地域・社会への価値
基本的な考え方
マルハニチログループが事業拠点を持つ地域において、私たちの事業が地域コミュニティに経済、社会、環境の観点から影響を及ぼす可能性があります。共存、共栄をめざし、良好な関係を構築するために、適切なコミュニケーションとさまざまな社会貢献活動に取り組んでいきます。
サステナビリティ中期経営計画(2018~2021年度)
重点課題地域社会との共存・共栄
目標 | 2020年度 | 2021年度 | |
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行動計画(主な施策) | 実績 | 行動計画(主な施策) | |
食の大切さを伝え、健康に貢献 |
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未来につなげる自然環境の保全 |
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地域社会の発展への貢献 |
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対象範囲:マルハニチログループ(国内)
責任部署:マルハニチログループ(株)経営企画部
2020年度の主な取組み
食育活動
CASE:魚食普及イベント「シェフ直伝~親子でつくるお魚を使った家庭料理~」
マルハニチロ(株)は、全国の親子に魚食の楽しさ、おいしさを知っていただき、健康な食生活に役立てていくことを目的として2015年からシェフ直伝親子料理教室を開催しています。2020年度は「シェフ直伝~親子でつくるお魚を使った家庭料理~」というテーマで大阪ガス(株)、京葉ガス(株)と共同で2回開催しました。
詳しいイベント報告は「魚食べたら福来たる」サイトをご覧ください。

CASE:「~海といのちの未来をつくる~未来につながるお魚ランチ教室」
マルハニチロ(株)は2021年4月「海と魚のサステナビリティ(持続可能性)」を伝える、「~海といのちの未来をつくる~未来につながるお魚ランチ教室」を東京ガスコミュニケーションズ(株)と共同で開催しました。本来であれば2020年の2月に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け1年延期をし、今回の開催に至りました。
魚食普及活動という目的に加え、持続可能な漁業に対する認証制度のMSC・ASCについて理解をしてもらうことを目的とし、当社のMSCおよびASCの認証製品を使用した「海のしあわせお弁当」を作りました。冒頭では世界的に魚食が人気となっている中で、水産資源が厳しい状況にあることを説明し、みんなが美味しい魚を食べ続けていくために、持続可能な水産物へ付けられる“海のエコラベル”について紹介しました。
コロナ禍ということもあり、作った料理は持ち帰るという形をとりました。今後もコロナ感染防止策を徹底し、料理教室を開催していきたいと考えています。


CASE:KIDS-シェフ
(株)ヤヨイサンフーズでは、一般社団法人国際食文化交流会と協働で「KIDS-シェフ」を開催しています。世界的に有名な三國清三シェフが、味覚が形成される時期の子どもたちの味覚を開花させ、食の楽しさを教える授業です。2019年度は、53回目の開催となり、2020年2月7日(金)に三重県度会町立度会小学校で実施しました。
詳しいイベント報告は「ヤヨイサンフーズ KIDS-シェフ」サイトをご覧ください。
食育に関わる情報発信
マルハニチログループは、食育に関わる多様な情報をステークホルダーの皆さまへ発信しています。魚食普及サイトである「魚食べたら福来たる」をはじめ、「サーモンミュージアム」や、「おさかなギャラリー」など、「知って・楽しめて・得する情報」をWEBサイトで発信しています。
環境活動
CASE:東京湾再生アマモプロジェクトへの継続協力
マルハニチログループは、東京湾の水質を改善し海の生き物の褄家となって沿岸の環境を整えるアマモ場の再生活動に2014年から協力しています。
2016年からは東京湾の環境改善に取り組む国土交通省の「東京湾UMIプロジェクト(東京湾・海をみんなで愛するプロジェクト)」協力企業にも選定されています。
アマモは水深1~数メートルの沿岸砂泥地に自生する海草の一種で、小魚のすみかとなって水質浄化しCO2を吸収する海草です。森林が吸収・固定するCO2を「グリーンカーボン」と呼ぶのに対し、アマモなど海藻・海草の藻場が吸収・固定するCO2を「ブルーカーボン」と呼びます。2020年10月に日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」に向けて策定された「グリーン成長戦略」では、ブルーカーボンを対象としたカーボン・オフセット※制度の検討を盛り込んでおり、脱炭素社会への方策としても注目されています。
※カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。
マルハニチロ(株)ではアマモの花枝採取をグループ内イベントとして実施してきましたが、2020年度は新型コロナウイルスの影響により中止とし、2020年6月6日(土)に海辺つくり研究会主催の千葉県木更津市での花枝採取へ、従業員1名が参加しました。
2021年度も新型コロナウイルスの影響によりイベントとしての開催は中止しましたが、継続的な環境活動として、NPO法人 海辺つくり研究会のスタッフおよび国土交通省関東地方整備局と合同で少数名にて、2021年5月29日(土)に千葉県木更津市金田漁協にて、十分に感染対策を行った上で実施しました。



