ダイバーシティの推進と働き方改革の実施
基本的な考え方
マルハニチログループは、性別、国籍、価値観、年齢、ライフスタイル、障がいの有無など、お互いの違いを尊重し、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮することが持続的な企業の成長のために重要であると認識しています。なかでも、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に向け、方針の整備とともに各種施策を展開しています。
マルハニチロダイバーシティ&インクルージョン宣言
マルハニチログループは、価値創造を通じて、成長し続ける企業グループであるために社会の多様性を尊重する企業文化をつくることで、誰もが自らの強みを存分に発揮し、その能力を最大限に生かすことができる職場環境づくりに取り組んでいきます。
マネジメント体制
マルハニチロ(株)では、各部署が連携してダイバーシティ&インクルージョンを推進するための重要な方針や施策を決定しています。人事部は、各種方針類の策定や管理・企画立案や実行、情報の収集・発信および教育・啓発などの推進を担っています。さらに、各部署にウェルビーイング推進担当を任命し、人事部が企画する施策の周知共有や、職場内の意見集約などを行っています。

2030年のありたい姿(KGI)と達成目標(KPI)
前中期経営計画(2022年度~2024年度)結果
マテリアリティ | 多様な人財が安心して活躍できる職場環境の構築 | |||||
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KGI(2030年のありたい姿) | 多様性が尊重された、従業員が安心して活躍できる職場環境が構築できている | |||||
KPI | 採用比率女性50%維持による女性従業員比(MN) | 取締役会女性比率(MN) | 女性管理職比率(MN) | マルハニチロ人財育成プログラム確立と2030年度目標の設定(MN) | 従業員エンゲージメント評価方法確立と2030年度目標の設定(MN) | |
ターゲット | 目標年 | 2030 | 2030 | 2030 | 2024 | 2024 |
目標値 | 35%以上 | 30%以上 | 15%以上 | - | - | |
前中期経営計画の 自己評価と課題 |
進捗結果コメント | 3年間(2022~2024年度)で女性採用比率51%を達成 従業員女性比率:29.2%(2024年4月) |
2024年度の取締役会女性比率はKPI目標20%に対して25%達成。 | 2024年度 女性管理職比率はKPI目標7.5%に対し7.7%達成。 | マルハニチロ人財育成プログラム(サクセッションプログラム、グローバル人財育成、DX人財育成、サステナビリティ人財育成)の確立と2030年度の目標設定を達成 | 従業員エンゲージメントの特定項目の2030年度スコア目標を設定 |
自己評価※ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | |
責任部署 | マルハニチロ(株)人事部 |
★★★☆☆︓2024年度KPI達成済み或いは2030年度KPI達成に向けて計画通り進捗、★★☆☆☆︓KPI達成に向けて遅れ気味
中期経営計画(2025年度~2027年度)KGI・KPI
マテリアリティ | 多様な人財が安心して活躍できる職場環境の構築 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
KGI(2030年のありたい姿) | 多様性が尊重された、従業員が安心して活躍できる職場環境が構築できている | |||||
KPI | 採用比率女性50%維持による女性従業員比(マルハニチロ(株)) | 取締役会女性比率30% | 女性管理職比率(マルハニチロ(株)) | 人財育成プログラムに基づく各人財プールの目標達成 (マルハニチロ(株)) | 従業員エンゲージメントの特定項目のエンゲージスコア達成 (マルハニチロ(株)) | |
ターゲット | 2027年度目標 | ー | ー | ー | 各人財プールの目標数値達成 | 特定項目のエンゲージ スコア達成 |
