アスリートを育む食卓07

「川崎ブレイブサンダース」
山内ジャヘル琉人選手は
何を食べて育ったか?

2025.4.25

プロのアスリートは食事の摂り方もプロフェッショナル。
試合で最大限能力を発揮するためにも、ケガを予防して長く競技生活を続けるためにも、
日々の食生活に気配りは欠かせません。
そんなプロ選手たちはジュニアアスリート時代、何を食べて育ったのでしょう?
第7回は、男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUE「川崎ブレイブサンダース」から
山内ジャヘル琉人選手が登場。
力強さと高い身体能力を併せ持つその体を作った食生活とは。

山内ジャヘル琉人
(やまうち・じゃへる・りゅうと)さん

プロバスケットボールチーム「川崎ブレイブサンダース」所属。背番号45、ポジションはシューティングガード。2002年生まれ、沖縄県出身。190cm/96kg。仙台大附属明成高校3年次のウィンターカップで優勝し、大会ベスト5に選出。大東文化大学では3年次リーグ戦で優秀選手に。4年次の2024-25シーズンに特別指定選手として川崎ブレイブサンダースに加入。愛称は「ジャヘル」。

子どもの頃よく食べたもの:肉

好きな鮨ダネ:マグロ、サーモン

好きな魚料理:鮨

栄養への意識を高めた
高校時代の寮生活

「小学生でバスケを始めた頃からプロを目指していました」

まっすぐな瞳で語る山内選手。バスケ好きの叔父にNBAのビデオを見せてもらってその魅力に目覚め、沖縄県でバスケに没頭する少年時代を送ったといいます。その頃から食べものは好き嫌いせず、なんでも食べていたそう。

「母が食事に厳しくて、残すと叱られたので。昔から肉が好きなんですが、マグロも沖縄でよく穫れることもありしょっちゅう食べていましたね。家族ともどもマグロが大好きなので、マルハニチロさんの冠協賛試合のMVP賞品として、完全養殖クロマグロ1本分をいただいたのもすごく嬉しかったです。親にも送ってあげようと思っています」

中学までは無名だったという山内選手。憧れのプロ選手になるためには強いチームに入らねばと、強豪・宮城県の明成高校(現・仙台大附属明成高校)に自ら飛び込みました。ハイレベルなチームで主力の座を得るため、ひたすら練習に明け暮れる日々。

「寮で生活していたんですが、食事に力を入れているところで、バランスよくおいしいものを食べさせてもらえました。月に1度くらいですが、仙台牛の牛タンも出たんですよ。あの味は忘れられないです」

おいしくてバランスが整えられた寮の食事。加えて、チームのトレーナーからの栄養指導もあったそう。

「自分の体格にとって1日に必要なタンパク質量はどのくらいか、栄養補給はいつ行えば効果的か、などの栄養知識を教わりました。高校の練習は運動量も多かったので、気を抜くとすぐ体重が落ちてしまう。タンパク質を摂ることを常に意識して、練習帰りにもコンビニで買ったサラダチキンで補食をしていました」

高校生活を通して、栄養知識を身につけた山内選手。大東文化大学に進学後も寮生活でしたが、自分で栄養面を考えて補食を習慣にしていたのだそう。

「アミノ酸が豊富だと聞いたので、ツナ缶はよく食べていましたね。あとはマグロやサーモンの刺身、サラダチキン。自分で鶏胸肉やささみをゆでることもありました」

ハードなディフェンスと力強いドライブで評価の高い山内選手

栄養バランスを意識した
体づくりに手応えを実感

実は大学3年の終わりに特別指定選手として川崎ブレイブサンダースへの加入が発表されていた山内選手。ところがチーム合流前に負傷してしまい、見送りになったという苦い経験があります。それもあって、当たり負けしない体を作るため、大学時代に15kgほど体重を増やしたのだそう。

「チームの栄養士さんにも相談し、筋肉量が増えるようタンパク質多めの栄養バランスを意識して、少しずつ体重を増やしていきました。がんばった甲斐あって、体重に比例して筋力も上がったので、パフォーマンスもよくなりました」

筋肉を付けて体重を増やすためには、何を摂取するべきか。そして体重を増やしても動きが落ちないように、どんなトレーニングをするか。プロになった今も、常にそれを追求しています。

フィジカルの強靭さも期待されている山内選手

プロならではの環境を力に
さらなる飛躍へ

子どもの頃からの念願を叶え、プロバスケットボールプレーヤーとなった現在は、クラブハウス「BRAVE THUNDERS HALL」で生活しています。

「クラブハウスの食事はバリエーション豊富で、毎日とても楽しみですね。ホームゲームの日は丼ものが多いかな。試合前には炭水化物を多く摂るために、カステラみたいなお菓子も出ますね。遠征試合はビュッフェ形式の食事。自分で選ぶので、白米、鶏肉をはじめ、ブロッコリーなどの食物繊維のとれる野菜を基本に」

パワーを発揮し、疲労を残さないためのサプリメントも欠かせません。

「試合前にはアミノ酸ゼリーやエネルギーゼリー。試合後は疲労回復のためのサプリやゼリーを補給しています。ハーフタイムにはミネラルが摂れるバナナを食べることが多いかな。ミネラルが不足すると足がつりやすくなると聞いたので」

オフの日はストイックになりすぎず、少し羽を伸ばす日もあるよう。

「朝昼はコンビニでパスタやおにぎりを買って、食堂のヨーグルトなどをプラス。夜は外食です。たまにはファーストフードも食べますが、学生のときよりも質のいい食事ができるようになったのが嬉しくて。肉好きなのでステーキや牛タンを食べたり、肉だけではなく魚や野菜も摂れるビュッフェなどに行ったり」

プロになり、体のケアも十分にできるようになって、パフォーマンスが上がったことを感じているという山内選手。既に190cm96kgという見事な体躯ですが、現状に満足しているわけではないそう。

「ディフェンスをする中で、たまに自分より大きな選手とマッチアップすることもあるので。どんな相手でも守れるようになりたい。そのためにはもう少し体を大きくしたいです」

試合中のパワフルな姿とは打って変わって、穏やかな語り口の山内選手。子どもの頃からの夢を叶えるために自ら道を切り拓き、ひたむきに努力してきた強い意志の力で今後さらなる活躍を見せてくれるに違いありません。

チームメイトも「理想的」と羨む体躯

世界で大人気のツナ缶、その背景は?

魚の缶詰の王道といえばツナ缶。おにぎりやサンドイッチの具材をはじめ、日本のみならず世界中で人気の高い食材です。ツナ=マグロと思われがちですが、実はツナ缶の原料はマグロだけではないことを知っていますか?

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