SALMON MUSEUM サーモンミュージアム

館長のサーモンレポート8

サーモンミュージアムの館長です。サケを愛する私たちにとって、春は、やはりサケ稚魚の旅立ちのうれしい季節です。
今年は全国的に春になっても肌寒い日がつづきましたが、北海道札幌市の東白石小学校と富山県射水市(いみずし)の大門小学校から、サケ稚魚の放流式の話題が届きました。ここでご紹介させていただきます。
【2012年4月24日 北海道札幌市東白石小学校のサケの放流式】
今年は4月27日に第32回のさけ放流式が行われました。
例年と同じ場所(豊平川)で行われましたが、今年は昨年秋の洪水の影響で会場の岸の形が変わっていたり、木が1本もなくなっていたりと大きな変化がありました。
また、雪解け水が例年より多く、岸の所に川ができていました。そんな中でしたが、学校で育てたさけの稚魚約1300匹と今年も豊平川さけ科学館の協力をいただた15000匹を放流しました。
子どもたちは稚魚の入ったカップを大事そうに抱え、水際では「元気でね」「いってらっしゃい」と優しく放流していました。今年放流したさけは4年後、新1年生が5年生になった時に戻ってくる予定です。その時、5年生はさけ学習で遡上観察をしたり、授精式をしたりしてさけを育てる中心を担います。
さけ学習はこうやって東白石小学校で代々受け継がれてきているのです。
4月に入学した新1年生と6年生がペアになって、豊平川にサケを流しに行きます。6年生は新1年生の手をとって、半年間自分たちで育てたサケの赤ちゃんを無事に大きくなりますように!と願いながら川へ帰します。 ペアの6年生に連れられた1年生が、サケの稚魚をもらって、川岸に向かいます。
   
   
 
北海道札幌市東白石小学校のサケ学習のご紹介(一年を振り返って
2011.9.27
さけ学習を始める準備です
11月に入ると、本校の特色でもある「さけ学習」が始まります。その前に、サケの卵を孵化するための水槽の手入れが必要です。昨年は、病気が発生して孵化する卵が極端に少なかったので、今年は消毒も念入りに行わなければなりません。水槽の下に敷く玉砂利や、孵化に使う道具類を一つ一つ丁寧にたわしで洗い、消毒液につけ、水洗いを念入りにします。その上で、天日干しをして紫外線消毒をしっかりと行います。この数日は秋晴れが続くようなので、気温のまだ高いこの時期にしっかりと行っておきます。「さけ学習」を通して、環境や命の大切さなどを学んでいきます。
011.11.10
サケの遡上観察
昨日、5年生は豊平川に出かけ、サケが川に上ってくる様子を観察に行きました。さけ科学館の方の協力をいただきました。職員の方が投網を入れると、体に傷のついたサケが次々とかかったそうです。5年生の子どもたちが1年生の時に放流したサケかもしれません。自然の不思議さ、神秘さを改めて感じていたようです。18日には、本校のさけ学習館で鮭の授精式を行い、その後飼育観察活動が始まります。半年間しっかり飼育しました、来年の春に元気な稚魚をたくさん放流できるとよいですね。
2011.11.18
サケの授精式
本日は、サケの授精式でした。さけ科学館の職員の方のお手伝いをいただき、本校の学習館で人工授精を行いました。いよいよ。今日から5年生を中心としたサケの飼育のスタートです。5時間目から放課後の時間を使ってサケの卵が何粒あるかを代わりばんこに数えます。
2011.11.24
さけの受精卵
グラウンドの横にある「さけ学習館」の中の水槽では、今年5年生が授精させた約6302個の卵が静かにふ化を待っています。そのうちの、ほんの一部を玄関の水槽に移して全校の児童がサケの卵の生長を観察できるようにしました。今年の新たな取り組みです。さけ学習館の中に子どもたちが自由に入ることはできません。そのため、卵の生長する様子は、5年生児童だけ観察が可能でした。なんとか、全校の子どもたちにも見てもらえるようにと、水槽に冷温調節機をつけてもらい、地下水と同じ水温で飼うようにしました。でも卵は、暗く静かな環境を好むので、子どもたちにはそーっと静かに見るだけにしてもらっています。
2011.11.29
サケの卵のお世話当番
5年生の子どもたちが数名ずつ当番を決めて、毎日サケの卵の観察と世話をしています。今しているのは、卵の様子を見て、もし真っ白くなって死んでしまっている卵があったら取り除きます。さけ学習館の中は、うす暗く水槽の中に卵が静かに眠っているような状態ですが、よく見ると目のようなものが少し灰色がかった薄い卵の表面の膜を通して奥の方にポツンと見えます。
2011.12.13
さけの卵は、静かに眠っているよう。
約1か月前に授精したサケの卵ですが、今は「さけ学習館」の水槽の底で眠っているように静かにしています。2匹のうちの1匹の親さけの卵が未熟だったのか、約半分の卵が1週間ほどすると、白くなって死んでしまいましたが、残った半分は順調に静かに眠るようにしています。顔を近づけてよく見ると、目のような黒っぽい点が中に見えるものもあります。あと2週間くらいすると、孵化が始まる予定です。
2011.12.26 
玄関ホールの水槽、さけの卵の様子
玄関ホールには、さけの卵を約20個水槽に入れて観察できるようにしてあります。さけ学習館の水槽より少し水温が高いのか生育が数日早いようです。卵の中にはっきりと目が見られます。中には背骨らしいものも見えたりします。あと7~10日ほどでふ化しそうです。学習館の水槽も、数日遅れで孵化が始まるものと思います。
2012.1.13
さけのたまごは稚魚になっています
玄関ホールの水槽には、ザルの上に20~30個の卵が乗っていましたが、どこかにいなくなっています。孵化して稚魚になり、石の下に隠れているようです。卵の殻だけが、白く残っているのが分かりますか?孵化したばかりの数匹は、まだザルの上に残っていました。お腹に紅いグミのような栄養の袋を付けているので、重くて動けないのでしょう。間もなく全部の稚魚は石の下に隠れてしまうでしょう。元気に水槽を泳ぎまわるまでには、あと2週間ほどでしょうか?
2012.2.01
さけが大きくなってきたよ!
玄関ホールにある水槽のさけが、だいぶ大きくなってきました。先日までは、グミの実のような栄養の袋をお腹につけて重そうに水槽の底をはうようにして動いていた稚魚たちでしたが、体も少し大きくなりグミの実のような栄養の袋はほとんど目立たなくなりました。餌を自分で食べる稚魚も出てきました。身軽に水槽の中を泳ぎまわるようになりました。
2012.4.23
明日の放流式に備えて
いよいよ明日は放流式です。学習館のさけも玄関水槽のさけも昨日から餌をぬきにして放流に備えています。(放流後、稚魚がすぐに餌さがしをする意欲をつけるため)今年の稚魚は例年より少ないですが、サイズは少し大きめで元気よく水槽を泳いでいます。明日、放流してしまうのは少し寂しい気もしますが、元気に旅立ってほしいと思います。
2012.4.24
第32回さけ放流式
東白石小学校の「さけ学習」についてもっと詳しく知る→
 
