おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

詳細情報

マダコ

マダコ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Common octopus
学名
Octopus vulgaris Cuvier
別称
アカシダコ(兵庫県明石産)、ムギワラダコ(瀬戸内海、梅雨時期のもの)
分類
八腕形目 マダコ科 マダコ属
体長
40~80cm
分布域
常磐および能登半島以南の日本。世界中の温帯・熱帯域
特徴
体は柔軟かつ伸縮自在で、はっきりとした形は捉えにくいが、足の長さは全長の70~80%位で、8本の足の長さと太さはほぼ等しい。吸盤は2列で、オスの第Ⅱ・Ⅲ腕の中央のものは特に大きくなる。マダコ類のオスの右第Ⅲ腕は生殖腕になっており、その先端部は種類ごとに独特の形に変形しているため分類に役立つ。マダコの場合、スプーン状になっている。体表は網目状のイボに覆われており、周囲の環境や気分によって、瞬時に色を変えたり、突起を生やしたりできる。沿岸の岩礁域にすみ、昼間は岩穴にひそみ、夜になると穴から出て、カニ、エビ、二枚貝などを貪食する。捕食の際には、口から毒を出して獲物を麻痺させる。春から夏にかけて岩陰などに産卵し、孵化するまでメスが保護を行い、孵化後、メスは死亡する。孵化した稚ダコは一カ月位の浮遊生活を送った後、海底で生活を始める。寿命は2年程度。蛸壺や底曳網で漁獲されるが、年によって好不漁の波が大きい。日本で消費されているマダコの大部分は輸入物で、中でも西アフリカ産のものが多い。なお、マダコは世界中に分布するとされてきたが、遺伝情報の分析などから、現在では一種類ではないことが分かっており、将来何種類かに分割されると考えられる。
料理法
塩で揉んだ後、茹でてあるいは蒸して、刺身、寿司種、酢の物などにする。シコシコした歯応えと独特の香りが命。近海物は皮がぷりぷりしており、甘みと香りに優れ、生のまま刺身、しゃぶしゃぶにも。タコの筋肉は加熱すると一度硬くなるが、さらに加熱すると柔らかくなる。これを応用して甘辛く煮たのが桜煮。旬は地域によって異なり、一般に関東以北では冬、関西以西では夏とされる。