マルハニチロの完全養殖クロマグロプロジェクト
企業CM「つづく、幸。バリューチェーン」編
完全養殖とは?
“完全養殖”とは、人工ふ化させたクロマグロを親魚に育て、その親魚が生んだ受精卵を、ふ化~稚魚~成魚まで育てることを指します。マルハニチロは、クロマグロの幼魚(天然ヨコワ)を仕入れて、成魚に育てる養殖は既に行っていましたが、これは、天然資源を利用したもので“完全養殖”とは言えません。人工ふ化から育てること、そして、2代目3代目とその先の子孫を生み出すことが“完全養殖”です。


1マグロの産卵、採卵
奄美大島では、クロマグロは6~8月に産卵期を迎えます。現在、3基の大型いけすの中で、100~150kgの親マグロを飼育。産卵行動は通常日没後から真夜中にかけて見られ、一尾のメスを複数のオスが追いかけながら、交尾・産卵活動を行います。そうして生まれる卵は1日に数千万粒以上。海面に浮かんできた卵を網ですくい集め、隣接するふ化場へと運びます。

2ふ化、種苗生産
自然界では何十万粒の卵から、ほんの数尾しか生き残ることができません。完全養殖の最大のポイントは、人工種苗によって稚魚の生存率を高めることです。ふ化場に運ばれた卵(受精卵)は約1ヵ月間、5~6cmの種苗になるまで大切に水槽で育てられます。

3種苗沖だし
その後、種苗を沖合のいけすへ移します。さらに生後1年の幼魚は、奄美から各地の養殖場へと搬送され、分散養殖することで量産を可能にしています。

4完全養殖クロマグロの出荷
生まれてからおよそ3年。60kg以上に育った完全養殖クロマグロは全国のスーパー、量販店や外食企業などへ出荷されます。2015年の商業出荷を皮切りに、2019年に初めて欧州への出荷を開始しました。生鮮かつ日本ブランド、そして持続的資源であることに海外での関心は高まっています。

完全養殖の舞台
―奄美大島―
東京から1,300km離れた奄美大島―。
水産資源を守りつつ、食卓から海の恵みを絶やさぬ方法・・
導き出した解答が「クロマグロの完全養殖」です。
自然に囲まれたこの島で「クロマグロの完全養殖」に挑み続け、
日々奮闘しているマルハニチロスタッフたち。
「資源保護」を合言葉に、志気高くマグロと向き合っています。
足かけ20年で商業出荷へと漕ぎつけた完全養殖クロマグロの出荷量は、
年間600トン、1万尾に迫ります。

HISTORY完全養殖ヒストリー
- 1987
- 第1期種苗生産試験実施(奄美大島・久根津)
- 2006
- 第2期種苗生産試験開始(奄美大島・篠川)
- 2007
- 「クロマグロの健苗育成をめざした種苗生産技術開発研究チーム」発足
栄養面・生理面の基礎研究と量産技術開発を推進 - 2010
- 2006年産種苗からの産卵に成功
民間初の完全養殖を達成 - 2013
- 事業規模での大量生産に成功
増産をめざし第2ふ化場増設 - 2014
- 2010年産種苗からの産卵に成功
人工ふ化第2世代誕生 - 2015
- アクアファーム(大分県佐伯市)にクロマグロ人工種苗専用養殖場を開設
完全養殖マグロの商業出荷を開始 - 2019
- 欧州への出荷を開始