CASE:夢ワカメ・ワークショップ/アマモ種まきへの参加
マルハニチロ(株)は、2020年11月29日(日)に横浜市西区みなとみらい地区臨港パークにて開催されたNPO法人海辺つくり研究会主催の夢ワカメ・ワークショップ/アマモ種まきに参加しました。毎年200 名以上が 一般参加するイベントですが、今年度はコロナ禍によりスタッフのみの参加となりました。
夢ワカメ・ワークショップは、海藻育成を通じ富栄養化した海域の環境を浄化するために行われています。ワークショップではワカメの種付け(種糸の取り付け)を行い、2月中旬に成長したワカメを収穫しました。アマモ種まきは高度成長期の大規模な埋め立てにより失われたアマモ場を再生し、豊かな海を取り戻すために行われています。


CASE:全国アマモ高校生サミット2020(オンライン)
マルハニチロ(株)は、2017年から全国アマモ高校生サミットに協賛しています。海辺の自然環境の再生に取り組む全国の高校生が、互いに活動内容を紹介し、情報交換をするとともに次世代の担い手として共に成長していくことを目的としています。
2020年度は11月15日(日)にZOOMでのオンライン開催となりましたが、全国から12校が集結し、チャットを通じた質疑応答は従来以上に活発に行われました。学生にとって活動発表や交流の機会となる貴重な場をコロナ禍でも形を変えて提供をすることができました。


CASE:全国の事業所周辺での清掃活動
マルハニチログループは全国にある工場や事業所などの周辺で清掃活動を実施し、地域の環境美化に努めています。2020年度はコロナ渦により多くの活動が中止となりましたが、事業所周辺の小規模開催された各種清掃活動に感染対策を行い参加しました。今後も活動を継続していきます。

CASE:海岸清掃活動“Make Sea Happy”
マルハニチログループは、2020年10月31日(土)に葛西海浜公園(東京都江戸川区)にて海岸清掃活動“Make Sea Happy”を実施しました。コロナ禍を考慮し参加人数を17名に絞り(前年度60名)、ソーシャルディスタンスの確保など対策を徹底し行いました。一般社団法人JEANの団体プログラム「秋の国際海岸クリーンアップ」に参加する形で実施し、所定の共通ルールに従って収集ごみを約40種類に分けて重量を計り、JEANに報告しました。今回の報告データは、各地のごみのデータと合わせ政策提言などに活用されます。


地域貢献活動
CASE:青森ねぶた祭
コロナ禍のため2021年度も中止となりましたが、1953年に大型ねぶたを出して以来、マルハニチロ(株)は半世紀にわたって、毎年青森ねぶた祭※に参加し地域振興を図っています(一部の年を除く)。
※青森ねぶたは、国の重要無形民俗文化財に指定された東北三大祭りのひとつ。
CASE:第27回豊洲フェスタ
マルハニチロ(株)は、2020年10月24(土)~25日(日)に江東区豊洲文化センターにて、公益財団法人 江東区文化コミュニティ財団主催による豊洲フェスタに参加しました。本イベントは地元企業や団体が参加し、地域住民と交流を図る場となっており、マルハニチロ(株)は「思い出缶詰づくり」を出展しました。2日間で50名の方に参加していただき、親子で楽しめるイベントが開催できました。

CASE:フードバンク支援
マルハニチログループは、まだ食べられるにもかかわらず販売できない食品や余剰となった食品原料について、フードバンク活動※を行うNPO法人へ寄贈する取組みを約10年前より実施しています。福祉向上に寄与するだけでなく、食品廃棄物の発生を抑制する取組みでもあります。
2020年度も、フードバンク活動を行っているセカンドハーベスト・ジャパンやフードバンクにいがた、地域でこども食堂などを運営するNPO法人に食品を寄贈しました。
※フードバンク活動:まだ十分に食べることができるにもかかわらず、さまざまな理由で流通が困難になった商品を、生活困窮者へ無償で提供する活動

CASE:第8回下関カッターレース
「海に感謝、海に親しみ、海の街 しものせきを元気に」をコンセプトに、第8回「下関カッターレース」が2019年7月21日(日)に開催されました。
マルハニチロ(株)下関工場は、この「下関カッターレース」に毎年参加しています。2020年度はコロナ過により中止、2021年度も延期となり、2022年度の開催予定となっております。

