SALMON MUSEUM サーモンミュージアム

近代~現代のサケ漁

北洋サケマス漁業の展開1/明治~昭和20年(1945)
北千島漁業(流し網、定置網)

北千島・幌筵島(パラムシル)、占守島(シュムシュ)をかこむ海の地形はカムチャッカ半島の場合とは逆に、オホーツク海側は急峻にして深くなっていますが、太平洋側は大陸棚が発達しています。しかし海底の底質はほとんどが岩盤、礫(れき)で、砂地はほとんどありません。

北千島近海のサケマスは、太平洋側に多く分布し、オホーツク海側では少ないのが特徴です。北千島では流し網漁場も定置網(建て網)漁場も太平洋側にあり、オホーツク側にはほとんどありません。昭和8年当時、漁獲物は擂鉢湾(すりばちわん)、村上湾(むらかみわん)、村上岬(むらかみみさき)にあった缶詰工場に陸揚げして缶詰を製造していました。

北千島・片岡湾の浜デッキ
流し網の解説
流し網漁(流し刺網)

水面または水面近くに網を固定することなく、潮流のままに流して使用します。沖合いで広水域を占有して行われます。

流し網漁(流し刺網漁)は、魚が網目に突っ込み、えらやひれが引っかかり、暴れるとからまりつくことで、魚をとらえる漁法です。

この刺し網を仕掛ける海深は、海面、中層、海底など魚の種類によって異なりますが、サケマスは海面近くを泳いでいるので浮刺し網や流し網を使用します。ちなみに中層に仕掛ける刺し網を「中層刺し網」、海底に仕掛ける刺し網を「底刺し網」といいます。

サケマス流し網漁船
浮刺し網
水面を基準にして、網の一端または両端を固定して使用します。沿岸の浅い水域、魚の遊泳方向の一定した水域で漁が行われます。
浮刺網(うきさしあみ)
引用文献:「日本のサケ」市川健夫著 NHKブックス昭和52年8月発行
「日魯漁業経営史 第1巻」編者 岡本信男 昭和46年12月発行
「日本漁船漁具図集」水産庁編集1965
「菅貞さん一代記」 郡山泰夫著 発行人 菅原貞一 2006(平成18)年2月発行
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