健康経営の推進
健康経営方針
健康経営の戦略
経営戦略に基づき、中期経営計画に掲げる「多様な人財が安心しては働ける職場環境の構築」、従業員のウェル・ビーイング実現を目標に、カラダ・ココロ・エンゲージメントの3つを柱とし、戦略マップに定めています。
【健康経営戦略マップ】
最終的な目標指標
有所見率
| 年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2030年度目標 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 有所見率 | 54.5% | 51.5% | 55.6% | 55.7% | 52.9% | 50%以下 |
| 脂質 | 29.7% | 27.7% | 26.7% | 27.5% | 28.1% | 30%以下継続 |
| 肝機能 | 18.2% | 17.1% | 16.2% | 16.8% | 15.5% | 15%以下 |
| 血圧 | 16.6% | 15.4% | 13.4% | 16.3% | 14.1% | 15%以下継続 |
| 血糖 | 4.8% | 4.1% | 4.7% | 5.6% | 6.1% | 8%以下継続 |
高ストレス者率
| 年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2030目標 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 受検率 | 87.7% | 87.8% | 87.8% | 89.0% | 91.9% | 90%以上継続 |
| 高ストレス者率 | 14.7% | 14.8% | 14.1% | 17.1% | 16.2% | 10%以下 |
プレゼンティーイズム
| 年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 測定人数 | 3,449人 | 3,387人 | 3,254人 | 3,274人 |
| 回答率 | 90.3% | 90.3% | 87.5% | 87.3% |
| 実績値 | 64.4点 | 64.4点 | 64.8点 | 65.7点 |
- ※仕事のパフォーマンス指標、0~100点で実績値が高い方が、パフォーマンスが良い状態
- ※WHO-HPQを用いて測定
ワークエンゲージメント
| 年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2030年度目標 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 測定人数 | 2,064人 | 2,280人 | 2,422人 | 2,498人 | ー | |
| 回答率 | 84% | 79% | 84% | 87% | ー | |
| 総合スコア | 67 | 67 | 67 | 69 | ー | |
| 目標指標 | 挑戦する風土 | 61 | 62 | 61 | 64 | 70 |
| 発言・意見に対する承認
|
73 | 72 | 72 | 73 | 80 | |
- ※組織に対する自発的な貢献意欲や、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態の指標
- ※アトラエ社のエンゲージメントサーベイツール「wevox」を用いて測定した各年度末の測定値
- ※スコア0~100の範囲でスコアが高い方が、ワークエンゲージメントが高い状態
- ※wevoxにおける1,001~5,000名規模の全業界平均スコアは69
- ※本スコアの構成要素である「発言・意見に対する承認」 および「「挑戦する風土」をKGI(目標指標)として設定
また、戦略マップに記載の健康課題を解決するために「健康経営フレームワーク」を用いて目標の設定をし、解決に向けた施策立案・実行をしています。
1. ハイリスクアプローチ
- 個別指導の徹底により、要治療者の未治療および在職死亡者0の達成
- 健康診断事後措置を強化し、二次健康診断受診率 70%以上の継続
| 年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|
| 血圧コントロール率 | 73.5% | 63.5% | 79.4% | 67.4% | 70.1% |
| 糖尿病管理不良率 | 0.5% | 0.6% | 0.6% | 0.9% | 0.9% |
| 血糖リスク予備軍率 | 1.1% | 0.4% | 1.4% | 1.7% | 1.9% |
