については、①固定報酬、②短期業績連動報酬、③中期業績連動株式報酬で構成されています。なお、社外役員は固定報酬のみとしています。また、当社は、取締役の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しており、同委員会にて報酬制度および水準などについて審議し、取締役会の決議により決定しています。

業績連動型株式報酬制度の仕組み

- ①当社は、本株主総会において、本制度について役員報酬の決議を得て、本株主総会で承認を受けた枠組みの範囲内において、「役員株式給付規程」を制定します。
- ②当社は、①の本株主総会決議で承認を受けた範囲内で金銭を信託します。
- ③本信託は、②で信託された金銭を原資として当社株式を、取引所市場を通じて又は当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得します。
- ④当社は、「役員株式給付規程」に基づき取締役等にポイントを付与します。
- ⑤本信託は、当社から独立した信託管理人の指図に従い、本信託勘定内の当社株式に係る議決権を行使しないこととします。
- ⑥本信託は、取締役等を退任した者のうち「役員株式給付規程」に定める受益者要件を満たした者(以下、「受益者」といいます。)に対して、当該受益者に付与されたポイント数に応じた当社株式を給付します。ただし、取締役等が「役員株式給付規程」に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。
政策保有株式に対する考え方
取引先との戦略的な取組み、および当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると判断する場合、政策保有株式として取引先の株式を保有することを基本方針としています。
取締役会では、毎年1回、個別の政策保有株式の投資価値を検証し、当社が継続的に保有する意義や合理性が認められなくなった銘柄については、株価や市場動向を踏まえ、保有先との対話を行いつつ売却などの縮減を進めています。
2025年3月期における政策保有株式の純資産比率は9.96%(前年比△4.76pt)となりました。
グループガバナンスに対する考え方
「マルハニチログループリスクマネジメント規程」を定め、2016年3月期より毎年、各部署・グループ会社を対象にリスクの抽出と評価を行うリスク調査を実施し、リスクマネジメント基本計画を策定しています。取組みの内容は取締役会に報告され、グループ全体のリスク情報を共有しています。