鮭なんでも辞典
全長 約60cm
背びれ約12軟条、尻びれ約15軟条、胸びれ約14軟条、腹びれ約10軟条、側線鱗数130。
体の背部は深い緑がかった青色で、細かな黒点が散らばっています。この黒点は尾びれの上部にも見られます。体側は光り輝く銀白色で、尾びれには、銀色の放射状紋があります。
卵は球形で、直径5mm。卵黄は赤みのあるオレンジ色。約40日から3ヶ月くらいでふ化。
稚魚には側線に沿って8~12個の細長い楕円形のパーマークが見られます。
産卵期になると、オスはメスと違い、吻(フン)とあごが伸びて曲がり、歯が向き出てきます。背部と頭部は青緑色がより濃くなり、側面は赤くくすんだ色になりますが、鮮やかな紅色に染まるものもあります。
産卵は10月~翌年2月くらいまでと比較的長期に渡ります。場所は河川の上流域で、流れの早い浅瀬が選ばれます。産卵行動はサケと基本的に同じで、湧き水のでる砂利層に好んで産卵床を作ります。
体内卵数は体長によって、約1000~6500個と個体差があります。
ふ化した稚魚は約1年間の淡水生活をおくるのが普通ですが、中にはすぐ海へ下るものもあります。河川では下流のほうに分散していて、淵の中でなわばりをつくって生活していいます。餌は水生昆虫が中心です。春になり体長10cmくらいになった幼魚は、小さな群れをなして海に下ります。サクラマスのように川に残留する個体はほとんどいません。
降海はアメリカでは4~5月、千島列島北部では7~8月です。
分類:サケ科サケ亜科サケ属
学名:Oncorhynchus kisutch (Walbaum)
英名:coho salmon、silver salmon
地方名:ギンマス
日本へ遡上した記録はきわめて少なく、沿海州より北方、またカリフォルニア州モントレイ湾より北方の北太平洋に分布。アメリカ5大湖、合衆国ハンプシャー洲沿岸、アルゼンチンとチリに移入されています。
海洋では雑食性に変化します。小魚や浮遊動物など何でも旺盛に食べ、ひと冬過して戻ってくるときには、約4kgにも成長しています。降海した年の秋に戻ってくる早熟で小ぶりのオスもいます。
通常3~4年で成熟。降海後1年で沿海州やサハリンに回帰するときは、体長約60~80mくらいになります。
切身、塩焼き、刺身など。最近はおもに塩ザケとして店頭にならびます。ほとんどが養殖です。
エネルギー | 204.0Kcal | 各サケの脂質の差がエネルギーの差になっています。牛肉や豚肉より断然ライトでヘルシー。健康食品として良質なエネルギー源です。 |
タンパク質 | 19.6g | サケのタンパク質には、栄養素として重要な必須アミノ酸が多く含まれています。必須アミノ酸はイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンの8種ですが、FAO/WHO/UNU(1985)の基準ではヒスチジンも加え9種としています。 |
脂質 | 12.8g | サケの脂質には、生活習慣病に予防効果のあるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)、が多く含まれています。 |
脂肪酸EPA | 0.75g | 血液をさらさらにして血栓の生成を抑え、脳血栓や心筋梗塞を予防します。血中コレステロールの低下作用・血圧低下作用・血糖値低下作用が認められています。 |
脂肪酸DHA | 1.25g | 子供の脳の発達に必要で母乳にも含まれています。また、老人性痴呆症予防や網膜反射機能の向上にも効果があることが分かってきました。 |
アスタキサンチン | 1.4mg | サーモンの身が赤いのはアスタキサンチンが豊富に含まれているからです。アスタキサンチンとはベータカロテンと同様、天然色素で健康の味方です。体内の活性酸素を抑え、動脈硬化を防止し、ガンの予防にも効果があるといわれています。※ニジマス(海面養殖・淡水養殖)のアスタキサンチン量は餌により変動することがあります。 ※参照:北海道大学名誉教授 羽田野六男氏のデータより/『サケを食べれば若返る』(鈴木平光著/たちばな出版)157ページ表20、各サケのアスタキサンチン含有量(『活性酸素に攻め勝つアスタキサンチン』板倉弘重氏ハート出版より) |
ビタミン類 | ||
ビタミンA 〔レチノール〕 |
36.00μg | 胃腸や気管支などの粘膜を正常に保ち、皮膚の状態を整えます。不足すると視力低下や肌荒れ、また風邪にかかりやすくなります。 |
ビタミンB2 (リボフラビン) |
0.15mg | ホルモンを正常化する働きがあります。最近では肌荒れにも効果があると言われています。B2の欠乏症は口唇炎や口角炎です。 |
ビタミンB12 (シアノコバラミン) |
5.20μg | B12は鮭に多く含まれていてるビタミンです。B12が不足すると、正常な赤血球が減って、巨赤芽球という正常でない赤血球ができてしまい、悪性貧血という病気を引き起こします。 |
ビタミンD (カルシフェロール) |
15.00μg | ビタミンDは骨のビタミンとも言われ、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。 不足すると近年問題になっている「骨粗しょう症」になります。 |
ビタミンE (トコフェロール) |
1.80mg | Eは老化を防ぎ、若さを保つビタミンとも言われています。不足すると血行障害や老化現象が進み、 極度の冷え性になったり、動脈硬化が進んだり、妊婦は流産しやすくなります。 |
ミネラル類 | ||
カルシウム | 12.00mg | カルシウムCaは骨や歯を作るだけではなく、みずみずしい肌には欠かせないものです。Caは吸収しにくいミネラルで、Caの吸収のためにはビタミンDが必要です。 |
リン | 290.00mg | 体内ではリン酸カルシウム、リン酸マグネシウムの形で骨や歯の主成分となり、血液中ではリン酸塩として血液に酸やアルカリを中和する働きをします。 |
鉄 | 0.3mg | 鉄Feが欠乏すると、血液色素のヘモグロビンが減少して貧血症になります。動物性食品に含まれる鉄は体内への摂取率がよく、摂取量の15~20%が体内に吸収されます。 |
亜鉛 | 0.6mg | 亜鉛Znは広く細胞全体に存在し、DNAやタンパク質の合成に関与しています。不足すると、免疫機能が低下します。食べ物を食べても、味を感じなくなる味覚障害、これも現代人のZn不足が原因している場合があります。 |
※ただし、EPA、DHAは試料肉100g当たりの重量です。
トロール漁/刺し網漁/巻き網漁/養殖