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事業関係者の皆さまへ

マルハニチロでは、消費者庁の定める機能性表示食品制度において、DHA/EPAの血中中性脂肪低下作用については、平成27年8月から、DHAの情報記憶サポート作用については、平成28年2月から、該当製品において、その効果効能が表示できるようになりました。そこで、特にDHAの有用性について、より詳しく広く知って頂くために、この度新たに、特設サイト「DHA Lab.」を開設し、脳機能関連の学術文献を手始めに、その他の最新文献も交えながら、順次、その簡単な解説を掲載していくことと致しました。マルハニチロのこの取り組みが、皆さまの事業活動に微力ながらも、お役に立つことができれば、幸いです。更新は適宜行ないますので、お気に留めて頂くよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

News

2024年 04月
●DHAに関する総説の内容を追記いたしました。
 Report-305(総説)~Report-307(総説)
●DHAに関する作用機序の内容を追加いたしました。
 Report-025(作用機序)
●DHAに関する臨床試験の内容を追記いたしました。
 Report-121(臨床試験)
2022年 03月
●DHAに関する総説の内容を追加いたしました。
 Report-304(総説)
●DHAに関する作用機序の内容を追加いたしました。
 Report-023(作用機序)
●DHAに関する臨床試験の内容を追加いたしました。
 Report-118(臨床試験)~Report-120(臨床試験)
2021年 10月
●DHAに関する総説の内容を追加いたしました。
 Report-303(総説)
●DHAに関する作用機序の内容を追加いたしました。
 Report-022(作用機序)~Report-023(作用機序)
●DHAに関する臨床試験の内容を追加いたしました。
 Report-117(臨床試験)
2021年 02月
●DHAに関する総説の内容を追加いたしました。
 Report-302(総説)
●DHAに関する作用機序の内容を追加いたしました。
 Report-019(作用機序)~Report-021(作用機序)
●DHAに関する臨床試験の内容を追加いたしました。
 Report-115(臨床試験)~Report-116(臨床試験)
2020年 03月
●DHAに関する総説の内容を追加いたしました。
 Report-301(総説)
●DHAによる作用機序に関する内容を追加いたしました。
 Report-016(作用機序)~Report-018(作用機序)
●DHAによる臨床試験に関する内容を追加いたしました。
 Report-107(臨床試験)~Report-114(臨床試験)
2019年 03月
●DHA による血液脳関門の通過に関する内容を追加いたしました。
 Report-204(血液脳関門)~ Report-209(血液脳関門)
●DHA による作用機序に関する内容を追加いたしました。
 Report-011(作用機序)~ Report-015(作用機序)
2017年 03月
●DHA による血液脳関門の通過に関する内容を追加いたしました。
 Report-201(血液脳関門)~ Report-203(血液脳関門)
2016年 07月
●DHA による認知機能に関する臨床試験を追加いたしました。
 Report-101(臨床試験)~ Report-106(臨床試験)
●2016 年 06 月に掲載しました作用機序は、順番を並べかえました。
 Report-001(作用機序)~ Report-010(作用機序)
2016年 06月
●DHA Lab.(DHAラボ)特設サイトを開設いたしました。

