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サケは頭からしっぽまですべて料理になります。捨てるところのない魚です。
サケ一尾丸ごと買うときは、外観をよく見て、婚姻色(銀毛かブナ毛か)(注1)の度合いから、銀白色の銀毛、あるいはわずかに婚姻色が見られるAブナ(注1)を選びます。また、ウロコの剥がれやすい魚は銀毛です。Aブナはウロコが表皮に入り込んできますので、剥がしにくくなります。これらのことからでも見分けられます。
脂ののりはハラスの部分をさわって厚ければ脂がのっているとみて間違いありません。
三枚におろした半身(フィレー)や切身にしてパック売りのサケは、性別はわかりませんが、肉の赤いサケのほうがだいたい脂がのっています。
サケの外観が同じであるならば、一般的にはオスのサケを選んだほうが無難です。メスでは肉の栄養分が卵に移ってしまうので、どうしても肉質はオスと比べて劣ります。
婚姻色が強くなると、オスは鼻が曲がってきますので、わかりやすいのですが婚姻色が弱い銀毛やAブナでは性別の判断が難しいようです。こんな場合は、背びれと尾びれの間にある脂びれを見ます。この脂びれが逆L字形であればオス、C字形であればメスです。
また、尾びれを広げて切込みがあればオス、切込みがなければメスです。
※注1
ランク
外観
別名
銀毛(ぎんけ)
体表が銀白色で婚姻色がないもの
シロ
Aブナ
体表は銀白色であるが、わずかに婚姻色が見られるもの
薄ブナ
Bブナ
婚姻色が若干強いもの
Cブナ
婚姻色が強く、体表が黒味を帯びてきたもの
本ブナ
ホッチャレ
自然産卵、放精後のもの(採卵後の親魚を指す場合もある)
※
シロサケは産卵のために故郷の川に戻ってくるのが秋の季節なので「秋サケ」と呼ばれています。川に入る前、沿岸にいる秋サケはまだ体表が銀白色なので「銀毛」(ぎんけ)と呼ばれています。やがて、体表に婚姻色が表れると、この婚姻色がブナの木肌に似ていることから「ブナ毛」と呼ばれ、ブナ模様が強くなる順にA、B、Cとランクが付けられます。産卵し終えた秋サケは最後に「ホッチャレ」となってその一生を終えます。
参考文献:『大自然の恵み 天然魚 秋サケの魅力』編著 羽田野 六男