地域・社会への価値
基本的な考え方
マルハニチログループが事業拠点を持つ地域において、私たちの事業が地域コミュニティに経済、社会、環境の観点から影響を及ぼす可能性があります。共存、共栄をめざし、良好な関係を構築するために、適切なコミュニケーションとさまざまな社会貢献活動に取り組んでいきます。
マルハニチロの取組み
食育活動
CASE:魚食普及イベント
マルハニチロ(株)は、全国の親子に魚食の楽しさ、おいしさを知っていただき、健康な食生活に役立てていくことを目的として2015年からシェフ直伝親子料理教室を開催しています。昨年度と同様に2024年度もテーマを「海といのちの未来をつくる~親子で楽しいお魚クッキング~」とし、4月に東京ガス、大阪ガス(株)、6月に東邦ガス(株)、8月に京葉ガスと共同で4回開催しました。イベントの冒頭では「お魚のセミナー」も開催し、参加者の皆さまにお魚の雑学を楽しく学んでいただきました。また、一部開催のイベントでは MSCジャパンの方に水産物の持続可能性に配慮したMSC「海のエコラベル」に関する紹介もしていただきました。


CASE:親子料理教室番組 「お魚キッチン」の放送
2021年度は新たな企画として、東京ベイネットワークと協力し、親子料理教室「お魚キッチン」を収録しました。2022年3月27日より江東区・中央区にて2週間放送され、さらに全国のケーブルテレビでの放送も決まり、7月までに105万世帯で放送されました。
コロナ禍により全国で料理教室を実施することが困難な中で、より多くの方に魚食の楽しさ、おいしさを知っていただくため、マルハニチロの缶詰を使用した“簡単ながらも本格的なレシピ”を当社のクッキングアドバイザーが紹介しました。
こちらの番組は「魚食べれば福来る」でもご覧いただけます。

食育に関わる情報発信
マルハニチログループは、食育にかかわる多様な情報をステークホルダーの皆さまへ発信しています。魚食普及サイトである「魚食べたら福来たる」をはじめ、「サーモンミュージアム」や、「おさかなギャラリー」など、「知って・楽しめて・得する情報」をWEBサイトで発信しています。
環境活動
CASE:「東京湾 UMI プロジェクト」アマモ場再生活動への継続協力
マルハニチログループは、東京湾の水質を改善し海の生き物の褄みかとなって沿岸の環境を整えるアマモ場の再生活動に2014年から協力しています。2016年からは東京湾の環境改善に取り組む国土交通省の「東京湾UMIプロジェクト(東京湾・海をみんなで愛するプロジェクト)」協力企業にも選定されています。
アマモは水深1~数メートルの沿岸砂泥地に自生する海草の一種で、海の生き物の褄みかや産卵場所となり「海のゆりかご」と呼ばれています。窒素・リンなど栄養塩の吸収による水質浄化作用に加えて、近年はアマモなど海藻・海草の藻場が吸収・固定するCO2「ブルーカーボン」にも注目が集まっています。光合成によりCO2を吸収し海中に酸素を供給するだけでなく、藻場の海底の堆積物に取り込まれた炭素が数千年にわたって貯留されることから、地球温暖化対策の新たな吸収源としての期待も大きくなっています。
マルハニチログループではNPO法人海辺つくり研究会の指導のもと、アマモの花枝採取をグループ内イベントとして実施してきました。2025年度は6月14日(土)に金田海岸(千葉県木更津市)で開催しましたが、温暖化の影響によるものかアマモの生育が非常に悪く、花枝を採取することはできませんでした。代替として、コアマモの再生活動を実施しました。
コアマモは、アマモ等の海草とともにアマモ場を形成し、イカや魚が卵を産みつけたり、小さな魚のすみかになったり、海の生き物にとって大切な「海のゆりかご」です。アマモに比べて下部密度が極めて高く、草体に占める地下部の割合が高いため、底質を安定させるはたらきがあり、干潟の維持や干潟から浅場にかけての生物の保全、連続的な生態系に重要な役割を果たしています。コアマモを守ることは地球のいのちを守ることにもつながります。
今後も、アマモ場再生活動による生物多様性保全や二酸化炭素吸収など、活動の成果を数値化することをめざし、活動団体や行政とも協力しながら、活動の継続と拡大を図っていきます。


CASE:アマモ種まき
CASE:全国アマモサミット2024 in よこすか
CASE:夢ワカメ・ワークショップ
CASE:奄美大島で3回目のマングローブ植林に参加しました
2024年11月20日(土)マルハニチロ AQUA 奄美事業所が養殖事業を行っている奄美大島の瀬戸内町においてマングローブの植林が行われ、同事業所の職員4名とマルハニチロから2名が参加しました。マングローブは熱帯および亜熱帯の湿地帯や干潟、満潮になると海水が満ちてくる河口などに生育する植物の総称です。オセアニアや東南アジア、アフリカ、北アメリカ南部などの沿岸に分布し、日本では沖縄の島々や鹿児島の奄美大島、種子島、屋久島などで見られます。
マングローブ植林に至る経緯
瀬戸内町がゼロカーボンシティを目指していることもあり、2023年より増養殖事業部を通じてマングローブや藻場の造成について検討を進めました。マルハニチロAQUA奄美事業所の従業員も2023年夏の苗作りの段階から積極的に協力し、2024年1月より植林を開始しています。
マングローブは成長とともに樹木として炭素を貯留するうえ、海底の泥の中には枯れた枝や根を含む有機物が堆積し、炭素を貯留し続けるため、森林や海草・海藻と比較して炭素貯留効率が高いです。日本では鹿児島県の離島以南の亜熱帯地域でしかできない活動です。