| 二次検査受診率 | 61.2% | 54.6% | 58.4% | 67.9% | 93.4% |
2. ポピュレーションアプローチ
- ヘルスリテラシー向上のための社員向けセミナーを実施し、健康に対する意識醸成および行動変容につなげる/セミナー参加者の行動変容意欲90%以上をめざす
- 食事×運動の取組みとした施策を開催し、従業員の健康診断結果および運動習慣に関する自主的目標の達成率 50%以上をめざす
マネジメント体制
マルハニチロ(株)では、代表取締役社長を健康経営最高責任者とし、人事部 ダイバーシティ&インクルージョン室(以下、「D&I室」) ・マルハニチロ健康推進室(産業医、保健師、臨床心理士、看護事務員)・マルハニチロ健康保険組合で構成する専門組織により健康経営を推進しています。月1回定例会を実施し連携を図り、方針や実施内容について適宜経営会議に諮っています。

マルハニチログループ全体の健康経営推進を図るべく、グループ労務担当者会議や安全衛生委員会等にて、取組みの意義の説明や事例などを共有しています。
月例定例会の主な実施内容
(人事部・マルハニチロ健康推進室・マルハニチロ健康保険組合参加)
- 健康経営戦略マップ構築
- 施策の策定
- 健康診断、特定保健指導データ分析
- 重症化予防対策
- 海外赴任者のフォロー
- メンタルヘルス 等
マルハニチロ健康推進室
本社に開設しているマルハニチロ健康推進室では、診療所の機能も兼ね備え産業医(週4日)・保健師・臨床心理士(平日毎日)が常駐し、従業員の心身の健康をサポートしています。出向者や海外赴任者に対しての健康診断事後フォローや、情報発信も実施しています。
マルハニチロ健康推進室によるサポート内容
- 診察・相談
- 約50種の薬品処方
- 症状に合わせた市販薬の提供
- 病院紹介(紹介状発行)
- 個室ベッド完備
- サニタリーケア用品提供
- 健康診断事後フォロー
- 長時間勤務者対応
- ストレスチェック高ストレス者対応
- 休復職者支援
- インフルエンザ予防接種の実施
- 心身の健康やLGBTQ+に関する書籍貸出
マルハニチロ健康保険組合
マルハニチロ健康保険組合では、人事部と協働で健康経営を推進し、加入者の皆さまの健康保持、増進のためのサポートを行っています。
マルハニチロ健康保険組合による保健事業施策
- 健康診断
特に糖尿病管理やがんの一次ならびに二次予防に力を入れています。 - 特定健診・特定保健指導
産業保健スタッフと協力し、重症化予防に努めています。 - データヘルス計画・コラボヘルス
レセプトや健診データ等を分析し、医療費の把握、健康リスクの階層化、保健事業の効果が高い対象者の抽出などを行い、産業保健スタッフと共有しています。 - 歯の健康相談
う蝕(むし歯)や歯周病の予防と早期発見・治療のために定期的に歯の健康相談(歯科健康診査、歯科健診)を実施しています。 - 感染症予防
インフルエンザ予防接種の補助を行っています。 - 健康増進のための啓発活動
健康経営を軸として、生活習慣病やセルフメディケーション等の啓発に力を入れています。
ウェルビーイング推進担当者
本社の各部署、支社・工場の各拠点に1名ずつ、ウェルビーイング推進担当者を配置し、従業員の健康経営参画を強化しています。定期的にウェルビーイング推進担当者ミーティングを実施し、情報提供や意見交換の場を設けています。
ミーティング内容事例
- マルハニチロの健康経営とは
- 健康経営戦略マップの策定について
- 健康診断と事後措置について
- メンタルヘルスと復職者支援
- ストレスチェックやエンゲージメントサーベイについて
- 健康保険組合のご紹介
- 施策の参加、実施報告、意見交換
マルハニチロの取組み
健康経営に関する取組みを「well-Bチャレンジ」と総称し、バランスの良い食生活や運動習慣、メンタルヘルスケアを実践することにより健康(Wellness)を強化(Boost)し、一人ひとりが心・体・社会的に良好な状態(Well-being)であるための一助となることをめざしています。
また、一つひとつの施策を「well-Bアクション」と位置づけ、健康ポイントプログラムと連動させ、従業員の健康課題解決や健康維持・向上に取り組んでいます。
「カラダ」に関する取組み
健康診断およびその事後措置の徹底
法令で定められている項目だけではなく独自に健診項目を追加することで、より充実した健康診断を行っています。健康診断の受診率100%を前提とし、要再検者に関しては保健師による個別案内、および二次検診の費用を会社が全額負担することで事後措置の徹底を図っております。また、ハイリスク者には産業医面談や保健指導を継続的に実施し、数値の改善を進めるべく取り組んでいます。
