イカナゴ
- 英名
- Japanese sand lance、Japanese sand eel
- 学名
- Ammodytes personatus Girard
- 別称
- シンコ・カマスゴ(関西、幼魚)、フルセ(関西、成魚)、カナギ(山口、岡山、福岡)、コオナゴ(北陸、常磐、東京、愛知、全サイズ)、メロウド(宮城)、コオナゴ(北海道、幼魚)、オオナゴ(北海道、成魚)
- 分類
- スズキ目 イカナゴ科 イカナゴ属
- 体長
- 25cm
- 分布域
- 琉球列島を除く日本各地。朝鮮半島
- 特徴
- 細長い円筒形で、下顎が尖った、鉛筆のような体型。イカナゴの仲間には腹鰭をもつ種類もあるが、本種にはない。浅海の砂底に群生し、昼間、カイアシ、オキアミ、ヨコエビなどの小型甲殻類を中心に、ヤムシ、小魚などを餌とし、夜間は砂に潜って眠る。また、高水温が苦手で、水温が15度以上になると砂に潜って夏眠を行なう。産卵期は冬から春で、大群をなして放卵、放精を行なうため、周囲の海水が白濁する現象が見られる。南日本にすむ系群は1~2歳で成熟し、寿命も2~3年と短く、体長も概ね15cm以下と小型。一方、北日本の系群は成熟に3年掛かり、寿命は6年に達し、体長は20cmを越える。棒受網、たもすくい網、底曳網などで大量に漁獲される重要魚種。
- 料理法
- 幼稚魚は独特の香気があり、ちりめん、煮干、佃煮として好まれる。阪神地方では、2cm位の稚魚を甘辛く煮上げた「釘煮」が春の名物となっており、特に明石地区のものが有名。成魚は、釜揚げを酢味噌和えにしたり、干物、天ぷらなどにする。脂は乗るものの、身に癖があるため好みが分かれる。 また、刺身でも美味だが、鮮度の低下が早いため産地限定の味である。現在、大型魚の大部分は養魚飼料に向けられている。