海洋プラスチック問題への対応
基本的な考え方
海洋プラスチック流出による環境汚染は世界的な重要課題で、海に深く関わっているマルハニチログループにとっても同様に重要な課題と捉えています。より効果的な活動とすべく、業界団体、関係NGOなどと協力しながら、海洋プラスチック問題への対応を推進していきます。
2030年のありたい姿(KGI)と達成目標(KPI)
マテリアリティ | 海洋プラスチック問題への対応 | ||
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KGI(2030年のありたい姿) | 自社を含むサプライチェーン上で海洋へのプラスチック排出ゼロを実践している | ||
KPI | 漁具管理ガイドラインの策定と 運用率(グループ全体) |
海岸クリーンアップへの従業員 参加率(国内グループ) |
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ターゲット | 目標年 | 2024 | 2030 |
目標値 | 100% | 30%以上 | |
2023年度 進捗 |
進捗結果と コメント |
漁具管理ガイドライン案の策定、漁具紛失記録継続活用 | クリーンアップへの従業員参加率23.4% |
自己評価 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | |
責任部署 | マルハニチロ(株)経営企画部 サステナビリティ推進グループ |
責任者メッセージ

サステナビリティ推進グループ
グループ長
佐藤 雄介
”海洋プラスチック問題への対応”は当社グループの特徴的なマテリアリティです。中期経営計画のマテリアリティ見直しプロセスの従業員アンケートで大変関心が高かった社会課題であり、当社グループが海に深くかかわる企業であることから、”循環型社会実現への貢献”のプラスチック使用量削減とは別に、独立したマテリアリティとしてKPIを設定し、取組みを進めています。
元々従業員の関心が高かったこともあり、「Make Sea Happy!」と命名したクリーンアップ活動は、グループ全体に広がり、全国各地で60回以上開催、1400名以上が参加する規模で進めることができています。お取引先様や事業進出エリアの自治体等との共同開催も増えており、当社グループの活動が世の中に拡大していくことを期待しています。
海洋プラスチックを排出しない活動として、漁具の管理施策も進めています。グループ内の漁業会社でリサイクル網の試験使用に加え、漁具管理ガイドラインを定め、グループ内に運用し、ゆくゆくはサプライチェーンにも広げていきたいと考えています。
マルハニチロの取組み
クリーンアップ活動“Make Sea Happy!”の実施
マルハニチログループでは、全国各地でクリーンアップ活動を実施しています。近年、海洋プラスチック問題が大きな環境問題となり、より効果的な活動とすべく、2019年度より新たに"Make Sea Happy!"という活動名称で、クリーンアップ活動を実施しています。2023年度の"Make Sea Happy!"は北は北海道、南は沖縄まで、全国各地の拠点で合計61回開催し、参加従業員数1,417名でした。
"Make Sea Happy!"の目的
“Make Sea Happy!”は「海洋プラスチック問題に対応するクリーンアップ活動」と定義づけており、拾ったごみをそのまま捨てずに、ごみの種類を集計して記録を残すことが大きな特徴です。拾ったごみの情報はNGO 団体"Ocean Conservancy" などに提出し、世界各地で実施されているクリーンアップ活動のデータと一緒に、ごみ調査データとして活用されています。1回1回に拾えるごみの量は限られていますが、参加者数の増加や、提出したごみの情報の活用を通じて、海洋プラスチック問題に関心を持つ人々の輪を広げることが、"Make Sea Happy!"の目的です。
Trash Free Seas: Cleanup Reports - Ocean Conservancy








“Make Sea Happy!”活動の様子
日本サーフィン連盟(NSA)大会でのクリーンアップ活動“Make Sea Happy!”の実施
クリーンアップ活動“Make Sea Happy!”の活動を社外にも広げる取組みとして、2022年度より、日本サーフィン連盟(NSA)主催のサーフィン選手権大会にて、クリーンアップ活動”Make Sea Happy!"を実施しています。2023年度は、ジュニアオープンサーフィン選手権大会と全日本サーフィン選手権大会の2つの大会にて、会場となる海岸のクリーンアップ活動を実施しました。大会に参加した選手やその関係者を中心に、約250名の方にご参加いただきました。
第31回ジュニアオープンサーフィン選手権大会(2023)会場での活動
第57回全日本サーフィン選手権大会(2023)会場での活動
第41回全日本級別サーフィン選手権大会(2024)会場での活動
漁具管理ガイドライン運用に向けて
現在漁具管理ガイドライン案を策定中で、2024年度中のグループ全体運用開始目指しています。漁具紛失記録については、大洋エーアンドエフ㈱にて昨年から引き続きを活用しており、今後のグループ全体での運用を検討していきます。
その他の取組み
循環型漁業を目指す「漁網to漁網リサイクル」への廃棄漁網由来資源の活用による取り組み拡大について
CASE:海面養殖で使用するブイ強度の強化
CASE:生分解性プラスチックバッグ
ニチモウ株式会社(東京都品川区)様のご協力のもと、生分解性プラスチック*を用いたエコバッグをノベルティグッズとして製作しました。
特徴としては地球にやさしい素材(自然界で分解される生分解性プラスチック)で製作しており、万が一海に流出された場合は海底にいる微生物によって分解され自然界へ循環されます。今後、フロートやロープなど漁業の現場で使用されていくサステナブルな新素材となります。
*生分解性プラスチック:自然界に存在する微生物の働きで分子レベルにまで分解し、最終的には水と二酸化炭素として自然界へと循環していくプラスチックのことをいいます。
