昭和41年6月、台風4号は道東海域にいた鮭鱒漁船5隻を沈め、余波の高いうねりの中を、第18恵比寿丸(82トン、20人乗り)は北緯48度、東経168度の漁場を目指した。 釧路を出て6日目、気温5度、水温6度、ダーク・グリーンの海で投網を開始する。船尾から2,3ノットで大きなコロを利用して網を入れ、浮きを投げ込み、延々と浪間にアバ(浮き)が見え隠れする。