
人生100年時代の
「おいしい」介護食
食欲をそそる味へ。
介護食の常識を
アップデート
介護食と聞いて思い浮かべるのはどんなイメージでしょう?
「食べる喜び」を与えてくれる食事をいつまでも楽しみたい。
進化を続ける“介護食の今”を2回にわけてお届けします。
「おいしそう」が
食べる意欲につながる
安全に、食べやすいことは、介護食の大前提。でも、それ以上に大切なのが「おいしさ」と聞くと、意外に思いますか?
高齢になると耳が遠くなったりするのと同じように、味覚や嗅覚も衰えていきます。高齢者には薄味が良いと思うかもしれませんが、実際は薄味だとおいしく感じられないという声が多いのも事実。塩分を適正に抑えながらもしっかりと味を感じられるよう、凝縮したエキスを原材料に加えるなど、介護食の開発にはさまざまな工夫や技術が潜んでいます。
おいしく食べてもらうことは、健康のためにも重要です。
必要以上の減塩によっておいしさが損なわれると、食事量が減って十分な栄養をとれなくなり、筋力が衰えて転倒、骨折、寝たきりになるという事例もあります。健康を維持する上で、しっかりと量を食べてもらえる工夫が欠かせません。
そんななか、手作りのムース・ゼリー食やミキサー食では、調理の過程で水分を加えるため量が増えてしまい完食できないという悩み、エネルギーやたんぱく質が不足しがちという課題に応える介護食が登場しました。

「舌でつぶせる」かたさのムース状にした銀鮭にコラーゲンペプチドなどを混ぜ込み、常食とほぼ同等のたんぱく質がとれるようにしたもの。

「舌でつぶせる」かたさのチキンの調理例。見た目も食欲をそそる。
通常、たんぱく質を添加すると、コラーゲン特有の苦味や生臭さが出るところ、そういったネガティブな要素をマスキングしたり、感じにくくすることで、本来のおいしさが前面に出る工夫が施されています。
「食事の時間が楽しみになる」
介護食へ
介護に携わる方たちの食事にかける熱量はとても大きいものです。
たとえばある施設では、ゼリー状の素材シリーズのニンジンとキャベツを細切りに、コーンは角切りにしてコールスローサラダを提供。色合いが鮮やかで形にもメリハリが出て、それぞれの野菜の味もしっかりと楽しむことができます。
別の施設では、夏まつりのイベントメニューとして、ゼリー状の「とけないコーン」をバーナーで炙って焼きトウモロコシ風にすることで、季節感のある食事を楽しんでもらう工夫をしています。

「舌でつぶせる」かたさのヒジキ、コンニャク、ニンジンを使った調理例。

「舌でつぶせる」かたさのゼリー状のだいこんの調理例。
見た目が変わることで食欲が出て、食事がスムーズに進むことも多いそう。
おいしく栄養摂取をしながら「食事の時間が楽しみになる」介護食へ。
介護食の進化はこれからも続きます。
取材協力:
マルハニチロ メディケア・コントラクト営業部
魚を食べると健康に良いと
言われる、その訳は?
「魚は体に良い」とよく言われていますが、魚の何が私たちの体に良いのかご存じですか?ヘルシーだと人気のサバ缶やイワシ缶を手に取って「脂質の量が思っていたより多い」と感じたことはありませんか?魚の油とはどんな油なのでしょうか。魚の栄養について、そしていつ食べるといいのかについても探ってみましょう。
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