CASE:インドネシアでマングローブ植林
2024年3月に当社サプライヤーのMega Marine Pride社(以下MMP社)の協力のもと、マルハニチログループから水産第三部、スラバヤ駐在員事務所、マルハ上海から総勢5名参加しMNP社従業員と合わせて75名にて500本を植樹しました。
約15年前にも、タイでマングローブ植樹をした経験がありましたが、再度取組みを実施したいと考えていたところ、MMP社の理解と協力により今回の植樹が実現しました。2025年7月にも当社従業員とMMP社による植樹活動を行っており、今後は同様の活動を異なる地域でも進めていければと考えています
今後も継続的に植樹を行い同様の活動を違う地域でも進めていければと考えています。

CASE:海岸清掃活動“Make Sea Happy!”
“Make Sea Happy!”は、海洋プラスチック問題を考慮した当社グループのクリーンアップ活動です。本活動は、単にごみを拾うだけでなく、拾ったごみを集計し、事務局で記録した後、環境団体(一般社団法人 JEAN )への調査協力として、ごみ情報を提供しています。
地域貢献活動
CASE:青森ねぶた祭
マルハニチロ(株)は、1953年に大型ねぶたを出して以来、地域振興を目的に、半世紀にわたって、毎年青森ねぶた祭※に参加しています(一部の年を除く)。
2025年度で57回目の出陣となります。大型ねぶたの製作はねぶた師の手塚茂樹氏が担当し、今年のテーマには、青森開港400年を祝い、さらなる飛躍と安寧、そして青森市の繁栄を願って、公開・漁業守護の神、龍神の背に乗った善知鳥中納言安方(うとうちゅうなごんやすかた)が令和の海を進む姿が描かれています。8月7日(木)の最終日には、マルハニチロ佞武多会は13年ぶりに台船に乗せられたねぶたが青森港を運行する海上運航に参加し、同時刻に行われた青森花火大会の花火をバックに、ねぶた祭のフィナーレを飾りました。
※青森ねぶたは、国の重要無形民俗文化財に指定された東北三大祭りのひとつ。

CASE:豊洲みらいプロジェクトイベントへの参画
マルハニチロ(株)は、「豊洲みらいプロジェクト」の一環として、2025年3月1日に実施した際には、好きな“おさかな”の切り抜きを台紙に貼って、ラミネート加工して、自分だけの「水族館」を作ろう!
を芝浦工業大学で実施しました。「豊洲みらいプロジェクト」は、豊洲エリアに立地する、株式会社IHI、株式会社SCSK、芝浦工業大学、マルハニチロ株式会社が、科学技術を重視する企業・大学と協力しながら、2019年より実施している“未来の科学技術を支える青少年の育成に資する教育プログラム”です。


文化・教育活動
CASE:訪問学習による中学生への教育・学習支援活動
マルハニチログループでは、中学生や高校生の教育・学習支援の一環として、生徒が企業の事業内容や SDGs に関する取組みについて学び、理解を深める機会を提供するため、定期的に訪問学習を受け入れています。2024年度は、福島市立吾妻中学校、山形市立第八中学校、愛知県岩倉市立南部中学校、佐賀県立佐賀西高等学校などの訪問学習(一部オンライン)を受け入れ、当社の事業内容や事業活動を通じて SDGs 達成のために行っている取組みについて紹介しました。社会全体で SDGs への関心が高まっている中、学校のカリキュラムとして SDGs を学ぶ機会が増えてきており、企業の取組みについて中高生や大学生からの問い合わせも増えています。
増加する要望に対し、マルハニチロ㈱では、社会貢献人財登録制度を2024年度から開始しました。サステナビリティ戦略部の担当者だけでなく、社会貢献人財登録制度に応募した従業員が社内教育を受けた後に、訪問学習の講師を担当することで活動を広げていきます。


CASE:株式会社ヤヨイサンフーズ カンボジアヤヨイ学校支援活動
カンボジアヤヨイ学校は、2008年に旧ヤヨイ食品が創業60周年記念事業として、JHP・学校をつくる会と協力し、カンボジアのコンターナン小学校に寄贈した校舎になります。
2019年度の支援活動実施以降、新型コロナの影響などもあり現地を訪問しての支援活動ではなく物資支援を継続してきましたが、2024年度、㈱ヤヨイサンフーズが発足10周年を迎えたことを受け、周年事業の一環として5年ぶりに現地を訪問して支援活動を実施しました。カンボジアヤヨイ学校では、綱引きやバレーボール、手作り楽器の演奏などで子供たちと交流した他、学校から要望のあった教室の再塗装を実施しました。

寄付・寄贈に関する取組み
CASE:フードバンク・子ども食堂などへの支援
マルハニチログループは、まだ食べられるにもかかわらず販売できなくなった商品について、フードバンク活動※を行うNPO法人へ寄贈する取組みを2009年より実施しています。福祉向上に寄与するだけでなく、フードロスを削減する目的もあります。2024年度も、フードバンク活動を行っているセカンドハーベスト・ジャパンやフードバンクかながわ、ふーどばんくOSAKAなどの団体に、冷凍食品などを寄贈しました。
※フードバンク活動:まだ十分に食べることができるにもかかわらず、さまざまな理由で流通が困難になった商品を、生活困窮者へ無償で提供する活動