MEMBER05

魚への熱い思いを胸に、
関わる人すべてを
勝たせるプロ。
H.H.
販売・営業関東支社 食材流通部 業務水産課
水産第一部
鮮魚まぐろ部商材の営業担当
2022年入社
※所属は取材当時のものです

幼い頃の「好き」が、
理想の仕事になるまで

私の原点は、地元の港町にあります。週末になると父と釣りに出かけるのが幼い頃からの日課でした。時には大漁で帰り、母が手際よく魚を捌く姿を見つめる。そんな原体験は、進路選択にも影響を与え、大学では海洋生物資源学(※ 海洋生物を保全・育成し、基礎科学を幅広く研究)を専攻。さらに、実践的な経験を得ようと地元の魚屋でアルバイトを始めました。
魚のプロフェッショナルである店主からは、魚の目利きの極意や調理技術だけでなく、魚に対する真摯な姿勢も学びました。旬の時期や産地による味の違い、魚種ごとの最適な調理法など、教科書では学べない生きた知識を吸収していく毎日は、かけがえのない財産となっています。
しかし同時に、現代社会が抱える課題にも直面します。それは、急速に進む日本人の魚離れ。印象に残っているのは、若い主婦の方々との会話です。「魚は好きだけど、調理が難しい」「子供が魚の骨を嫌がる」「夫婦共働きで調理時間が取れない」。そうした声を聞くたびに、この課題の複雑さを痛感しました。共働き世帯の増加による調理時間の減少、肉と比べて割高な価格、調理の手間やゴミ処理の問題など、消費者を取り巻く環境は確実に変化していたのです。
そんな中で得た、「日本の魚食文化を守りたい」という使命感と、「今の時代に合った形で提供していく必要がある」という現実的な視点。この二つを解決できる場所を探す中で出会ったのが、マルハニチロでした。
世界中からの圧倒的な調達力、高度な加工技術、幅広い販売チャネル。これらの強みを持つ企業だからこそ、私の描く未来を実現できると確信しました。
面接での経験も、その確信をより強いものにしました。大手企業でありながら、一就活生である私の意見を尊重してくれているという実感がありました。私の考えや将来の夢について、真剣に耳を傾けてもらったことが今でも印象に残っています。さらに印象的だったのは、「水産の営業を経験した後、仕入れの仕事がしたい」という私の希望に対する反応です。
全国各地の市場や問屋との取引、外食産業や量販店への営業、さらにはメディケア分野まで、実に多様な経験を積める環境があることを具体的に説明してくれました。また、「仕入れ部隊は魚種ごとに細分化されており、担当になればその魚種の水揚げから販売までを熟知したスペシャリストになれる」という言葉に、強く心を惹かれました。

入社2年目で掴んだ、
大きな成長のチャンス

入社後、最も印象に残っているのは、2年目で任された底魚(※ 「そこうお」海底や海底に近いところに住む魚)担当としての経験です。既存の仕入れ数量の激減という危機的状況の中、カラスガレイという商材に可能性を見出しました。既に当社でも取り扱いのある商材でしたが、私の担当エリアでは前年まで実績が乏しく、新規開拓の余地を感じたのです。
ところが、この提案は最初から大きな壁にぶつかりました。仕入れ担当からは「まだ売れる確証がない商品を大量に仕入れるのは危険すぎる」と強い難色を示されました。お客様からも「御社の商品を見たことがないから品質が分からない」と懐疑的な反応が続きました。
しかし、他エリアでの実績を踏まえ、売れると確信があった私は諦めません。仕入れ担当と協力してお客様を訪問し、他エリアでの実績や原料情報を丁寧に説明。お客様からも地域特有の需要動向を収集し、最終的に全関係者が納得する形で取引が成立。担当エリアでの新たな主力商材として確立できました。
この経験は、「情報収集力」「提案力」「粘り強さ」の重要性を学ぶと同時に、部署を越えた協力関係の大切さを実感する貴重な機会となりました。

私が見つけた、
やりがいの本質

この経験を通じて、私は、営業という仕事の本質に気づきました。それは「すべての関係者を勝たせるプロ」になること。仕入れ担当もお客様も、その先のお客様までも、すべての関係者がWin-Winとなるよう考え続けることが、長期的な信頼関係を築く秘訣だと感じています。お客様との信頼関係を強固にすることで、幅広いお客様のニーズに応えることができ、変わりゆく環境の中でも新しい価値を提供していくことに繋がると考えています。現在は、そのようなニーズを満たすべく、新たな商品開発や商流開拓に注力しています。便利さと美味しさを両立させた商品を通じて、現代のライフスタイルに合った形で、日本の魚食文化を守り、発展させていきたいです。

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