Report

DHAに関する様々な研究レポートをご紹介します。

Report 一覧 ▼

記憶にアプローチするDHA:ドコサヘキサエン酸のメカニズムに関する文献より

Report-301【総説】食事性脂質の質と肥満 Report-302【総説】コロナ禍のオメガ 3脂肪酸などの栄養について Report-303【総説】EPA/DHAの摂取量と心血管疾患の減少との相関について Report-304【総説】DHAの高い普遍性と感覚細胞における量子効果の関係について Report-305【総説】米国心臓協会 AHAによる科学声明 Report-306【総説】DHA/EPAの摂取と認知機能の関係を評価した臨床試験のレビュー Report-307【総説】がん治療期間中のDHA/EPA摂取 Report-201【血液脳関門】DHAの脳内移行について Report-202【血液脳関門】脳を構成する星状細胞による脂肪酸の代謝 Report-203【血液脳関門】ヒトの脳における DHA の代謝について Report-204【血液脳関門】疑似血液脳関門モデルを利用した脳内へのDHAの蓄積のメカニズム Report-205【血液脳関門】血液脳関門を構成するアストロサイト(星状細胞)による DHAの合成と代謝 Report-206【血液脳関門】DHAの脳内への取込みに関わる仕組み(転送因子) Report-207【血液脳関門】脳内に取込まれる DHAの速度 Report-208【血液脳関門】脳内に DHAがたくさんある理由 Report-209【血液脳関門】脳内で減少する EPA Report-001【作用機序】DHA によるニューロンの分化誘導の促進 Report-002【作用機序】中枢関連疾患を抱えた脳への影響 Report-003【作用機序】DHA による脳へのマクロな影響 Report-004【作用機序】ニューロプロテクチン D1 を介したメカニズム Report-005【作用機序】DHA の血液脳関門通過について Report-006【作用機序】DHA のグルタミン酸受容体への作用 Report-007【作用機序】DHA がアミロイドβおよびラフトに及ぼす影響 Report-008【作用機序】DHA による細胞膜流動性と学習障害に対する保護 Report-009【作用機序】DHA によるアミロイドβの抑制作用 Report-010【作用機序】DHA によるアミロイドβの線維化の抑制 Report-011【作用機序】DHAによるアミロイドの沈着抑制 Report-012【作用機序】EPAがアルツハイマー病に及ぼす影響 Report-013【作用機序】加齢にともなう認知機能低下に対する EPAとDHA投与による予防効果 Report-014【作用機序】虚血再潅流後の神経保護を示す DHAの代謝物 Report-015【作用機序】網膜における神経保護 Report-016【作用機序】DHAによるニューロンへの分化を誘導するメカニズム Report-017【作用機序】全身性エリテマトーデスと DHA Report-018【作用機序】精子の形成と DHA Report-019【作用機序】脳卒中での神経保護 Report-020【作用機序】ジカウイルス感染に対する神経保護 Report-021【作用機序】炎症による疾患とオメガ 3脂肪酸 Report-022【作用機序】DHAを含むキャビア抽出物と皮膚の老化抑制について Report-023【作用機序】マウスの腸内細菌叢とDHA摂取量について Report-024【作用機序】ω3欠乏食がスコポラミンによる脳へのダメージに与える影響について Report-025【作用機序】DHA/EPAが免疫細胞におよぼす効果とその分子メカニズム Report-101【臨床試験】心血管系、および認知の機能を評価した臨床試験 Report-102【臨床試験】ソーセージを利用した臨床試験(島根県の中山間地域で実施) Report-103【臨床試験】実行機能に効果が見られた臨床試験 Report-104【臨床試験】中低所得層を対象に実施された臨床試験 Report-105【臨床試験】エピソード記憶および作業記憶に効果が見られた臨床試験 Report-106【臨床試験】全身の炎症と認知機能の相関を調査した臨床試験 Report-107【臨床試験】心血管疾患を改善するオメガ 3脂肪酸 Report-108【臨床試験】心拍数と DHA Report-109【臨床試験】DHAと子供の発達 Report-110【臨床試験】認知機能と血中のオメガ3脂肪酸 Report-111【臨床試験】子供の認知機能とDHA Report-112【臨床試験】腎症を抑制する DHA Report-113【臨床試験】激しいスポーツにともなう脳損傷と DHA Report-114【臨床試験】瞼板線(メイボ―ム腺)疾患と DHA Report-115【臨床試験】急性呼吸窮迫症候群とオメガ3脂肪酸 Report-116【臨床試験】DHAと胎児の心拍 Report-117【臨床試験】血中ω3 高度不飽和脂肪酸(PUFA)濃度と小児の健康について Report-118【臨床試験】肥満または妊娠糖尿が新生児へのDHA供給に与える影響について Report-119【臨床試験】妊娠糖尿病に対するビタミンDとω3脂肪酸の同時摂取の影響について Report-120【臨床試験】出産前うつ病患者における多価不飽和脂肪酸と炎症マーカーの関連性について Report-121【臨床試験】世界で増加する DHA/EPA欠乏者のリスクの回避にむけて

Report-301総説

食事性脂質の質と肥満

食の欧米化にともなう肥満の蔓延に対し、旧石器時代の食の推定をもとに、脂質の好ましい摂り方について提言されています。

Report-302総説

コロナ禍のオメガ 3脂肪酸などの栄養について

新型コロナウイルス感染は、急性呼吸器感染症に対する治療薬が確立されていません。対策として充分な栄養としてビタミン、葉酸とオメガ 3脂肪酸を摂取することが免疫をサポートする安全で低コストな方法であることが提案されています。

