
アスリートを育む食卓10
「SC相模原」
西山拓実選手は
何を食べて育ったか?
プロのアスリートは食事の摂り方もプロフェッショナル。
試合で最大限能力を発揮するためにも、ケガを予防して長く競技生活を続けるためにも、
日々の食生活に気配りは欠かせません。
そんなプロ選手たちはジュニアアスリート時代、何を食べて育ったのでしょう?
第10回は、日本プロサッカーリーグ J3リーグ「SC相模原」のMF(ミッドフィルダー)、西山拓実選手が登場。
細身の体躯に、試合中常に動きを止めず走り回るスタミナを秘める西山選手が、食の面で心がけることとは。

西山拓実
(にしやま・たくみ)さん
日本プロサッカーリーグ J3リーグSC相模原所属。背番号27、ポジションはMF(ミッドフィルダー)。2000年兵庫県生まれ。幼稚園でサッカーを始め、小・中学生時代は地元クラブチームに所属。岡山県の作陽学園高校に進み、全国高等学校サッカー選手権大会にも出場。東海大学4年時に関東大学リーグでベストイレブンに選出。2023年に「SC相模原」に加入し、2024年シーズンは副キャプテンを務めた。
子どもの頃よく食べたもの:カレー
好きな鮨ダネ:サーモン
好きな魚料理:鮨、ホッケの干物
学生時代の試行錯誤で見つけた
自分に合う食事
ボールを追いかけてピッチを駆け巡る「ハードワーク」を持ち味とする西山選手。その献身的な姿勢で2024年シーズンは副キャプテンも務めました。西山選手がサッカーに触れたのは、物心ついて間もない頃。
「兄の影響もあったのですが、幼稚園での『ヴィッセル神戸』のサッカー教室がスタートです。小学生からは地元のクラブチームに入り本格的に取り組みました。ごはんはたくさん食べる方ではなかったですが、好き嫌いはありませんでしたね。カレーやハンバーグが好きな子どもでした」
作陽学園高校では寮生活に。サッカーの強豪校として知られますが、野球やゴルフなどのプロ選手も輩出している学校です。寮では全国から集まったスポーツ部員がともに生活していたのだそう。
「1年生の頃は、ごはんを朝晩3杯ずつ食べるようにコーチに指導されていました。寮の食堂ではごはんと味噌汁はおかわりできたんですが、おかずは一人当たりの量に制限があったので、不足を補うために自分で納豆や卵を買ったりもしていました。その甲斐あって、体重が増えて体が大きくなりましたね」
食べ盛りの年頃にスナック菓子などに走らず捕食を含めてしっかり食事したことが、健康な体づくりに役立ったのかもしれません。
大学は、東海大学体育学部に進学。スポーツ栄養学の授業やサッカー部での栄養講習を経験し、食による体づくりに関心を抱くようになりました。
「食材の栄養素を調べたり、SNSで得た食の知識を試してみたり。それでプロテインなどのタンパク質を積極的に摂るようになりました。脂質のとりすぎが良くないとも知ったのですが、量や質も大事なんですよね。大学の寮で朝晩に揚げ物が出ていたので衣を外して食べたりしていたのですが、ストイックに脂質を避けていたら肌荒れしてしまいました。原因を調べたところ、油といってもすべてが悪ではないということを知り、それからは適度に脂質を摂るようになりました」

2024年冬に開催された、マルハニチロ社員に向けた「サッカー教室」で講師を務めました。

左足のキックの正確さが持ち味の西山選手。
食事をルーティーン化して
トレーニングの一環に
現在、一人暮らしの西山選手。日々の食事はルーティーンのようになっていると言います。
「平日は朝晩自分で作っているので、食事を楽しむというより栄養摂取できればいいと割り切っています。まず米は栄養価の高いといわれる3分づき米。その効果かはわかりませんが、体脂肪率が2%落ちて8%になりました。タンパク質もですが、納豆や味噌、キムチなど発酵食品も意識して摂っています」
朝は毎日、ごはんとサバ缶の味噌汁、卵、納豆でスタート。
「サバが体にいいと聞いて、去年はサバ缶をそのまま、食べていたんですが、味噌も摂りたいなと。味噌を水で溶いて、サバ缶を汁ごと加えて電子レンジでチンするだけ。簡単でおいしいんです」
昼はチームラウンジでの食事。ごはんと味噌汁に、おかずを自由に選んで取るスタイルです。
「肉料理は2種類あって、魚料理もサラダもフルーツも乳製品もあります。自分に必要なものがバランスよく摂れるので最高ですね!」
練習が終わった午後は、自宅で昼寝をしたり、トレーニングしたり。夜はごはんと味噌汁に、肉料理を2種類か、肉料理と魚料理の両方をおかずに。そこに野菜と、最後にフルーツを食べているそう。
「肉や魚の種類は昼ごはんとかぶらないように変えています。メニューはだいたい決まっていて、豚肉なら豚キムチ、鶏肉なら胸肉を茹でてキムチをかける、魚は焼き鮭。実家の母が副菜を冷凍して送ってくれるので、それを食べることもあります」
オフの日には大好きなお鮨などの外食を楽しんだりしながら、シーズン中の食事はトレーニングの一環のようにストイックに。プレースタイルのひたむきさが、日々の食事にも表れているようです。

167cm/65kgの西山選手。ハードワークをいとわない献身的なプレーに定評があります。
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