
延喜式 |
平安時代の前期、10世紀の初めに朝廷から出版された「延喜式」は、律令時代の法律の細かい実施細則をまとめたものです。その中には諸国から収められた租税の内容が記されています。その租税の中に、サケを貢物として納める国々が列記してあります。 |
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平安時代初期、大量のサケが貢納されていたいのは、信濃(現長野県)、・越後(現新潟県) 越中(現富山県)の三国でした。 |
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日本海に面する越後・越中両国が当時サケ漁の中心地であったことはともかく、内陸の信州から種々様々なサケ製品が貢進物として納められていました。 |
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貢ぎ物(みつぎもの)一覧表 |
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鮭楚割(さけすわやり) |
サケの内臓を取り除いて、干したもの。(アイヌの干鮭と同じ) |
氷頭(ひず) |
サケの頭を干したもので、今でも酢漬けにする。 |
背腸(せわた) |
背骨についている紫黒の塩辛。(アイヌのメフンと同じ) |
鮭子(すじこ) |
サケの卵を塩漬けにしたもの。 |
鮭鮨(さけずし) |
不明 |
鮭内子(こごもり) |
腹に卵をもっている鮭 |
並子 |
不明 |
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京都に近い諸国からは生鮭(なまざけ)が貢納されているのも注目されます。 |
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若狭(わかさ:現福井県)、丹後(たんご:現京都府)、但馬(たじま:現兵庫県)、丹波(たんば:現兵庫県)、因幡(いなば:現鳥取県)などの諸国から朝廷に貢納されています。 |
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