~ふくしま海洋科学館との共創によるサステナブルなサンマ養殖に挑戦~
マルハニチロ サンマの事業化レベルの試験養殖に成功
マルハニチロ株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:池見 賢)は、養殖研究を行う当社グループの㈱マルハニチロ養殖技術開発センター(本社:鹿児島県南さつま市、代表取締役社長:桐生 耕造)において、公益財団法人ふくしま海洋科学館(福島県いわき市、理事長:古川 健、以下「(公財)ふくしま海洋科学館」)の協力を得て、事業レベルに準じる飼育密度でのサンマの試験養殖を成功させました。

天然サンマの水揚量は、2008年に記録された35.5万トンから2021年には2.0万トンと、10%以下まで減少し(※1)、それに伴い卸売価格も2008年の65円/kgから2021年には621円と10倍近くまで高騰しています(※2)。札幌市中央卸売市場で2025年7月に行われた初競りでも、1kgあたり88.9万円の値が付くなど希少性は年々増加しております。
サンマはDHA/EPAを豊富に含む青魚であり、生活者の「秋の味覚」として親しまれており、養殖への期待が高まっています。
㈱マルハニチロ養殖技術開発センターでは、2023年10月に(公財)ふくしま海洋科学館よりサンマ卵の提供を受け、世界で初めてサンマ水槽内繁殖を成功させた同館の高い飼育技術の支援とともに、サンマ養殖の研究に着手いたしました。
その後同センターにて、クロマグロやブリ、カンパチ、マダイの人工種苗生産などで長年培ってきた養殖技術や研究開発の知見を生かし、サンマ養殖に適した餌や飼育設備の検討を重ね、2024年6月に出荷目安である100gを超えるサイズへ成長させることに成功しました。また、同年8月には人工授精にも成功し、事業化に向けた技術の蓄積を継続して行っております。
今後も当社の「養殖的視点」とふくしま海洋科学館の「生物的視点」の共創により、サステナブルなサンマ養殖の事業化に向けた技術開発に取り組んでまいります。


※1 出典:国立研究開発法人水産研究・教育機構「サンマの不漁要因解明について」
※2 出典:水産庁「産地水産物流通調査」
<参考>マルハニチロの養殖事業の歩み
- 1967年 ブリの畜養事業を開始
- 1970年 鹿児島県久志にてブリ養殖、長崎県北松浦郡にてマダイ養殖開始
- 1974年 長崎県北松浦郡にてマダイ人工孵化種苗生産を開始
- 1976年 鹿児島県奄美大島でマダイ養殖開始
- 1985年 高知県柏島にて世界初のクロマグロ養殖開始
- 1987年 クロマグロ完全養殖に向けた人工ふ化研究開始
- 2010年 民間企業初のクロマグロ完全養殖を達成
- 2015年 完全養殖クロマグロ商業出荷を開始
- 2018年 ブリのASC認証取得
- 2019年 カンパチで世界初のASC認証取得
- 2019年 生鮮では日本初となる完全養殖クロマグロの欧州への出荷を開始
- 2025年 クロマグロ・ブリ・カンパチに次ぐ第4の養殖魚の柱として「スギ」の試験販売開始
以上
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