Report-303総説

EPA/DHAの摂取量と心血管疾患の減少との相関について

EPAやDHAが心血管疾患の予防に有望であることが動物試験や疫学研究で示されていますが、臨床試験での結果はまちまちでした。この研究で、40件の臨床試験の結果を統合して解析した結果、EPA/DHAの摂取量が増加すると、心血管病や心筋梗塞の発生率が低下することが示されました。

Report-304総説

DHAの高い普遍性と感覚細胞における量子効果の関係について

生物の進化史において、DHAは細胞膜の構成要素として重要な役割を担い続けてきたと考えられ、現在も多くの動物門においてその機能が保存されています。たとえば光の感受から情報伝達が極めて効率的に行われる理由は、トンネル効果や電子の重ね合わせ等、量子力学的な観点での説明が可能であり、DHAのユニークな分子構造がそれを可能にしたことが示唆されました。
(抄訳後記)
DHAは、特にヒトにおいて、高度な認知機能の発揮に不可欠な分子である。あたかもコンピューターの心臓として半導体が機能するように、生体における電気回路の基盤として DHAが働いて認知活動を営んでいる可能性が示唆される所以である。加えて、これまでの研究で、生体の恒常性維持に、DHA自体が、あるいは種々の生理活性物質合成の材料として、必須であることが分かっている。DHAは生物の進化を耐え抜いて引き継がれた最高の物質のひとつである と思われる。

Report-305総説

米国心臓協会 AHAによる科学声明

規則的な魚食等を含む食習慣によって循環器系の健康が維持されるとする食事に関する指針が、米国心臓協会 AHAから公表されました。

Report-306総説

DHA/EPAの摂取と認知機能の関係を評価した臨床試験のレビュー

認知機能を評価したDHA/EPAの摂取をともなう 78 件のランダム化比較試験 (RCT)のレビューを行いました。

Report-307総説

がん治療期間中のDHA/EPA摂取

57件のがん試験療法を対象にし、現状の臨床上のデータをまとめ、その有用性を検証しています。

Report-201血液脳関門

DHAの脳内移行について

脳には血液から必要な物質だけを交換するしくみがあり、関門のようにみえるため「血液脳関門」と呼ばれます。大切な脳の細胞を有害物質から守るバリアー機能で、アミノ酸やブドウ糖、アルコールなど一部の物質しか通過しません。 驚いたことに、 DHA は血液脳関門を通過できることが知られていました。本論文では、DHA が血液脳関門を通過するメカニズムの一端を明らかにしています。

Report-202血液脳関門

脳を構成する星状細胞による脂肪酸の代謝

血液脳関門の実質的な主役は、脂質代謝や神経細胞を支持する機能を担っているアストロサイト(星状細胞)です。今回、この星状細胞を使い、オメガ 3 脂肪酸の代謝の違いを調査し、脳に含まれる DHA の由来を明らかにしました。アストロサイトによる選択的な代謝によって脳内のオメガ 3 脂肪酸は EPA でなく DHA が蓄積することなどが記されています。

Report-203血液脳関門

ヒトの脳におけるDHAの代謝について

DHA は脳の神経細胞を構成する重要な脂質ですが、その代謝については検証されていませんでした。そこで陽電子放射断層撮影 (PET) および放射ラベル体-DHA をもちいてヒトの脳におけるDHAの動向を測定しました。

Report-204血液脳関門

疑似血液脳関門モデルを利用した脳内へのDHAの蓄積のメカニズム

血液脳関門は、アストロサイト(星状細胞)と血管内皮細胞という異なる細胞で構成されています。両者は、相互に補完しながら脳に必要な物質だけを取り込む関所として機能しています。これら 2種類の細胞で構成される疑似血液脳関門モデルを試験管内で作成することができたため、関門のモデルを使って脳内にDHAが蓄積するメカニズムを探りました。

Report-205血液脳関門

血液脳関門を構成するアストロサイト(星状細胞)による DHAの合成と代謝

血液脳関門を構成する細胞が、関所として働くだけでなくDHAを合成している可能性が示唆されるようになりました。そのため、どのタイプの細胞がDHAを合成しているかを調べました。本研究では、脂肪酸の放射ラベル体を使って、DHAになる過程やその後を追跡しました。その結果、アストロサイトの中で 鎖長延長と不飽和化が行われDHAが合成されていました。このDHAがアストロサイトから放出され、神経細胞に取りこまれることがわかりました。

