私たちマルハニチロは創業140年を超える会社です。中期経営計画「海といのちの未来をつくるMNV2024」初年度としてスタートした2022年度は、私たちが次の100年を勝ち抜くために、経済価値・環境価値・社会価値が一体となった企業価値創造が必要なのだとグループ内外に宣言した1年でした。
「海といのちの未来をつくるMNV2024」では、「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に取り組んでおり、経営戦略とサステナビリティの統合により、すべてのステークホルダーに対してMNV(Maruha Nichiro Value)を創造し、企業価値の向上と持続的成長を実現します。MNVの創造にあたっては、事業の継続性を担保する土台である経済価値の最大化に向けた経営戦略を着実に実行しつつ、環境価値、社会価値の最大化をめざしていきます。

MNVを最大化するために、経済価値(MNEV)・環境価値(EV)・社会価値(SV)を統合的に考えることが当社グループの戦略です。そのためには、それぞれのマネジメントが重要であり、財務KPIと同様にマテリアリティのKPIマネジメントも実践しており、それぞれ2027年、2030年をターゲットとして進めています。
選定した9つのマテリアリティはすべて重要ですが、これらを貫く概念として、グループガバナンスの視点は当社グループにとって課題であり、グループ内に浸透させていかなければなりません。ユニット長が関係会社までコントロールする仕組みが当社の特徴となるため、実践できている例をグループ内で共有化し、標準化することが求められています。グループガバナンスの実践は緒(ちょ)に就いたばかりであり、グループ内交流を今まで以上に活発化させ、全従業員が各グループ会社の存在意義まで考えることで、今後やるべきことが定まってくると考えています。

昨今の世界情勢からは、食に対して世界の人々が危機感を感じていることは明らかです。今後の世界人口の増加は確実であり、良質なたんぱく源を地球が永遠に生成し続けることが可能だろうかと疑念が生ずる中、私たちが食を手掛ける企業である以上、安全・安心で良質なたんぱくを提供し続ける企業になるという強い信念とメッセージを常に持って、今後の経済活動を含めた企業活動をしていけば、サステナブルな企業に必ずなれるだろうし、正しく評価される、そのような素地を持った企業だと考えています。今後もさまざまな苦難はあると思いますが、当社グループが掲げる長期経営ビジョンの「意義」を全従業員が感じ取ることができれば、何をするべきかという取組み課題が自ずと顕在化すると確信しています。

これからのマルハニチロにご期待ください。引き続き、一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2023年9月
マルハニチロ株式会社
代表取締役社長
池見 賢

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