CASE:オーストラリア・パース市河口の環境改善キャンペーン
オーストラル・フィッシャリーズ社は、パース市の中心部を流れる汽水域の河口にてかつて豊富にあった貝礁を回復して河川の環境改善を図るThe Swan-Canning Estuary restoration campaignに賛同しています。このプロジェクトは国際NGO “The Nature Conservancy”が展開しており、川の生態系の回復をめざしています。
文化・教育活動
CASE:訪問学習による高校生へのキャリア教育活動
2020年11月12日(木)にキャリア教育活動の一環として、正智深谷高等学校の生徒5名がマルハニチロ(株)本社を訪れました。3年目の取組みとなる正智深谷高等学校の訪問学習は、生徒がさまざまな企業、機関を訪問し事業内容や日々の業務について学びを深め、仕事の役割ややりがいを理解することを目的として行われています。

CASE:持続可能な水産資源の利用に関する中学生への教育活動
マルハニチロ(株)は、2020年11月18日(水)「環境に関する取組みアンケート」として持続可能な水産資源の利用に関する活動とそのメリット、デメリットについて豊島岡女子学園中学校のオンラインインタビューに対応しました。コロナ禍により4月以降予定されていた学生の企業訪問が軒並み中止となりましたが、オンライン開催など新しい形での活動を今後も積極的に行っていきます。
新型コロナウイルス感染防止に関する取組み
CASE:医療従事者支援
マルハニチロ(株)は、新型コロナウイルスによる感染が継続する中、医療現場の最前線で感染予防や診療などの業務にあたっている医療従事者を食の面から支援するため、医療従事者への食品の物資支援を行うプラットフォームであるWeSupport、病院経営をサポートする(株)キャピタルメディカにもご協力いただき、計10病院へ当社製品を寄贈しました。


寄贈先・寄贈製品
納品年月日 | 寄贈先・協力先 | 寄贈品 | 数量 |
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2020年5月20日 | WeSupport | 1秒OPENおさかなソーセージ70g4本束 | 900束(3,600本) |
2020年7月14日 | WeSupport | カップゼリー「フルティシエちょっと贅沢シリーズ」5種類 | 計60ケース(2,880個) |
2020年12月25日 | 医療法人和松会 六地蔵総合病院 | 缶詰3種類「釧路のいわし味付・みそ煮・水煮」 | 計15ケース(720個) |
2020年2月2日 | 日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 | 1秒OPENおさかなソーセージ70g4本束 | 2,100束(8,400本) |
2020年2月3日 | 社会医療法人社団 愛心館 愛心メモリアル病院 | 1秒OPENおさかなソーセージ70g4本束 | 300束(1,200本) |
2020年2月10日 | 県立広島病院 | 1秒OPENおさかなソーセージ70g4本束 カップゼリー「フルティシエちょっと贅沢ミックス」 |
240束(960本) 5ケース(240個) |
2020年2月17日 | 社会医療法人 禎心会 札幌禎心会病院 | 1秒OPENおさかなソーセージ70g4本束 | 750束(3,000本) |
2021年5月20日 | 県立広島病院 | 1秒OPENおさかなソーセージ70g4本束 カップゼリー「フルティシエちょっと贅沢ミックス」 |
240束(960本) 5ケース(240個) |
2021年6月25日 | 医療法人 北仁会 いしばし病院 | 缶詰3種類「さば味噌煮・さば煮付・さば水煮」 | 計6ケース(288個) |
2021年6月25日 | 医療法人 豊和会 新札幌豊和会病院 | 缶詰3種類「さば味噌煮・さば煮付・さば水煮」 | 計6ケース(288個) |
2021年6月25日 | 医療法人 前橋会 高崎ハートホスピタル | 缶詰3種類「釧路のいわし味付・みそ煮・水煮」 | 計3ケース(144個) |
2021年6月25日 | 医療法人 和松会 六地蔵総合病院 | 缶詰3種類「釧路のいわし味付・みそ煮・水煮」 | 計7ケース(336個) |
2021年6月16日 | 医療法人 新青会 川口工業総合病院 | カップゼリー「フルティシエちょっと贅沢シリーズ」2種類 | 計10ケース(480個) |
2021年6月17日 | 医療法人 ユカリア沖縄 かんな病院 | カップゼリー「フルティシエちょっと贅沢シリーズ」2種類 | 計5ケース(240個) |
CASE:子ども食堂などへの支援
マルハニチロ(株)は、コロナ禍によりさまざまな困難に直面している子どもたちやその世帯をサポートするため、子ども食堂を運営している東京都江戸川区のNPO法人らいおんはーとならびに宮城県石巻市の特定非営利活動法人 石巻復興支援ネットワークの2団体に、簡単に調理できる缶詰とレトルトの組み合わせ商品を寄贈しました。
また、日本缶詰びん詰レトルト食品協会を通じて、全国の児童養護施設・25施設へレトルト食品を寄贈しました。

今後に向けて
2020年度はコロナ禍により、様々なイベントが軒並み中止になってしまいましたが、オンラインでの実施や新型コロナウィルス感染対策を行い、今後も臨機応変に対応しつつイベントを実施していきます。