©Klosterbrauerei Neuzelle

海外最新トピック from Germany

世界で最も‟ドライ”な
ビール!? ドイツから
粉末ビールが登場

2024.5.13

今、世界ではどんなことが話題になっている?
現地在住リポーターが、これからの食と未来の暮らしのヒントとなるような
最新トピックをお届けします。今回はドイツからリポート!

ビールの香りと風味だけをパウダーに。
気になるお味は?

言わずと知れたビール大国、ドイツ。ドイツ特許商標庁によると、ドイツ全土で約6000種類ものビールがあり、ヨーロッパの中でも国民一人当たりの醸造量はトップランクです。2023年春には、なんと粉末ビールが開発されたとのニュースが、世界中で大きな話題を呼びました。

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「最もドライ(!)なビール!?」と騒がれるビールパウダーを開発しているのは、中世からある修道院醸造所「ノイツェレ」。醸造所のCEO、ステファン・フリッチェさんは「これはビールの未来だ」と胸を張ります。これまでにも、入浴剤にも使えるビールやアンチエイジングビールなどを世に送り出し、珍しいラインナップで知られるこの醸造所。外国への輸出が多いことから、なんとかして輸送コストを削減できないかと考え、このビールパウダーのアイデアを思いついたと言います。

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ビールの重量の大半は水分。香りと風味だけを取り出すことができれば、輸送のコストもエネルギーも格段に抑えることができます。フリッチェさんらは、ドイツ連邦経済省の支援で2年以上の研究を重ね、ビールパウダーを作ることに成功しました。粉をコップに入れて水を注ぎ、ミルククリーマーで泡立てると、色や香りはビールそのものの液体が出来上がり!さあ、気になるお味は?

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実はこのビールパウダー、まだまだ開発途上。炭酸もアルコール分も入っていないので、残念ながらビールのあの爽やかな喉越しには程遠いのが現状です。しかし、麦やホップの香りはよく感じられ、ほろ苦くビールらしい味わい。「まだまだ研究を続けます」というフリッチェさん。今後の進展に期待したいところです。

◎ノイツェレ修道院醸造所
Klosterbrauerei Neuzelle
https://www.klosterbrauerei.com/

ビールがすすむ
南ドイツの魚料理

ドイツでビールといえば、ソーセージや肉料理が思い浮かびますが、ビールに合う魚料理は存在するのでしょうか?

世界最大のビール祭りとして有名な「オクトーバーフェスト」はもちろん、ビアガーデンや四季折々に行われるお祭りの屋台の魚メニューとして、南ドイツ、バイエルン地方では「シュテッカルフィッシュ」が定番です。シュテッカルフィッシュとは、バイエルン地方の言葉で「小さな棒に刺した魚」という意味。名前の通り、丸ごとのニジマスやサバなどを串焼きにした料理です。

野外にグリル機械をセットして、串に刺した魚に塩をたっぷりふって丸焼きに。レモンを搾って、ポテトサラダやパンを添えていただきます。時には炭火で焼き上げる屋台もあり、こんがりと焼けた皮と燻製のような香ばしい香りは、ビールにぴったり。1人前1尾は多いかも・・・と思いきや、いつの間にか1リットルジョッキのビールとともにペロリと胃袋に収まるおいしさです。

長い冬が終わり、新緑と明るい日差しの中で飲むビールとシュテッカルフィッシュは最高の組み合わせ。暖かくなってくると、南ドイツへと旅するのが楽しみになってくるのです。

河内 秀子(かわち・ひでこ)

東京都出身。2000年からベルリン在住。ベルリン芸術大学卒。2003年から雑誌のライター、テレビ番組のコーディネーターとして活動。ドイツ、スイス、オーストリアなどドイツ語圏のデザイン、美術、料理から旅まで幅広く執筆、担当している。

カニカマは“戦後の食品三大発明”

カニカマは、昭和47年に日本で誕生したといわれています。食感だけでなく、味や見た目も本物のカニを再現したカニカマは、「インスタントラーメン」や「レトルトカレー」と並ぶ、“戦後の食品三大発明”の一つに数えられるようになりました。カニカマの主原料は、カニではなく魚のスリミ。カニの殻や身などから抽出した成分や食塩などを合わせた「カニエキス」を加えることで、カニ肉を使用しなくてもカニっぽさが再現できるのです。マルハニチロも長年、カニカマ原料のすりみを、国内の煉り製品メーカーに供給しています。

もっと詳しく知りたい人はコチラ
▶︎(https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article70/

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