アスリートを育む食卓08

「川崎ブレイブサンダース」
米須玲音選手は
何を食べて育ったか?

2025.4.30

プロのアスリートは食事の摂り方もプロフェッショナル。
試合で最大限能力を発揮するためにも、ケガを予防して長く競技生活を続けるためにも、
日々の食生活に気配りは欠かせません。
そんなプロ選手たちはジュニアアスリート時代、何を食べて育ったのでしょうか?
第8回は、男子バスケットボールリーグ、B-LEAGE「川崎ブレイブサンダース」で若き司令塔として期待される米須玲音選手に、食の面で意識していることを聞きました。

米須玲音
(よねす・れおと)さん

プロバスケットボールチーム「川崎ブレイブサンダース」所属。背番号11、ポジションはポイントガード。2003年長崎県生まれ、177cm/75kg。東山高校3年次のウィンターカップで準優勝し大会ベスト5に選出され、特別指定選手として川崎で活動。日本大学では3度のアシスト王に輝き、4年次の2024-25シーズンに特別指定選手として川崎ブレイブサンダースに加入。愛称は「よねすけ」。

子どもの頃よく食べたもの:アジフライ

好きな鮨ダネ:サーモン

好きな魚料理:ブリカマの塩焼き、イカの刺身

“アジフライの聖地”長崎県松浦で育ち
魚をたくさん食べた少年時代

ルーキーながら、既に「川崎ブレイブサンダース」の主力の一員として活躍している米須選手。高校時代からポイントガードとして名を馳せ、高校3年で特別指定選手として同チームで活動。日本大学在学中の2024-25シーズンにカムバックし、川崎ファンを歓喜させました。

そんな米須選手の出身地は、長崎県北部、玄界灘と伊万里湾に面した松浦市。日本有数のアジの水揚げ量を誇る松浦市は、ここ最近は“アジフライの聖地”としても知名度を高めています。米須選手も、子どもの頃から新鮮なアジに親しんできたそう。

「アジフライもアジの刺身も頻繁に食卓に上っていました。実家のそばに市場があるので、小さい頃から魚はよく食べてきたし今も大好きです。父や祖父に教わってイカをさばいたことも。ブリカマの塩焼きもたまりませんね。タイの刺身もプリッと歯ごたえがあって・・・」

目を細める様子に、魚愛があふれます。今もたまのご褒美としてオフの日に食べるお鮨が楽しみなのだそう。

「ネタはサーモンや白身魚が好き。貝類以外はなんでもおいしく食べます」

海の近くの自然豊かな地で育った米須選手は、兄と姉の影響もあり、小学1年生でバスケットボールをスタート。高校からは地元を離れ、強豪として知られる京都市の東山高校へ進学しました。

「寮生活のため寮の食事でしたが、日曜はカレー、月曜は唐揚げ、みたいに曜日ごとに決まったメニューの繰り返しで、野菜は少なかったですね。途中から別の寮に移ったんですが、そこは量が少なくて、みんな夕食後さらにハンバーガーやラーメンを食べていました」

高校時代には、食事の栄養にまで気を使うことはなかなか難しかったよう。米須選手の食への意識が本格的に変わったのは、大学に進んでからでした。

視野の広さと抜群のパスセンスを誇る米須選手

ケガに泣いた経験から
“強い体”の大切さを痛感

高校生Bリーガーとして活躍し、日本大学に進学した米須選手は、1年生にしてアシスト王を獲得するなど華々しい初年度を飾ります。しかし1年生の終わりに肩のケガに見舞われました。

「これは本格的に体を作るしかない、と決意。バスケができない状態だったので、ひたすら食べてトレーニングを繰り返しました」

大学時代は、朝と夜は栄養管理された寮の食事。チームメイトが練習している間にウェイトトレーニングをし、寮で夕食を摂ったあと、さらに2合の米を食べていたのだそう!

「夕食後にみんながウェイトをする間、僕も同じ部屋に炊飯器を持ち込んで、白メシを食べていました(笑)」

努力の甲斐あって、約10kgの増量に成功。

「いい増やし方じゃないかも(笑)。でもパンよりごはんのほうが体重が落ちない実感が得られました。朝はパンのほうが食べやすいんですが、毎日の体づくりのルーティーンは朝ごはんから始まると思うので、必ず米を食べるようにしています」

俊敏さはもちろん、当たり負けしない屈強さも求められるバスケットボール。大学時代の経験から、ケガを防ぐためにも体づくりが大切だと実感している米須選手です。

久々に会う人に「大きくなったね」と言われるそう

持てる力を余さず発揮し
さらなる成長へ向かって

現在は、「川崎ブレイブサンダース」のクラブハウス「BRAVE THUNDERS HALL」で暮らしている米須選手。練習や試合のある日はクラブハウスで栄養士が管理した食事を摂っています。

「高校の寮のお決まりメニューと違って、毎日いろいろなものを楽しめるのが嬉しい(笑)。トマトが嫌いだったんですが、体のことも考えて克服しました」

練習前にプロテインを、練習後にアミノ酸ゼリーを摂るのも習慣です。

「チームの管理栄養士から栄養講習を受けて、栄養補助食品を摂るタイミングについて教わったので、試合の前後や休憩中に意識して摂るようにしています。試合できちんと力を出して、あとに疲れを残さないように」

ここで、一緒にインタビューを受けていた山内ジャヘル琉人選手から「玲音はハーフタイムにどら焼きを食べてるよね(笑)」という情報が。

「プロは会場入りが早いので、アップの間におなかが空いちゃうんですよ。空腹で腹痛になっちゃうので、ハーフタイムにどら焼きを食べています。一種のルーティーンですね」

プロになってバスケに集中できるようになり、1日中バスケのことを考えているという米須選手。日々自分の体と向き合い、練習後のケアも欠かしません。そんな米須選手には、これからの活動を見据えて理想としている体があります。

「外国人選手ともマッチアップするので、そのためには77kgくらいになりたい。でも周りの選手より小柄なので、彼らの動きについていくためにはスピードも必要。体重が増えても今のスピードはキープできるように体作りをしていきたいです」

高校生Bリーガーとして話題を呼び、一回り成長して帰ってきた米須選手。これからさらに大きく、強くなって、チームを牽引する存在となっていくことでしょう。

将来の「チームの顔」として期待される存在です

アジの種類? 同じマアジでも違うアジ

アジフライに南蛮揚げ、タタキなど、日本人の食卓に欠かせないアジ。アジの仲間ではマアジが代表的ですが、分類状はマアジでも、大きさや見た目で呼び名が異なるものもあるのです。

もっと詳しく知りたい人はコチラ
▶︎(https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article78/

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