ハタハタ
- 英名
- Japanese sandfish、Sailfin sandfish
- 学名
- Arctoscopus japonicus (Steindachner)
- 別称
- カミナリウオ(秋田)、シマアジ(新潟)、オキアジ(京都)
- 分類
- スズキ目 ハタハタ科 ハタハタ属
- 体長
- 20cm
- 分布域
- 山陰以北の日本海、宮城以北の太平洋、オホーツク海。その他、カムチャッカ、アラスカ
- 漁獲法
- 底引き網、小型定置網、刺し網など
- 特徴
- 体は左右に扁平で、鱗と側線をもたない。鰓蓋に鋭い棘が5本あり、扱いに注意が必要。非常に大きな胸鰭をもつ。水深100~400mの砂泥底にすみ、オキアミ、カイアシ、ヨコエビなどの小型甲殻類を主に、オタマボヤ、小魚などを食べる。産卵期は初冬で、天候が悪化して沿岸の水温が急に下がると大群で接岸し、海藻に粘着卵を産みつける。孵化まで2ヶ月もかかる。秋田でカミナリウオと呼ぶのは、雷が轟き、海が荒れる時期に来遊するため。漁獲もこの頃に刺し網で行なうため、卵持ちの成熟個体が獲れる。一方、山陰では、底曳網で秋から春にかけて漁を行なうため、卵を持たない脂の乗った様々なサイズの個体が獲れる。なお、ハタハタ類は、従来、スズキ目に含められてきたが、遺伝子の分析によりカサゴ目のカジカ類との類縁が示唆されており、将来分類上の位置が変更される模様。
- 料理法
- 身は淡白で柔らかく骨離れがよい。干物、粕漬け、いずしなどにして美味。骨も柔らかいので、空揚げにすると丸ごと食べられる。また、本種の魚醤が「しょっつる」で、これを利用した「しょっつる鍋」は秋田の名物。卵は「ぶりこ」と呼ばれ、味はほとんどないが、独特の強い歯応えを楽しむもの。