SeaBOSの取組み
Seafood Business for Ocean Stewardship (SeaBOS)に参画
SeaBOS (Seafood Business for Ocean Stewardship)は、世界水産大手企業8社と、海洋・漁業・持続可能性を研究する科学者が、持続可能な水産物の生産と健全な海洋環境を確保するために、科学的根拠にもとづく戦略と活動を協力しながら主導することを目的に2016年に設立されたグローバルなイニシアチブです。国連の持続可能な開発目標(SDGs)、特に「目標14 海の豊かさを守ろう」に積極的に貢献するとしています。
マルハニチロはSeaBOSの立ち上げから参加し、2018年9月、組織設立と同時に当社社長(当時)の伊藤滋が初代会長に指名され、2020年10月まで会長として従事しました。
SeaBOSの主要な課題とミッション
世界最大手の水産企業9社が、海洋のサステナビリティ(持続可能性)を実現するために指導力を発揮すべく努める
Vision | 海洋管理に関する変革を促進する |
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How | 政府やその他のサステナビリティの主導者との協力を含め、業界が海洋に対する世界的な責任を負い、海洋管理に積極的に携わる |
Mission | 持続可能な水産物の生産と健全な海洋環境の実現に向けて世界をリードする |
SeaBOS参画企業
- マルハニチロ
- ニッスイ
- Thai Union Group
- Dongwon Industries
- Cermaq
- Nutreco/Skretting
- Cargill Aqua Nutrition
- Charoen Pokphand Foods
第8回SeaBOS会議への参加
2023年10月、韓国の釜山にて第8回SeaBOS会議が開催されました。
本会議では変革に向けた行動の実践とその影響もたらすメカニズムについて議論し、タスクフォースと連動はするが新たに以下2つのキーストーンプロジェクトを立ち上げました。
<Antimicrobial Resistance (AMR) Keystone Project>
水産水産養殖における抗菌薬耐性遺伝子の試験プロトコルを開発するためのプロジェクトです。SeaBOS参画企業でタイの水産養殖に関わるメンバーと科学者にて抗生物質管理改善を目指し将来的には他の国や種に関わる可能性も視野に入れています。
<West Coast Africa Keystone Project>
SeaBOS参画企業の活動地域の一つ、西アフリカ諸国(モロッコ、モーリタニア、セネガル)における、IUU漁業と現代奴隷制のリスクに対処するために、漁業サプライチェーンのトレーサビリティと透明性を向上させるための重要なプロジェクトです。科学者とその地域で活動している団体と共同して推進し、リスク軽減を目指します。
Antimicrobial Resistance (AMR) Keystone Project – SeaBOS
West Coast Africa Keystone Project – SeaBOS
SeaBOS | 関連するタスクフォース | 主な合意内容 2021年 | 主な合意内容 2022年 | 主な合意内容 2023年 |
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IUU漁業、強制労働・児童労働排除への取組み | タスクフォース Ⅰ | 自社操業において、IUU漁業と強制労働・児童労働への関与がないことを確認した。引き続き調達品に関してサプライチェーン上におけるこれらの問題に対処し、2022年と2025年に進捗を報告する。 | 2025年の進捗報告に向けてサプライチェーンも含めて確認を進めていく。 | 既存の期限付き目標を見直し、2024年10月に新たな目標を提示する。 |
生物多様性(絶滅危惧種含めて)とエコシステムへの取組み | タスクフォース Ⅱ | 絶滅危惧種への影響を減らすための戦略への合意のもと、サメ、エイ類、海鳥から、絶滅危惧種の混獲(こんかく)防止の取り組みを進めることに決定し、将来的には対象魚種を拡大していく。 | サメ・エイ類、海鳥の絶滅危惧種の混獲防止の取り組みの進捗報告を2023年10月に実施する。 | 既存の期限付き目標を見直し、2024年10月に新たな目標を提示する。 |
抗生物質使用削減への取組み | タスクフォース Ⅲ | 抗生物質の使用を減らすための戦略に合意する。2022年10月までに、抗菌剤使用管理のCoC(行動規範)を策定する。2023年10月までに、上記CIAの薬剤使用見直しのロードマップを策定する。 | 既存の期限付き目標を見直し、2024年10月に新たな目標を提示する。キーストーンプロジェクト(Antimicrobial Resistance (AMR) )を当面の主活動として行う。 | |
気候変動対策への取組み | タスクフォース Ⅳ | 各社のCO2排出削減目標と報告方法を設定。2022年5月までに各社のCO2排出削減目標を設定する。 | 2023年10月にCO2排出削減の進捗報告する。 | 既存の期限付き目標を見直し、2024年10月に新たな目標を提示する |
海洋プラスチック問題への取組み | タスクフォース Ⅴ | 課題に対する認識と理解を深め、海岸や河川のクリーンアップ活動範囲を拡大し、継続実施する。 | SeaBOSメンバー企業で海岸清掃活動を継続して推進する。 | 既存の期限付き目標を見直し、2024年10月に新たな目標を提示する。SeaBOSメンバー企業で海岸清掃活動を継続して推進する。 |
第6回 SeaBOS 事務方会議の開催
2024年4月17日~19日にスウェーデンのストックホルムにて開催されました。10月の第9回SeaBOS会議に向けて各タスクフォース及びキーストーンプロジェクトの進捗状況ならびに課題などについて積極的に議論を行いました。
「合同海岸クリーンアップ 2024」を実施
タスクフォースⅤ「海洋プラスチック問題への対応」の取り組みの一環として、昨年に引き続き合同で海岸クリーンアップ活動を2024年7月27日(土)に海浜幕張公園(千葉県千葉市美浜区)内の「幕張の浜」で実施しました。
当日は各社社長、従業員とその家族合計167名が参加し、可燃ごみ、缶・ペットボトル・びんのごみを合計104.6kg回収しました。今後も協力して、海洋プラスチック汚染などの環境問題への取り組みを継続していきます。
SeaBOS Progress Reportの発表
2022年6月にSeaBOSとして初の報告書を発表しました。それに続いて2023年10月にオーシャン・スチュワードシップのための共同行動を示し、水産業界の透明性と持続可能な慣行を推進するというメンバーのコミットメントを再確認する最初のレポートです。2022年から2023年に行われた企業の行動と、SeaBOSの目標とコミットメントで定義された課題に対する進捗状況を報告しています。
SeaBOS Impact Report