
手間なく作れて栄養満点!
サバ缶で作る郷土の味02
青森県八戸市
「サバのせんべい汁」
サバの缶詰が普及した昭和30年代、日本各地でサバ缶を使った家庭料理が生まれ、
郷土の味として今も愛されているのをご存じですか?
サバ缶さえ常備しておけば、身近な食材で作れるご当地料理。
現代にも通じる栄養満点な手間なしレシピを教わります。

minokamoさん
料理家、写真家。本名は長尾明子さん。岐阜県美濃加茂市出身。自身の原点でもある祖母が暮らした岐阜の古民家と東京を拠点に、全国に赴き地域食の調査やレシピ提案を行う。著書に『みそ味じゃない みそレシピ』(池田書店)『粉100水50でつくる、すいとん』(技術評論社)『料理旅から、ただいま』 (風土社)など
サバの旨みを吸った
せんべいの食感がたまらない
料理家のminokamoさんが全国を巡り郷土料理のフィールドワークを行う中、青森県八戸市で出会ったのが「せんべい汁」。旧南部藩領の青森県南東部から岩手県北部に伝わる郷土料理です。
「八戸の民宿のおかあさまに、サバ缶と鶏肉の2通りのせんべい汁を教わりました。食材は海辺の町では魚、山の地方では鶏肉を使うことが多いようで、昔はウサギやキジの肉を使うこともあったそうです」
魚のせんべい汁は、今では手軽なサバ缶が主流に。
「サバ缶を使う郷土料理は、もともとは生の魚や塩漬の魚を使っていた料理も多いようですね」
せんべい汁を作るなら、ぜひ用意したいのが「かやきせんべい」とも呼ばれる汁専用の南部せんべい。本場・南部地方では一般的なスーパーでも売られているそうですが、インターネット通販などでも手に入ります。
「せんべいをパリパリと手で割り入れる工程も楽しいんですよね。もっちりした食感を楽しむため最後に加えるのもポイントです」
汁ごと加えたサバ缶のおかげで出汁いらずなのも魅力。旨み豊かな汁を吸った南部せんべいは、もとの姿からは想像もつかないもちもち食感に変身! やみつきになる味わいです。
RECIPE
サバのせんべい汁

材料(3〜4人分)
- 「月花さば水煮」1缶
- しょうゆ大さじ4
- キャベツ(白菜でも可)100g
- 酒大さじ2
- にんじん1/2本
- 塩小さじ1/4
- ごぼう1/2本
- 南部せんべい(できれば鍋用)4枚
- しょうが1/2かけ
- 長ねぎ1/2本
- 糸こんにゃく100g
- 水1L
- しめじ1株

「サバのせんべい汁」の食べ方のPOINT
汁・鍋用の南部せんべい
(市販)を使う

せんべい汁専用の南部せんべいを使うのがコツ。汁を吸っても煮崩れしにくく、つるんと弾力ある食感に
作り方
【1】野菜を食べやすい大きさに切る。キャベツは5cm角に、にんじんはいちょう切りに、ごぼうはささがきに、しょうがは千切りにする。

【2】長ねぎは斜め切りし、しめじは石づきを切り落としてほぐす。

【3】鍋に1の野菜と水、「月花さば水煮」缶の汁を加え、ふたをして中火で煮る。

【4】ごぼうに火が通ったら、「月花さば水煮」のサバ、糸こんにゃく、しめじ、調味料を加える。

【5】途中で南部せんべいを割り入れる。

【6】具に火が通ったら、長ねぎを加える。


POINT
南部せんべいの割り方は3等分くらいを目安に。「おばあちゃんは”ベンツ割り”と呼んでいました(笑)。イメージしやすいですよね」
海のミルク、カキ。その栄養価と“Rの月”の逸話
ぷっくりとした身から濃厚な旨みがあふれ出す「カキ」。「Rのつかない月にカキは食べるな」ともよく言われますが、これは英語圏のことわざが元になっているのだそう。なぜそんなことわざが生まれたのでしょうか。生食用と加熱用のカキの違いなどについても紹介します。
もっと詳しく知りたい人はコチラ
▶︎(https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article83/)