アウトドア・クッキングの
達人に教わる缶詰レシピ02
さば缶のピリ辛和え麺
同じ料理でも外の空気を感じながら食べると、
それだけでご馳走になるのがアウトドアごはんの魅力。
下ごしらえ不要で常温で持ち運べ、生ゴミも出ない「缶詰」は、
アウトドア・クッキングに最適なアイテムです。
山とキャンプを愛する料理家・蓮池陽子さんに、
アウトドアで盛り上がる缶詰レシピを教わります。
蓮池陽子(はすいけ・ようこ)さん
料理家。アウトドアを愛し、自然体験施設でのガイド経験や長野県栄村での毎年の山菜・きのこ採取など、豊富な知識を活かしてレシピ開発やケータリング、料理教室を実施。食の背景にある物語を真摯に伝える。著書に『キャンプの肉料理』(オークラ出版)、『アウトドアでホットサンド』『簡単シェラカップ料理』(共に山と渓谷社)など。
麺を茹でるだけ!
火を囲まずに盛り上がる夏の和え麺
夏のアウトドア・クッキングはなるべく火を使いたくないもの。そこで蓮池さんが教えてくれたのが、麺を茹でる以外は火を使わない、アジア風のピリ辛和え麺です。ポイントは肉そぼろではなく、サバの水煮の缶詰をほぐして麺に絡めること。
「挽き肉は傷みやすいので夏のアウトドア・クッキングには不向き。サバの缶詰は箸ですぐにほぐれて、タレとの相性もいいんです。パクチーなどのハーブをふんわり香らせることで、青魚が苦手な人でも食べやすくなります」
ラー油は香味野菜やスパイスの入った風味のいいものを選ぶのがおいしさの秘訣だそう。
アウトドアでの調理を快適にするために、タレはあらかじめ合わせて持っていくのがおすすめだと蓮池さん。
「調味料をたくさん持ち運ばずにすみますし、現地で計量する手間も減らせます」
ペースト状にして容器に入れ、現地で缶汁を加えて伸ばせば、液もれの心配もなし。各自、麺と具材とタレを合わせて混ぜ、途中でナンプラーや酢を加えて“味変"もできる。
「火を囲まずに盛り上がる、夏におすすめの一品です」
RECIPEさば缶のピリ辛和え麺
材料(2人分)
- 「月花さば水煮」1缶
- 好みの乾麺2玉
- かいわれ適量
- 紫たまねぎ(たまねぎでも可)1/2個
- パクチー適量
- きゅうり1本
- <タレ>
- 味噌大さじ1
- 練りごま(白・黒どちらでも)大さじ1
- ラー油適量
- 酢(好みで途中で加える)適量
アウトドア・クッキングのPOINT
タレの材料はあらかじめ
合わせておく
味噌、練りごま、ラー油はあらかじめ瓶に合わせて持って行く。缶汁で伸ばせるよう、余裕のある大きさの瓶を選んで。
作り方
【1】野菜を刻む。きゅうりはスライスしてせん切りに。紫たまねぎは薄切りにして水にさらす。かいわれ、パクチーは食べやすい長さに。
【2】瓶に合わせておいたタレに「月花さば水煮」缶の汁を半量加えて伸ばす。
【3】サバの身を箸などでそぼろ状にほぐす。
【4】乾麺を茹でる(火を使うのはココだけ!)。冷水で冷やし、水気をしっかり切る。
【5】麺と具材を盛り付ける。
【6】各自、麺と具材を取り分けてタレをかけ、よく混ぜていただく。
途中でナンプラーや酢を加えて“味変”するのもおすすめ。
東北の氷頭、瀬戸内のママカリ・・・
ご当地魚食事情
日本には、各地に根づいた独特の魚食文化があります。岩手県央地域などでメジャーな「氷頭(ひず)」や、岡山県などの瀬戸内海沿岸地域で愛される「ママカリ」、サバを刺身で味わう博多の郷土料理「胡麻鯖」など、南北に長く魚の種類が多彩な日本ならではの魚食事情について知ってみませんか。
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