
アスリートを育む食卓04
「横浜DeNAベイスターズ」
入江大生選手は
何を食べて育ったか?
プロのアスリートは食事の摂り方もプロフェッショナル。
試合で最大限能力を発揮するためにも、ケガを予防して長く競技生活を続けるためにも、
日々の食生活に気配りは欠かせません。
そんなプロ選手たちはジュニアアスリート時代、何を食べて育ったのでしょう?
第4回は、昨年リリーフピッチャーとして飛躍した「横浜DeNAベイスターズ」の入江大生選手に、食に対する想いを聞きました。

入江大生(いりえ・たいせい)さん
投手。右投右打。1998年栃木県生まれ。作新学院高では3年夏の甲子園で3試合連続本塁打を放ち
全国制覇。明治大学時代から投手に専念し2020年にドラフト1位でDeNA入団。
22年にリリーフへ転向しチーム3位の57試合に登板、5勝10ホールドと躍進する。背番号は22。
子どもの頃よく食べたもの:苺(とちおとめ)
好きな鮨ダネ:マダイなど白身魚
好きな魚料理:冬はフグ鍋、あんこう鍋。夏は鰻
強い体を作るための食生活を
学生時代にみずから考え実践
プロ3年目を迎え、救援陣の一角としてますます期待されている入江選手。ギャグ好きの明るいキャラクターがファンにもチームメイトにも愛されています。187cm87kgのすらりとした長身ですが、野球を始めた小学生の頃は意外にもお菓子が大好きだったのだそう。

「母は管理栄養士だったのでバランスのいい食事を用意してもらっていたんですが、学校帰りに買う駄菓子が好きで、夕ご飯をあまり食べられないことが多くて。だからすごく線が細い子どもでしたね。でも自宅には果汁100%のジュースや牛乳しかなかったし、インスタント食品を食べる習慣もあまりなかったので、そこはよかったかもしれません」
食が細かった子ども時代の入江選手に少しでも体にいいものを、という母心が伝わります。その後、中学時代には全国大会でベスト8に輝き、甲子園常連の強豪・作新学院高校に進むと寮生活が始まりました。
「高校時代は練習も厳しかったので食べる量も増えましたが、活躍できる体を作るために食べるものに気をつけるようになりました。動物性タンパク質と植物性タンパク質を一緒に摂ったり、寝る前に吸収の遅いカゼインプロテインを飲んだり。夏場は体重が落ちやすいので、一食でご飯と麺類を食べてダブル糖質を心がけたりもしました」
明治大学進学後も寮生活でしたが、特にプロを意識しはじめた大学2年生の終わり頃からは、肉体改造を自ら課題に掲げ、食生活をストイックに管理したそう。
「当時は72kgほどしかなかったので、身長-100の87kgを目標にしました。炭水化物をしっかり摂りつつ、体重1kgあたり約3gとして1日210gのタンパク質をノルマに設定。“卵のタンパク質は6g”などと計算しながら、寮の食事やプロテインサプリに加え、近くのスーパーで惣菜などを買って補っていました」
徹底していたのは、3食をしっかり摂りつつ間食も摂取して、空腹の時間をなくすこと。
「朝の練習が早く昼食まで時間があるので、その間に筋肉がエネルギーとして消費されないよう、朝食は消化が遅い玄米に。間食でも体作りに役立つものを食べようと、実家から餅を送ってもらって、タンパク質が摂れるきな粉餅にしたり」
そうした試行錯誤が実り、数カ月後の春先にはほぼ目標を達成!
「86kgまで体重が増えました。約15kgの増量はかなり辛かったですが、この経験を通して、体を作るには食べる内容はもちろん、タイミングも大事だと実感できました。大きくなった体を扱えるようになるまで時間はかかりましたが、約半年後には少しずつ防御率がよくなったり、打者の押さえ方が変わってきたりして、結果にも反映されました」

いい食生活を送ることが、
心の安定にもつながる
2023年からベイスターズの「青星寮」を出て、一人暮らしを始めた入江選手。
「料理はあまりしないですが、母の料理がおいしかったので、自分でも挑戦してみたいと思っています。パクチーだけはダメだけど好き嫌いもあまりなくて。どちらかというと肉より魚のほうが好きで、鮨や魚介の鍋と日本酒の組み合わせはたまらないですね」

そう言って目を細める表情からも、食への思い入れが伝わります。大学時代のストイックな食生活を経た今は、バランスよく食べることを大切にしているのだそう。
「1食に、ごはん類、味噌汁、野菜、主菜、副菜、果物、乳製品までをセットにするのが理想。専属の栄養コーチにもアドバイスをいただきながら、今の自分に必要なメニューを一緒に考えています」
高校時代にみずから食べるものを意識しはじめ、体への影響を実感してきた入江選手。それだけに、食は精神面に及ぼす効果も大きいよう。
「食べるものが直接的に結果に反映するかはわからないけど、ケガの防止や回復には確実に影響するもの。それに健康的な食生活を送ることで、自分の抱える不安材料を一つ消すことができる。その意味でも食は大事だと思っています」

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