スマートファクトリーで生み出す食品製造業の未来 お客さまに安全・安心な食を提供し続ける使命

マルハニチロは2013年、「スマートファクトリー構想」をスタートしました。スマートファクトリーとは「システムと人・機械の力を融合させ、高度な品質と生産管理を継続できる工場」(マルハニチロ定義)のこと。継続的に、より安定した高品質な商品をお客さまに提供することを一番の目的に、そのためには、製造に携わる社員が働きやすい環境を創ることがもっとも大切である、という考え方にもとづき取り組んでいます。

まずは実態の把握から。半年かけて全国の工場にヒアリング

2013年より本格的にプロジェクトチームを発足。半年をかけて徹底的に全国の工場の現状把握を行いました。工場の稼働状況に関するデータを分析するのはもちろんのこと、チームが工場へ足繫く通い、自らの目で製造工程や業務内容を確認したり、従業員へのヒアリングを実施しました。その結果、一部の業務しかデジタル化が進んでおらず多くが手作業だったこと、そして工場によって業務プロセスが異なるという、2つの課題が浮かびました。

2014年には、システムに求める機能要件を90項目に整理。
その後、パートナー企業とともにシステムの要件定義・設計・開発・テストを行い、2017年から直営工場へシステムの導入を開始しました。
工場の従業員と一丸となり、システム改修や業務の変革を実現しました。

工場の「見える化」により、本社で迅速な経営判断を実現

システム導入により、ペーパーレス化/デジタル化を実現し、紙などの記録管理業務に要する時間が大幅に減少し、従業員の負担が軽減。また、ハンディ端末やタブレット端末に表示される製造指示に従って製造を行うことで、人的ミスを未然に防ぐシステムを構築しました。そして何より、このスマートファクトリー化で作業がより明確になったことで、一人ひとりの努力が数値化・見える化され、従業員が改善に前向きに取り組める環境になりました。

現在、2,000 名以上の生産に携わる従業員が本システムを活用し、業務の標準化・共通化を実現しています。また、デジタルデータの活用により、工場のみならず本社事業部署を含めた業務の見える化・高速化・効率化が進んでいます。

データの「見える化」から「分析と活用」の段階へ

現在、グループ会社の工場へのシステム展開に取り組んでいます。さらに、システム導入で「データの見える化」を実現した直営工場においては、次のステップとして「データの分析と活用」に取り組み、製造現場のデータを生かして、品質や生産能率などを向上させ、より良い安定品質の商品をお客さまへ届けることをめざしています。最終的には、高品質な商品をつくるための条件を数値化して、設備の自動制御や稼働最適化の自動判断の実現に向けて取り組んでいます。

2021年からは、パートナー企業と共同開発した原価・損益管理の手法をパッケージ化した「損益管理テンプレート」が、パートナー企業より販売開始されています。会社の垣根を超え、多くの製造業が本テンプレートを活用することで、さらにパッケージが改良され、結果としてさらなるマルハニチロのスマートファクトリーの発展につながることが期待されます。

スマートファクトリー構想 推進ステップ

安全・安心な商品を届けるスマートファクトリーの進化に終わりはない

「スマートファクトリー構想」に終わりはありません。従業員が心を込めて一つひとつの商品をつくっていくこと、そのために、従業員にとって働き甲斐があり、働きやすい環境にすること。これは、今も未来も変わらない普遍的な価値観として受け継いでいきます。
なぜスマートファクトリー化を推進するのか。それは、お客さまに、より安定した高品質な商品を継続してお届けするためです。マルハニチロはこれからも、スマートファクトリーを進化させていきます。

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