 
【2012年3月9日 富山県射水市(いみずし)大門小学校のサケの放流式】
大門小学校は富山県の北西部に位置し、西には庄川の清流、東には肥沃な田園地帯、南には緑深い丘陵地を有し、校区には豊かで美しい自然環境が広がっています。
平成18年に、旧大門小・櫛田小・浅井小の3小学校が統合して創立された小学校です。
本校の特色の一つとして、庄川の伏流水がもたらす恵まれた水環境の大切さを子どもたちに伝えるための環境教育があげられます。
2年生は「アユの放流」、3年生は「サケの飼育と放流」、4年生は「清流地帯の環境調査」また、5・6年生は委員会活動として地域に生息する淡水魚10数種類の飼育活動を行っています。
3,4年生の児童たちが図工の時間に作ったサケの鯉のぼりです。元気に旅立ち、元気に育ってほしいとみんなで気合を入れました
3年生は、毎年11月に庄川沿岸漁業協同組合が実施する「サケまつり」に参加し、簗場の見学の後、サケのつかみ捕りを体験します。
12月、庄川養魚場よりサケの受精卵が届き、児童一人一人が、それをペットボトルに入れて育てます。
黒い紙で覆ったサケのマンション(飼育のためのロッカー)の中を子どもたちは時々覗き込みながら誕生の瞬間を待ちます。約10日ほどでほとんどが孵化しました。
餌をやったり水を換えたり、約3か月わが子のように子どもたちは稚魚の世話をします。
(サケの飼育は、この学校が創立された平成18年から毎年3年生が「総合的な学習の時間」に実施しています。年によっては、庄川沿岸漁業協同組合が実施する100万匹の放流事業を見学しながら、自分たちの育てた稚魚を一緒に放流することもあります。)
 
富山県射水市(いみずし)大門小学校のサケ学習のご紹介(一年を振り返って
●サケの飼育資料
鮭まつり(サケのつかみ捕り)
簗場に上がってきたサケを実際につかむことで、サケの泳ぐスピードや力強さを感じるだけでなく、「サケの命」も体感することができました。
サケの卵(12月1日)
800個のサケの卵に子どもたちは興味津々。時々くるりと動く目を見てびっくり。これが、あんなに大きなサケになるのかふしぎそうに眺める子どもたちでした。
ペットボトルの中の稚魚
ペットボトルをくり抜いて作ったサケの部屋。放流までの約100日間、子どもたちはこのペットボトルでサケを育てます。
サケのマンション
校舎のベランダに置いたサケのマンション。気温や日当たり、水の供給のことを考えて設置されたのがこのマンションです。
放流の日
学校から約2キロメートル離れた庄川が放流の場所です。子どもたちはペットボトルを揺らさないようにゆっくり歩いて稚魚を運びました。
別れのその時
いよいよ放流の瞬間です。「サケさん元気でね~」「海に出てもがんばるんだよ~」と、別れを告げる子どもたち。中には、うっすらと目に涙を浮かべる子どもの姿もありました。
 
射水市立 大門小学校
〒939-0234 富山県射水市二口417番1号
http://www.tym.ed.jp/sc144/index.html
 
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