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サワガニ

サワガニ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Japanese freshwater crab
学名
Geothelphusa dehaani (White)
別称
アカガニ(赤い個体)、シミズガニ(青白い個体)、タンガニ(長崎)
分類
十脚目 短尾下目 サワガニ科 サワガニ属
体長
甲幅25mm
分布域
青森県以南、トカラ列島以北の本土ならびに周辺の島嶼(佐渡島、壱岐諸島、隠岐諸島、五島列島、屋久島など)
特徴
甲羅は平滑で、色は赤褐色の個体が多いが、青白いもの(関東から九州にかけての太平洋側に多い)、反対に紫黒色(東北地方に多い)のものなど、地域によって、あるいは個体によって変異に富む。オスのハサミ足は片方(主に左側)が大きくなる。名前の通り山間部の沢に多くすむが、里山の水の清浄な小川にも見られる。昼間は石の下に潜み、主に夜間活動し、藻類から水生昆虫、陸生昆虫、ミミズ、貝類など口に入るものは何でも食べる。成長するに従って、水場から離れて活動範囲を広げる傾向がある。冬期には冬眠を行なう。日本で一生を通じて淡水域にすむカニは、サワガニ類のみであり、日本の本土で見られるのは基本的に本種である。繁殖形態は、春から夏にかけて交尾を行い、メスは産卵、腹部に卵を抱く。その卵は、数は40個ほどと少ないが、直径は約2mmと大きく、変態を全て卵内で完了し、親と同じ形で孵化する。メスは孵化した稚ガニを腹部につかまらせて保護する。寿命は約10年。近年、市場に出回るのは、ほとんどが養殖物である。なお、屋久島以南の南西諸島には十数種のサワガニ類が分布する、いずれも生息域、個体数が小さく、保護が必要である。
料理法
素揚げ、あるいは小麦粉を付けて空揚げにすると香ばしくて美味しい。佃煮にもする。寄生虫をもつ可能性があるため、食する際は必ず加熱すること。