
海外最新トピック from Norway
ジェンダー平等が
進んだ結果?
サバもタラもサーモンも
「骨なし」が人気
今、世界ではどんなことが話題になっている?
現地在住リポーターが、これからの食と未来の暮らしのヒントとなるような
最新トピックをお届けします。今回はノルウェーからリポート!
肉と同じように調理できる、
がポイント
ジェンダー平等が進んでいるとして世界的に知名度が高い北欧。世界経済フォーラムが2023年に発表したジェンダーギャップ指数では、ノルウェーは世界第2位(日本は125位)と、女性議員の多さや家事や育児を当たり前に担う男性たちの存在を裏付けました。
ジェンダー平等で働く社会では、親は仕事や育児に追われています。夕方早く仕事を終えて子どもを迎えに行き、それから自宅で料理をするのは北欧の家庭にとっても大変な負担。 そこで何が起きているかというと、「(手間のかかる)魚の料理の仕方がわからない」という親が増え、このままでは子どもの魚離れが進むと、ノルウェーでは国を挙げて魚の食育運動に励んでいます。
ノルウェーで最も人気の魚はサーモン、タラ、サバあたり。圧倒的にスーパーで売れるのは「調理に手間がかからない」「子どもでも食べやすい」‟骨なし“の魚です。骨を抜いてオーブンでそのまま調理できる状態、もしくは魚肉をすり身にして成形した「フィッシュケーキ」が売り場を占めています。

骨なしのサーモンの切り身。オーブンやフライパンでそのまま料理できる。

生食用の「SALMA」シリーズは現地在住の日本人にも大人気。サーモンを細かく刻んで丸く成形した「サルマ・バーガー」は、ご飯にのせて醤油をかけても美味。
フィッシュケーキはノルウェーの伝統的な家庭料理ですが、定番すぎて各企業は売り上げを伸ばすのに苦労してきました。そこで、定番の丸型からハート型にして子どもの弁当箱に入れやすいサイズにしたり、魚の臭いを抑える、ハンバーガーの肉の代替品として売り出すなど工夫を重ねたところ、売り上げが急上昇。
「肉料理のレシピは思いつくけれど、魚料理が思い浮かばない」という親が増え、魚も肉と同じように調理できることが、魚を食べる機会を増やすポイントになっているようです。

ノルウェーのすしは
クリエイティブ!

「Kamo Ichigo」鴨胸肉のマリネ、アボカド、レタスを巻いて、フレッシュなイチゴ、特製マヨネーズ、照り焼きソースをトッピング。©Sumo Restaurant
首都オスロでは、アジア人が経営するすし店が市内のあちこちにあり、テイクアウトやホームデリバリーも盛ん。誕生日やビジネスで利用するような高級すし店では、日本人にとっては意外な発想のすしに出合うことも。たとえばサーモンとイチゴは相性がいい組み合わせとして定着しています。 ほかにも「意外と癖になる」クリエイティビティに溢れたすしの数々。ノルウェーに来たらすしを楽しむのもおすすめです。

「Ebi Ringo」海老のてんぷら、クリームチーズ、リンゴの巻きすしにイチゴ、特製マヨネーズ、砕いたピーナッツと照り焼きソースをのせて。©Sumo Restaurant

Dirty Tempura」海老とアボカドの唐揚げ巻き。チリマヨ、サツマイモのフライドポテト添え。意外な組み合わせだが癖になるおいしさ。©Sumo Restaurant
◎Sumo Restaurant
Karl Johans gate 45, 0162 Oslo
https://sumorestaurant.no/

鐙 麻樹(あぶみ・あさき)
北欧ジャーナリスト・写真家。2008年からオスロ在住。オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。ノルウェー国際報道協会 理事会役員。著書『ハイヒールを履かない女たち:北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』(かもがわ出版)
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