Report-206血液脳関門

DHAの脳内への取込みに関わる仕組み(転送因子)

血液脳関門を脂質が通過するメカニズムは、特異性が低い受動拡散や種々の受容体を介しているケースが考えられてきました。本論文は、血液脳関門に存在するMfsd2aというオーファン(役割や由来が解明されていない)転送因子が、DHAの脳への特異的な取込みに関わっているという驚くべき可能性を報告しています。DHAが脳に著量蓄積するメカニズムのひとつ、と考えられます。

Report-207血液脳関門

脳内に取込まれるDHAの速度

脳内に多く含まれている DHAがどのように運ばれるかのメカニズムを探索しました。DHAを脳内に潅流させるモデルマウスを使って、血中の DHAが脳内へ移行する速度を EPAと比較しました。

Report-208血液脳関門

脳内にDHAがたくさんある理由

脳に著量存在するDHAが脳に蓄積するメカニズムと作用について総合的に解説されています。DHAが結合したリン脂質を脳に取込む転送因子 MSFD 2Aについてと、注意欠陥多動性障害 (ADHD)、自閉症や認知症のリスクと DHAの関係が述べられています。

Report-209血液脳関門

脳内で減少するEPA

EPAは血液脳関門で DHAに変換され、また脳室内に EPAを投与するとその一部が、β酸化によってエネルギーに変えられると調べられています。本論文は、脳室内に入れられた EPAの放射ラベル体が急激に減少する速さを測り、一方、 DHAのそれは緩慢で、両者は 6~9倍の違いがある、と述べています。

Report-001作用機序

DHAによるニューロンの分化誘導の促進

DHA の持つ最大の特徴は、『記憶をサポート』することです。本論文では、DHA が記憶を改善するメカニズムとして神経幹細胞からニューロンへの分化誘導を促進することが示されています。

Report-002作用機序

中枢関連疾患を抱えた脳への影響

DHAは、健常者の脳だけでなく、疾患を抱えた脳にも良い働きを持つことが徐々に明らかになってきています。本論文では、中枢関連疾患において DHA が奏功する可能性、およびそのメカニズムについての総説が示されています。

Report-003作用機序

DHAによる脳へのマクロな影響

DHA などのオメガ3脂肪酸は、マクロ的な見地からも脳に良い影響を与えることが徐々に明らかにされてきています。本論文では、オメガ3脂肪酸による認知機能の改善や、脳血流に及ぼす影響が考察されています。

Report-004作用機序

ニューロプロテクチン D1を介したメカニズム

DHA は他のオメガ3脂肪酸と異なり体内で代謝されて様々な有用な誘導体が形成されます。本論文は、DHAの主な酸化誘導体であるニューロプロテクチンD1の、循環器系や中枢神経系における作用、およびシグナルトランスダクションのメカニズムについての総説です。

Report-005作用機序

DHAの血液脳関門通過について

血液脳関門を通過することが可能な必須脂肪酸は限られていますが、それらの脳内での挙動についてはあまり知られていません。本論文では、DHAを摂取した後の、脳内環境を反映する脳脊椎液 (CSF)中の脂肪酸の変化、および脳内と CSF内のDHAとEPAのレベルの差について考察されています。

Report-006作用機序

DHA のグルタミン酸受容体への作用

脳神経細胞が減少する神経細胞死、および記憶に関係すると考えられている長期増強 (LTP)の誘導には、グルタミン酸受容体が重要な働きをしていることが知られています。本論文では、グルタミン酸受容体の一種であるNMDA受容体に DHA がどのように作用するかについて、生きている脳の錐体神経細胞を用いた細胞活動の考察がなされています。

Report-007作用機序

DHAがアミロイドβおよびラフトに及ぼす影響

細胞膜には、リン脂質、コレステロールとあわせ膜貫通タンパクやレセプターが豊富な部分が所々浮かんでいて、まるで「いかだ」のようなのでラフトと呼ばれています。ラフトは、様々な細胞内外の情報をやり取りしており、細胞の生存や細胞死にも影響を与えます。本論文では、DHAがアミロイドβタンパクの生成と細胞膜上のラフトの構成にどのような影響を与えるか考察されています。

Report-008作用機序

DHAによる細胞膜流動性と学習障害に対する保護

記銘力が障害される疾患であるアルツハイマー型認知症(AD)。ADが引き起こす学習障害に対して DHAの有用性が示唆されています。本論文では、DHAによる大脳皮質の細胞膜流動性変化が神経細胞防御に寄与していることが示されています。