2030年度目標 | 35%以上 | 30% | 15%以上 | 各人財プールの目標数値達成 | 特定項目のエンゲージスコア達成 | |
責任部署 | マルハニチロ(株)人事部 |
マルハニチロの取り組み
風土改革の推進
マルハニチロ(株)が重要視する風土
マルハニチロ(株)は、風土改革により下記の風土醸成を目指します。
- さまざまなライフイベントなどを含む個人のキャリアや人生を尊重する風土
- 個人のWILLを伝え合い、会社のパーパスとすり合わせることができる⾃⽴的キャリア思考風土
- 挑戦、失敗ができ、的確なフィードバックが⾏われる⼼理的安全性の高い風土
- 多様性を理解し、尊重する風土
風土改革によって得られる心理的安全性の高い職場
心理的安全性の高い職場は、具体的に下記の状態の職場です。

従業員エンゲージメント
マルハニチロ(株)では従業員のエンゲージメントを、企業価値を高める重要な要素と位置づけており、従業員のエンゲージメントレベルを図るパルスサーベイを2021年度、2022年度は月1回、2023年度からは2か月に1回実施しています。結果は課⻑級⾃らが自身のマネジメントを顧みるツールとして活用するとともに、全社目線でのエンゲージメントを都度把握することに活用しています。
「挑戦と共創の文化醸成」という長期ビジョンの実現に向けて、2024年度にエンゲージメントサーベイの以下3項目を重要指標として選定し、2030年度に向けた目標を設定しています。これらの指標は、「挑戦と共創の文化」の定着度を測る重要な尺度であり、現状の課題を反映した項目として、その改善が価値創造の基盤強化につながると考えています。
- 「会社の方針や事業戦略への納得感」
- 「挑戦する風土」(失敗したこと以上に挑戦したことを称えられる組織文化)
- 「発言・意見に対する承認」(周囲が自分の意見や発言を聞いてくれているか)
またグループ会社を対象としたサーベイは2023年度から実施しており、2024年度は10,232名が対象となりました。
CASE:部署紹介(みてみてともにん)
「共に働く人を知ろう」というコンセプトのもと、「個」のみならず「組織」を知ることで部署を超えた連携や社員同士のコミュニケーション強化を図ることを目的として、2019年度から実施しています。社内のイントラネット内で公開し、部署交流のきっかけや社員自身の今後のキャリアを考える情報として社員に人気のコンテンツになっています。
従業員エンゲージメント向上に関わる取組み
女性活躍
ダイバーシティ推進の重要施策の一環として、採用から登用までのあらゆる段階で機会の平等を確保する取り組みを強化しています。具体的には男女比50:50の採用指標を設けるほか、従来男性従業員が多くを占めていた職種や海外実務の場においても女性の積極的な登用を進めています。
女性管理職の育成・登用については、キャリア形成を支援する研修プログラムの提供や、ロールモデルとなる女性管理職の発信機会の創出など、成長機会の拡充と組織風土の醸成を同時に進め強化しています。
CASE:「えるぼし」認定取得
マルハニチロ(株)は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定制度で、女性活躍推進に関する状況が優良な企業に発行される厚生労働省「えるぼし」を取得しています。当社の「女性も活躍しやすい環境づくり」に向けた取組みが評価されたもので、5つの評価項目のうち、「継続就業」「労働時間等の働き方」「多様なキャリアコース」の3つの基準を満たし、2017年に2段階目の認定を取得しています。また、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(2021-2025)を2021年3月に策定しました。

女性活躍推進企業データベース
女性活躍推進法に基づく行動計画(2021-2025)
マルハニチロ(株)における従業員の男女比
2025年4月入社の新卒新入社員における男女比は、男性51.6%(49名)、女性48.4%(46名)でした。従業員における女性比率は年々高まる傾向にあり、2025年4月1日時点の女性比率は31.5%となりました。
