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マルタニシ

マルタニシ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Tanishi pond snail, Japanese mystery snail
学名
Cipangopaludina chinensis laeta (Martens)
別称
タニシ(タニシ科の総称)、タツブ(田の巻貝の意味) 
分類
原始紐舌目 タニシ科 タニシ属
体長
6cm
分布域
日本全国(北海道~沖縄、壱岐、対馬)。朝鮮半島
特徴
殻はやや緑がかった黒褐色で、成貝の殻口の縁は厚くなって黒く染まる。日本には、本種、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシの計4種のタニシ類が分布するが、本種の螺層は名前の通り最も丸味が強い。本種は日本原産ではなく、稲作とともに大陸から移入されたとの説もある。平野部の水田や小川、池沼にすみ、石などに生えた藻類や水底に沈殿した有機物を餌とする。一対の触角とその付け根にある眼を使って、かなりの速さで歩き回る。卵胎生で、オスの右の触角は先が変形して生殖器となっており、メスと交尾を行ない、受精した幼生はメスの子宮内で親と同じ形に成長してから産み出される。かつては多産し、内陸部における日常食、あるいは春祭りの日の御馳走でさえあったが、近年の水質汚染、用水路のコンクリート化などにより、その産量は減少の一途をたどっている。中国から本種あるいは近縁種の輸入がある。
料理法
適切な処理をされたタニシ類は泥臭さも抜け、たいへん美味。中でも本種は、日本産タニシ類の中で最も美味とされる。佃煮、酢味噌和え、串焼き、味噌汁などが定番だが、ガーリックバターを使ってエスカルゴ風に焼き上げても旨い。旬は子を持つ前の秋から初春。また、アジア諸国にはタニシ類が多く生息し、稲作文化と相まって多様な調理法が発達している。なお、寄生虫を持つ可能性があるため、食する際は充分に加熱すること。