Report-009作用機序

DHAによるアミロイドβの抑制作用

ADでは、神経細胞内にアミロイドβタンパクが蓄積し、神経細胞障害の引き金を引くことが考えられています。本論文では、DHAがアミロイドβタンパクへ及ぼす影響が示されています。

Report-010作用機序

DHA によるアミロイドβの線維化の抑制

ADでは、アミロイドβタンパクが線維化して不溶化することによる神経毒性が推察されています。本論文では、DHAによるアミロイドβタンパクの線維化抑制が示されています。

Report-011作用機序

DHAによるアミロイドの沈着抑制

ADでは、アミロイドβタンパクが脳内に蓄積され、神経細胞に障害を与えると考えられています。 DHAがアミロイドβタンパクの脳内への沈着を抑制し減衰させることが、報告されています。

Report-012作用機序

EPAがアルツハイマー病に及ぼす影響

DHAは、脳内にもともと多く存在していますが、ADモデル動物にDHAを投与すると認知障害が軽減されることが報告されています。一方、EPAは脳内に少ないので、EPAに関するこの領域での効果を調べた報告は多くありません。本研究では、ADモデルにEPAを投与すると、血液中のDHAが増加し、それによってADによる認知障害が軽減される、と示されています。

Report-013作用機序

加齢にともなう認知機能低下に対する EPAとDHA投与による予防効果

老齢ラットの認知機能低下に対する予防効果につき、オメガ3脂肪酸(プロノバ社 EPA 467mg/g、 DHA 365mg/g)および高純度 EPA(日水製薬)を比較しました。その結果、オメガ3脂肪酸に含まれている DHAが、認知機能の改善と直接関連していることが示されました。

Report-014作用機序

虚血再潅流後の神経保護を示す DHAの代謝物

血栓によって血流が遮断されて、いったん虚血に陥った後に血流が再潅流すると、急激な過酸化が発生し脳梗塞の障害を悪化させます。 DHAあるいはその代謝物が虚血再潅流の過程でどのような役割をしめすか、本論文で検証されています。 DHAの酸化誘導体10,17S-ドコサトリエンが、再灌流後の炎症を抑制し、神経保護に寄与する内因性伝達物質として作用することが示されています。

Report-015作用機序

網膜における神経保護

光を受容する網膜を構成する神経細胞等の細胞膜に高濃度の DHAが含まれていて、視覚機能を正常に維持していると考えられています。神経細胞に栄養を送る網膜上皮という細胞を解析したところ、 DHAの酸化誘導体が見つかりました。この物質は、細胞死を抑え、炎症を進行させるシクロオキシゲナーゼも抑制することがわかりました。本酸化誘導体は同時期に脳内で見つかった神経を保護する伝達物質と同じ構造であり、ニューロプロテクチン D1と名付けられました。

Report-016作用機序

DHAによるニューロンへの分化を誘導するメカニズム

DHAが神経突起を形成し軸索を伸長させるメカニズムが調べられています。

Report-017作用機序

全身性エリテマトーデスとDHA

炎症が関連する全身性エリテマトーデスのモデルで、DHAが生残率を改善するメカニズムが検討されています。

Report-018作用機序

精子の形成とDHA

DHAが正常な精子の形成を促進するメカニズムを、リン脂質型 DHAに関わる酵素の遺伝子を欠損した動物を利用して、示しました。

Report-019作用機序

脳卒中での神経保護

世界の主要な死因のひとつであり後遺症が懸念される脳卒中に対し、オリーブオイルやオメガ 3脂肪酸が含まれている地中海式食事が疫学的に有効であることが示唆されてきました。メカニズムを解明するため一過性の脳卒中モデルマウスを用いてオリーブオイルとオメガ 3脂肪酸の組合せによる脳機能保護の作用が調べられています。

Report-020作用機序

ジカウイルス感染に対する神経保護

蚊が媒介するジカウイルスは妊婦に感染すると胎児の脳神経細胞が障害をきたし小頭症を引き起こします。脳神経を保護する作用を持つDHAが、ジカウイルスの感染による神経毒性を抑制するかが、調べられました。