健康ポイントプログラム
健康に寄与する行動をポイント化し、貯めたポイントを各自が商品と交換できる「健康ポイントプログラム」を導入しています。アプリを活用した日々の歩数や生活習慣記録、施策への参加、健康診断結果に応じ、ポイントを付与することで、従業員の健康に関する行動変容を促しています。
自社製品を活用した代表的なwell-Bアクション
従業員自ら、マルハニチログループが開発・販売している健康維持増進を支援している商品を活用し、従業員の健康増進を図っています。健康経営の推進開始当初、健康診断の有所見率で一番高かった「脂質」の改善を図るため、DHA・EPAなどのω-3系脂肪酸が豊富な魚の缶詰やソーセージを約2ヶ月分提供するとともに、歩数チャレンジ開催による運動習慣の定着を促進しています。2019年度からの継続的な取り組みにより、「脂質」の有所見率は改善傾向にあります。

自社商品を活用した取り組みにおける行動変容率・目標達成率
| 年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 参加者数 | 100名 | 151名 | 193名 | 221名 | 295名 | 300名 | 500名 |
| 自主的目標達成率(健康診断数値改善) | 36.40% | 29.3% | 28% | チャレンジ中 | |||
| 自主的目標達成率(運動習慣) | 57.90% | 54.1% | 54% | チャレンジ中 | |||
| 行動変容意欲率 | 94% | 94% | 93% | チャレンジ中 | |||
※本施策には336万円を投資しています(2025年度実績)
自社製品を活用した代表的なwell-Bアクションについてはこちら
喫煙率低下の取組み
従業員の喫煙率の低下に向けて、2019年より「卒煙プログラムと題して、オンライン面談およびアプリを活用したサポートを無償に提供し、取組みを行っています。
その結果、喫煙率の低下が認められています。
健康に配慮した食事の提供
マルハニチロ(株)本社では、1食あたり糖質30g・塩分2.5g以下の健康に配慮したお弁当office nosh(オフィス ナッシュ)を導入しております。販売時間を夕方まで設けることで、ランチのみならず夕食での利用や持ち帰りも可能です。また、販売は障がい者雇用~なないろサポートチーム~が担当しています。
「メンタルヘルス」に関する取組み
ストレスチェック実施と分析
2016年度より毎年全事業所に対しストレスチェックを実施しています。高ストレス者率を健康経営の最終的な目標指標のひとつに定め、メンタル不調者や予備軍への早期対応、そして職場環境改善につなげることを目的とし、データに基づく職場改善フォローの強化を図っていきます。
ストレスチェックに関する指標メンタルヘルス不調予防措置
マルハニチロ(株)は、メンタルヘルス不調にならないために、従業員が臨床心理士に気軽に相談できる「ココロバ」という相談所を設置しています。特にメンタルリスクの高い新入社員に対しては、基礎知識および予防方法の習得を目的とし、臨床心理士が個別面談を実施しています。2024年度は、80名の新入社員全員に対し実施しました。
管理職に対してメンタルヘルスに関する研修を実施しているほか、エンゲージメントの向上の一環として、1on1ミーティング「ブカシル」の全社導入も行っています。上司が部下にとってよい対話者であること、健康を含めて総合的な観点で部下の様子に気を配ることを狙いとしています。さらに、メンター制度を導入し、関係性の質の向上、すなわち1次予防に努めています。

休業・復職支援
従業員の健康と安全を守り、病気になった場合にも療養と職場復帰を支える様々な制度を設けています。休職が必要となった際は、医療専門職が中心となり、復職支援を行っています。また、管理職向け・本人向けの休業・復職支援ガイドブックを作成、相談体制を構築しています。アブセンティーイズム(傷病による休職人数の全従業員平均)、再休職率を指標とし、低減を目指しています。
アブセンティーイズム
| 年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 日 | 0.8 | 1.3 | 2.8 | 2.0 |
- ※傷病による休職日数の全従業員平均
- ※勤怠データにより把握
従業員のヘルスリテラシー向上に関する取組み
新入社員研修
マルハニチロ(株)では、新入社員研修でD&Iや健康経営についての理解を深める機会提供を行い、今後を担う世代を含めて会社全体の風土醸成をするために、「ダイバーシティ&インクルージョン」の意味や当社での位置づけ、D&Iの考え方にのっとって行われる「健康経営」の意味や実際の当社での取組みを紹介しています。
