マルハニチロ

成魚AIカウンター「かうんとと」 開発

マルハニチロは、以前から養殖現場におけるAI・IoT技術の導入を検討してきました。
事例として、AIトラッキング尾数計数機「かうんとと」の開発についてご紹介します。

成魚AIカウンター「かうんとと」

従来の画像処理技術では、動きの激しい生きた魚の固体認識は困難でした。
AIによる画像処理技術を応用した尾数計数機「かうんとと」の開発により、人手で計測していた沖合船上での養殖魚の尾数計数作業の自動化を可能にしました。

システムの仕組み

この分野に特化した業者の協力を得、AIによる画像処理技術を用いたシステムを開発しました。
船上の樋の上を流れる、大きさも方向もランダムな養殖魚をカメラで撮像し、予め魚体形状を学習したAIが魚を個体認識・カウントします。

  • ※FPGAボード
    Field-Programmable Gate Array。目的に合わせ内部ロジックを作りこめる汎用IC(集積回路)。
    アーキテクチャの最適化により、GPUに比べてコンパクトで消費電力が小さいシステムを実現可能。

尾数計数作業の自動化による効果

これまで人手で計測していた沖合船上での養殖魚の尾数計数作業の自動化が可能となった結果、以下の効果が見込め、より効率的な養殖事業の実現が期待できます。

1. 従業員の人為的ミスの軽減(商品力向上)
2. 従業員の体力的負担の軽減(安全性向上)
3. 労務費等の経費削減(損益向上)
4. 労働人口の減少対策(少人数での養殖事業運営の可能性)

運用当初はブリ・カンパチの成魚のみでしたが、現在では稚魚の計数にもトライしています。
今後、ブリ・カンパチ以外の魚種についても運用を拡大していく予定です。
マルハニチログループとしても、持続可能な漁業を推進することを目指し、これからも環境、地域社会に配慮した養殖をめざします。