Report-021作用機序

炎症による疾患とオメガ 3脂肪酸

過剰な炎症反応が様々な障害の原因となることが知られています。肥満や糖尿病でも体内に不要な炎症が起きてきます。DHAや EPAやそれらが体内で変化してできる代謝物が炎症を抑えることによって、炎症による障害を抑える可能性について考察されています。

Report-022作用機序

DHAを含むキャビア抽出物と皮膚の老化抑制について

皮膚への紫外線B波の曝露は、皮膚の老化を引き起こします。細胞試験の結果、キャビア抽出物およびその成分であるDHAは、脂質代謝の促進や抗炎症、コラーゲンの分解抑制などの効果により、紫外線B波による老化を抑制する可能性が示唆されました。

Report-023作用機序

マウスの腸内細菌叢とDHA摂取量について

食事内容は腸内細菌叢に影響を与える可能性が知られています。DHAの配合比率が異なるエサを用いてマウスを飼育し、腸内細菌叢や生理状態を調べたところ、DHA含有量が多いエサを使用した場合、DHA含有量が低いエサに比べ、有害細菌の増加抑制や各種脂質値の上昇抑制、体脂肪率の改善などが顕著に認められました。

Report-024作用機序

ω3欠乏食がスコポラミンによる脳へのダメージに与える影響について

ω3系多価不飽和脂肪酸であるDHAは、脳の機能維持や発達に重要であることが知られています。ω3欠乏食や、スコポラミンにより脳機能を傷害したマウスを用いた実験によると、ω3の欠乏は脳内のDHA量の減少を引き起こし、また、スコポラミンによる脳のダメージを悪化させることが明らかになりました。

Report-025作用機序

DHA/EPAが免疫細胞におよぼす効果とその分子メカニズム

様々な種類の免疫細胞におよぼす効果について、また DHAとEPAの違いについても解説しています。

Report-101臨床試験

心血管系、および認知の機能を評価した臨床試験

健常者160名を対象に実施された、心血管系の機能、および認知機能への作用を確認する並行群間比較臨床試験です。DHA 480mgの用量で試みましたが、血圧が低下したほか、認知機能への影響を確認できませんでした。しかし、設定用量が適切でなかった可能性が議論されています。メルボルンで実施。

Report-102臨床試験

ソーセージを利用した臨床試験(島根県の中山間地域で実施)

健常高齢者(57 歳以上)111名を対象に、 DHA 1,720mg を配合した魚肉ソーセージを評価しました。模写や指運動など複数の認知機能の指標に、有益な効果を確認できました。島根県 邑智(おおち)郡で実施。

Report-103臨床試験

実行機能に効果が見られた臨床試験

65 名の健常者を対象に、DHA 880mgを調査する臨床試験を実施しました。実行機能に効果が認められました。ベルリンで実施。

Report-104臨床試験

中低所得層を対象に実施された臨床試験

中・低所得層 36名の軽度認知障害 MCI を対象に、DHA 1.3gの用量を調査しました。複数の認知機能において好ましい効果が確認できました。社会経済学的な有用性も言及されております。クアラルンプルで実施。

Report-105臨床試験

エピソード記憶および作業記憶に効果が見られた臨床試験

健常成人 228名を対象に、DHA 1.16gの用量を調査しました。ことばや絵を思い出す認知機能が改善されました。ニュージーランドで実施。

Report-106臨床試験

全身の炎症と認知機能の相関を調査した臨床試験

健常者 40名を対象に、DHA 1,050mgの用量を調査しました。エピソード記憶と作業記憶の指標において、改善が確認されました。また、血漿中の炎症マーカーである腫瘍壊死因子(TNFα)と認知機能が負に相関し、炎症を抑制することが認知機能の維持に寄与する有効な可能性が示唆されました。スウェーデンで実施。

Report-107臨床試験

心血管疾患を改善するオメガ 3脂肪酸

オメガ 3脂肪酸が心血管疾患に及ぼす効果を検討した複数の臨床試験を、総合して評価しました。米国心臓協会 科学セッションに、掲載されました。

Report-108臨床試験

心拍数とDHA

心臓突然死のリスクは心拍数と関係するとされています。オメガ 3脂肪酸が心拍数を低下させることを示す複数の臨床試験を総合的に評価したところ、オメガ 3脂肪酸の中で DHAが心拍数を低下させることが、明らかになりました。

Report-109臨床試験

DHAと子供の発達

DHAが周産期の胎児の急成長で脳に蓄積され、脳機能の発達に重要な役割を果たしています。出生前の臍帯血のDHAが、その後、7歳児の運動機能と関係するかを検証しています。