従業員向けイベント
マルハニチロ(株)では、従業員のヘルスリテラシー向上や生活習慣病予防のため、健康課題や従業員アンケートを元にさまざまなイベントを開催しています。
運動不足解消・運動習慣定着の取組み
| 実施年度 | イベント | 内容 | 参加人数 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | エクササイズレッスン動画配信 | コロナ禍に対応し、“在宅編”“オフィス編”計4つのエクササイズを動画配信 | 視聴数705回 |
| 2021年度 | うぉーきんぴっく | 歩数+身体活動量(メッツ)+エクササイズプログラム参加をポイント化し金メダルを目指す | 252名 |
| 2022年度 | 歩数競争 | well-Bチャレンジ2022の中で歩数競争を開催 | 221名 |
| 2023年度 | 歩数競争 | well-Bチャレンジ2023の中で歩数競争を開催 | 295名 |
| 2023年度 | エクササイズDAYS | いつでも、だれでも、どこからでも参加可能なエクササイズイベント | 307名 |
| 2024年度 | 歩数競争 | well-Bチャレンジ2024の中で歩数競争を開催 | 300名 |
食生活改善・生活習慣病予防の取組み
| 実施年度 | イベント | 内容 | 参加人数 |
|---|---|---|---|
| 2021年度 | 食生活セミナー | 仕事効率をアップさせる食事術セミナーの開催 | 126名 |
| 2021年度 | 体組成測定会 | 体組成測定と保健師によるアドバイス実施 | 260名 |
| 2022年度 | ヤクルトリレー | 腸の健康の啓発に合わせ、部署メンバーに日頃の感謝メッセージとヤクルトをバトンで繋ぐリレー | 200名 |
| 2023年度 | ベジチェック測定会 | 野菜摂取の意識啓発、現状確認、行動変容促進 | 1,000名~ |
| 2024年度 | 体成分測定会 | InBodyによる体成分測定会を全国の事業所で開催 | 780名~ |
睡眠に関する取組み
| 実施年度 | イベント | 内容 | 参加人数 |
|---|---|---|---|
| 2021年度 | スリープタフネスセミナー | 良質な睡眠を得るための知識とスキルを習得 | 68名 |
女性の健康に関する取組み
| 実施年度 | イベント | 内容 | 参加人数 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | Women‘s Fest2020 | 女性特有の健康課題に特化し5つのイベントを実施 | 139名 |
| 2021年度 | 働く女性の健康動画配信 | 「働く女性の健康」をテーマに3部構成の動画を公開 | 視聴数226回 |
| 2022年度 | 働く社員の健康セミナー(女性編) | 産婦人科医の高尾美穂先生をお招きし、女性特有の健康課題を学び、行動変容促進 | 149名 |
| 2024年度 | 女性特有の健康課題e-ラーニング | 女性特有の健康課題とその対処法を知り、職場でのより良いコミュニケーションや生産性向上を目的に実施 | 2,370名 |
生産性低下防止の取組み
| 実施年度 | イベント | 内容 | 参加人数 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | めぐりズムリレー | 目の愛護デーの啓発と共に、部署メンバーに日ごろの感謝メッセージとめぐりズムをバトンでつなぐリレー | 1,292名 |
社外への事例報告
- 2022年 産業衛生学会での事例報告
「定期健康診断で40歳未満の従業員にABC検診を導入して」 - 2021年春・秋/2022年春 HRカンファレンス登壇
- 2023年 産経新聞社主催のセミナー
『「健康経営」そして「ウェルビーイング経営」へ ~先進企業と共に考える「人への投資」の本質的価値とは~』登壇 - 2024年 バックオフィスDXPO
「マルハニチロの健康経営~さらなる健康、ウェルビーイング経営へ~」 - 2024年・2025年 健康経営の普及活動および地域住民の皆さまの健康増進
「アンダーアーマー豊洲ベイサイドラン2024・2025」への協賛・出展

健康経営への取組みによる社外評価
マルハニチロ(株)では、以下の健康経営への取組みによる社外評価を受けています。
- 健康経営銘柄2025
- 健康経営優良法人(ホワイト500)2025
- スポーツエールカンパニー2025ブロンズ
- 東京都スポーツ推進企業2024

