おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

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ヒメマス

ヒメマス
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Kokanee, Landlocked red salmon、Landlocked sockeye salmon
学名
Oncorhynchus nerka (Walbaum)
別称
カムイチェッポ・チップ(アイヌ語)
分類
サケ目 サケ科 サケ属
体長
20~40cm
分布域
日本では、北海道の阿寒湖、チミケップ湖に自然分布し、支笏湖、洞爺湖、摩周湖、十和田湖、中禅寺湖、本栖湖などに移植された。その他、北米、ロシアにもベニザケの陸封型が存在する。
特徴
ベニザケの陸封型(湖沼型)。ベニザケはサケ属の中で最も低水温を好む種類で、現在、日本の河川への遡上はない。しかし、今から約一万年前まで続いた、いわゆる氷河時代には北海道に遡上しており、その末期に、気候の温暖化によって降海することができなくなって湖沼に閉じ込められてしまったものと考えられている。背中は青緑色で、体側から腹部は銀白色。また、背中から尾鰭にかけて黒い斑点をもつ個体もある。餌は、ミジンコなどの動物性プランクトンを主体に、ワカサギなどの小魚も食べる。3~4歳で成熟し、秋季、湖内の湧水のある浅場にて、あるいは湖に流入する河川を遡って産卵を行なう。婚姻色は黒をベースに、少し赤味の混じったもので、ベニザケと較べるとかなり暗い色調である。オス、メス共に、産卵、放精後死亡する。釣りの対象として人気がある。
料理法
ベニザケの身の鮮紅色は餌の甲殻類に由来するアスタキサンチンによるものであり、アスタキサンチンの摂取が少ない本種の身色はピンク色。身は適度な脂が乗ってたいへん美味で、塩焼きが定番だが、刺身にもよい。