Report-110臨床試験

認知機能と血中のオメガ3脂肪酸

ピッツバーグ大学 成人の健康と行動に関するプロジェクトにて、280名を対象に、認知機能と血清リン脂質のオメガ 3脂肪酸の関係が調べられました。 その結果、オメガ3脂肪酸の中で DHAが認知機能とかかわっていることがわかりました。

Report-111臨床試験

子供の認知機能とDHA

出生前後の子供の血中DHA と認知機能の関係が調べられています。北極圏ケベック マナヴィックのイヌイットの子供を対象に、脳波についても、調査されました。

Report-112臨床試験

腎症を抑制する DHA

炎症が関与する腎炎に及ぼすオメガ 3脂肪酸の効果が、ミネソタ州ロチェスターの多施設で、確認されました。

Report-113臨床試験

激しいスポーツにともなう脳損傷と DHA

ボクシングやアメフト競技の衝突による脳震盪や外傷性脳障害のダメージを軽減するための対策が必要とされています。脳組織中の主要なオメガ 3脂肪酸である DHAの脳損傷に対する効果を検証しています。

Report-114臨床試験

瞼板線(メイボ―ム腺)疾患と DHA

炎症関連疾患である瞼板線(メイボ―ム腺)疾患を DHAが改善するか、スペイン マドリードで臨床試験が検討されました。

Report-115臨床試験

急性呼吸窮迫症候群とオメガ3脂肪酸

新型コロナウイルスは重症化すると、息切れや呼吸困難を起こす急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を起こすことが知られています。ARDSは、炎症により急速に重篤な低酸素血症におちいる病態です。今回、オメガ 3脂肪酸を含んだ経腸免疫調節食がARDSの臨床上の客観的指標を改善することが複数の臨床試験のメタ解析によって示されました。

Report-116臨床試験

DHAと胎児の心拍

乳児の心拍に DHAが好ましい影響を及ぼすことが示されていますが、母体内の胎児の心拍や自律神経に及ぼす母親の DHA補給による影響は明らかでありませんでした。
そこで、心磁図という胎児の心拍を測定する方法を用い、胎児および新生児の心拍や運動行動に及ぼす母親の DHA摂取による効果が調べられました。

Report-117臨床試験

血中ω3 高度不飽和脂肪酸(PUFA)濃度と小児の健康について

アテローム性動脈硬化は、生活習慣や遺伝的な要因などに影響を受け、小児期から進行し続けることが知られています。血中の因子について調べたところ、血管内皮の機能維持に関わるとされるビタミンB群とPUFA濃度が相関していることが分かりました。このことは、小児期の段階から適切な食習慣を身につけることが、心血管疾患の予防だけでなく小児期の神経系の発達などへも貢献する可能性を示しています。

Report-118臨床試験

肥満または妊娠糖尿が新生児へのDHA供給に与える影響について

新生児の発達にDHAは欠かせませんが、肥満や妊娠糖尿病の妊婦の臍帯血を調べたところ、新生児に十分な量のDHAが供給されていないことが分かりました。このような状態の新生児には、DHAを強化した食事を与える必要があります。

Report-119臨床試験

妊娠糖尿病に対するビタミンDとω3脂肪酸の同時摂取の影響について

母子ともに重篤な合併症を引き起こす可能性が示唆されている妊娠糖尿病に対して、ビタミンDやω3の投与による改善が報告されています。今回の研究により、ビタミンDとω3の同時投与は、それぞれの単独投与に比べて、より明確な効果が示されました。

Report-120臨床試験

出産前うつ病患者における多価不飽和脂肪酸と炎症マーカーの関連性について

出産前うつ病と、血液中のω3組成および炎症マーカーとの関連を調べたところ、血液中のω3が少ないほど、また、炎症マーカーのレベルが高いほど、うつ症状の発症期間が長いことが分かりました。ω3には、炎症性サイトカインの産生を抑制する効果が知られており、ω3の摂取は出産前うつ病の予防や治療に有効であると考えられます。

Report-121臨床試験

世界で増加する DHA/EPA欠乏者のリスクの回避にむけて

DHA/EPAを強化した鶏肉もしくは卵を摂取することによって赤血球膜ω3指数(DHAおよび EPAの脂肪酸比の合計)改善されることを示しています。

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