アゲマキガイ
- 英名
- Chinese razor clam
- 学名
- Sinonovacula constricta (Lamarck)
- 別称
- アゲマキ・マテガイ(市場名)、ヘイタイガイ(兵隊貝)、チンダイガイ(鎮台貝)
- 分類
- マルスダレガイ目 ナタマメガイ科 アゲマキガイ属
- 体長
- 殻長10cm
- 分布域
- 瀬戸内海、九州。朝鮮半島。中国
- 特徴
- マテガイに似るが、殻は楕円形。殻色は本来白色だが、汚れた黄褐色の殻皮を被る。内海や内湾の潮間帯の泥底に非常に深い穴を掘ってすむ。その深さは大型の個体になると1mにも達する。潮が引いている時は穴の奥に潜み、潮が上がってくると穴の入口近くに昇って水管を伸ばし、水中の餌を漉し取って食べる。マテガイ類と異なり、入水管と出水管は根元から離れており、それぞれが海底面に伸びるため、干潟には目(水管の穴)が2個開く。産卵期は晩秋で、漁期は春から初秋にかけて。主に手掘りで採取する。「揚巻(アゲマキ)」の名は、平安時代の子供の髪型から。頭髪を中央から左右に分けて、耳の上で輪のように束ねた様が、左右に分かれて長く伸びた本種の水管に似ているためという。また、兵隊貝、鎮台(明治時代の陸軍)貝の名は、加熱した身の2本の水管を兵隊の足に見立てたもの。かつて、瀬戸内海や有明海に多産したが、現在はほとんど姿を消してしまい、国内消費の多くは、中国、韓国からの輸入物になってしまった。
- 料理法
- 泥を含んでいるので、殻から身を外して、塩水ですすいでから料理するとよい。身質はぷっくりとして柔らかく、煮付け、佃煮、焼き物(殻に戻して)、吸い物、バターソテー、グラタンなどでとても美味しい。