鮭と食
缶詰のすばらしい安心、安全性。缶詰は空気、水、バクテリアなどが外から入らないように密封してあり、中身は完全に加熱殺菌してあります。殺菌剤や保存料などの食品添加物を使用する必要がありません。缶詰はビタミンなど栄養価が高い食品です。缶詰は高温で加熱殺菌されるので栄養が劣るとおもわれがちですが、実際には、家庭で調理した食品より栄養価が高い場合が多いのです。その理由は、缶詰の素材は原産地の近くで取れた、一番鮮度のいい旬のうちに調理しているからです。魚介類の場合も漁港近くの工場で水揚げの後、速やかに加工されます。缶詰は空気に触れない真空状態の加熱ですから、ビタミンやその他の栄養素の損出が少ないのです。魚の缶詰には、カルシウムや脳に良いDHA、コレステロールを押さえるEPAなども多く含まれています。
明治43年、カムチャッカに日本最初の缶詰工場を建設したのが日魯漁業(現マルハニチロホールディングス)でした。また、大正2年には当時最新鋭であった米国のサニタリー式自動製缶機と自動巻締め機を導入し、日本の缶詰業界を近代化させる役割を果たした。
明治43年、カムチャッカに日本最初の缶詰工場を建設したのが日魯漁業(現マルハニチロホールディングス)でした。また、大正2年には当時最新鋭であった米国のサニタリー式自動製缶機と自動巻締め機を導入し、日本の缶詰業界を近代化させる役割を果たした。
魚類の缶詰といえばサケの缶詰がもっとも古くから親しまれて来たものですが、このごろは水煮缶詰のほか油漬、中骨缶詰、サケ茶漬用の製品もつくられています。缶詰に加工されるサケには5つの魚種があります。ベニザケ(レッド)、マスノスケ(キング)、ギンザケ(シルバー)、カラフトマス(ピンク)およびシロサケ(チャム)。
現在、一般的なサケ缶はカラフトマスを原料としています。特にあけぼのサケ缶の原料は、春先(5~7月)に北海道東沖で漁獲されるカラフトマスを使用しています。この時期のカラフトマスは索餌中で、脂のり良く身も柔らかくおいしいとされています。
栄養面においてサケ缶は優秀な食品です。鮭の身の赤い色の成分であるアスタキサンチンには抗酸化作用があり、健康に良いと近年注目を集めている他、皮や骨もおいしくいただけることからコラーゲンやカルシウムを摂取できます。
また缶詰は環境にやさしい食品であるともいえます。サケ缶の缶は主にスチール缶を使用しています。日本におけるスチール缶のリサイクル率が87.5%とアルミ缶の81.8%とならんで高く、世界一です。なおスチール缶は土中に帰ればバクテリアにより数十年で自然分解されるそうです。旬のおいしさをぎゅっと詰め込み、少し時間をおいたほうがおいしくなるサケ缶。保管も常温のためエネルギーを使用しない。サケ缶はスローフードのひとつといえるのではないでしょうか。
腹腔内をメフンかき等用いて内臓片や薄皮が残らないように点検して流水中で充分に洗浄し、体表面の粘質物も洗い落とします。とくに、ヒレや頭部の粘質物を洗い流してから水切りをします。
ひれやサケの頭・尾の部分を切り落とします。
くびやのどの部分の肉を細肉缶詰用に取り分けます。
内臓などを取り除き、きれいに水洗いします。
各々の缶の高さに合わせて詰めやすいようにサケを切りそろえます。
尾の部分と細切れ肉を取り除きます。
食塩水に漬けて魚肉を引きしめ、血汁も取り除きます。
原料中に金属系の異物がないことを最終チェックします。
缶に詰めやすいように魚肉をそろえます。
機械(フィーラー)で缶に魚肉を詰めます。
詰められてた魚肉が決められた量(重さ)で入っているか、又きれいに詰められているか検査します。
缶にふたをします。
缶の中の空気を抜いて密封します。
巻締不良缶を取り除き、正常な巻締を保証します。
缶の表面の汚れを水洗いして、きれいにします。
缶詰をバスケットに並べ積み重ねます。
蒸気釜に入れ高温高圧の水蒸気で加熱して缶詰内の細菌を死滅させ長期保存できるようにします。
缶詰内に異物が含まれていないことを再チェックします。
缶詰に製造年月日の日付を打ちます。
缶詰に製造年月日の日付を打ちます。
製造数に応じた数の缶詰を抜き取り検査し、官能検査や理化学検査を実施し記録に残します。
みなさまのもとへおいしい缶詰をお届けします。