今後も、女性の管理職登用、非正規社員の登用・海外現地への配置も含め、さらなる顧客起点経営の進展、多様な意見が反映された意思決定および経営参画につなげ、さまざまな分野で女性がより一層活躍できるよう取り組んでいきます。
育児支援
育児休職取得率
マルハニチロ(株)では、出産した女性従業員全員が育児休職を取得しています。また、2024年度は79.2%の男性が育児休職制度(短期育児休職を含む)を利用しています。
育児休職前後の支援
妊娠から育児休業までの就労、育児休業からの復職、さらには復職後の育児と仕事の両立など、目まぐるしく状況が変化していく中で、育児期の従業員に待ち受ける不安は尽きることはありません。 その不安は、おおむね 「家庭と仕事の両立への不安」「今後のキャリア形成への不安・焦り 」といわれています。このような不安を取り除き、スムーズな復職と復職後のキャリア形成のサポートとして、復職前後でのセミナーなどを開催しています。また、管理職に対しては、育児期社員に対する理解を深め支援策やマネジメントについて学ぶ機会を提供しています。
男性の育児休業取得促進
男性がより育児休業を取得しやすい企業風土の醸成”を後押しするため、2022年度に「男性育休100%宣言」への賛同ならびに「イクボス企業同盟」へ加盟をし、トップメッセージを発信しています。管理職層以上を対象とした「男性の育児休業促進に向けたマネジメントセミナー」、育児休業取得対象の男性社員や共に働く仲間を対象とした「男性育休がもたらす私たちの未来を考えるセミナー」を実施するなど、男性の育児休業取得促進を強化しています。法改正が続き多様化している男性の育児休業取得方法に対しては、両立支援相談窓口「はぐサポ」を設置し、個々のニーズに合わせた対応を行っています。
子育てサポート認定事業主マーク(愛称「くるみん」)認定取得
マルハニチロ(株)では、女性社員はもちろんのこと、男性社員の育休取得率(短期含む)等が評価され、2023年に厚生労働大臣による4つ目の「くるみん」認定を取得しました。
今後も育休取得に限らず、子どもの成長に合わせた仕事と育児の両立支援、女性だけではなく男性のさらなる育児参画や上司への理解推進など、さまざまな施策に取り組んでいきます。

働き方改革の推進
マルハニチロ(株)ではすべての従業員が、自分の生活を大切にしながら、それぞれの状況に応じて、さまざまな働き方が選べるよう複数の制度を用意しています。2018年度から本社・支社部門のフレックスタイム勤務化に取り組み、2021年度には全部署コアタイムなしのフレックスタイム勤務となっています。在宅勤務については2019年度までテスト運用の形でしたが、2020年度からは制度化し、2022年度からは自宅だけでなく、実家での勤務も可能になっています。
また、2022年度からは新人事制度も導入し、週休3日制や副業制度も導入しました。
これからも従業員のライフイベントにも柔軟に対応しながら働くことが可能な体制づくりに努めます。
介護支援
「在宅勤務制度」は実家や義実家でも可能とするほか、 「コアタイムなしのフレックス制度」、「週休3日制度」等を整備し、個々のライフイベントとの両立を支援することで、働きやすさと働きがいの両立を図っています。定期的に介護に関する情報の提供やセミナーなどを実施し、福利厚生のカフェテリアプランとして介護に関しても従業員が必要に応じて利用できる仕組みを導入しているほか、両立支援相談窓口「はぐサポ」で個別の相談に応じています。
障がい者雇用
性別・国籍・年齢のみならず、障がいの有無の垣根を超えた多様な人財が活躍する企業をめざし、障がい者雇用についても積極的に推進しています。2025年4月1日時点での障がい者雇用率は2.64%となっています。
CASE:障がい者雇用~なないろサポートチームの設立
「障がいのある方たちと共に働く」の方針のもと、本社では、障がい者が活躍できる環境づくりとして、様々な部署の業務を補助するチームを立ち上げました。発足当初から既に20以上の部署から多くの業務を受託し、個々の特性を活かしていろいろな職場で活躍しています。工場でも「キーチーム」を立ち上げ、障がい者雇用への活動促進を行っています。今後も障がいをお持ちの方々がより多くの職場で活躍できるよう、推進して参ります。



