おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

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ヨコヅナダンゴウオ

ヨコヅナダンゴウオ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Lumpfish、Lumpsucker
学名
Cyclopterus lumpus Linnaeus
別称
ランプフィッシュ、ランプサッカー
分類
カサゴ目 ダンゴウオ科 キクロプテルス属
体長
メス50cm、オス30cm
分布域
北大西洋の両岸に分布する。ヨーロッパ側は、ビスケー湾以北、バレンツ海以南、アイスランド、グリーンランド。北米側は、ニュージャージー州以北、バフィン島以南。
特徴
体は青緑色のゼラチン状で、その表面は小さな骨質の突起に覆われる。背中の真ん中には大きな骨質の突起がトサカ状に、また、側面には2対、腹面にも1対の骨質の突起が一列に並ぶ。イラストはメスの個体で、オスよりも背中が盛り上がるのが特徴。 腹鰭は癒合して吸盤となっており、岩などに体を固着させることができる。浅場から水深300mまでの岩礁域の海底に単独ですみ、クラゲ、ヨコエビ、小魚などを餌とする。普段は深場にすむが、春になると浅場に移動してペアを作り、メスはピンク色の卵塊を海藻などに産み付け、オスはその卵が孵化するまで1~2カ月間保護する習性がある。なお、オスはこの時期、赤褐色の婚姻色を示す。主に小型の定置網で漁獲され、アイスランドとグリーンランドの生産が多い。
料理法
卵巣を塩漬けにして黒く着色したものは、キャビアの代用品として世界中で消費されている。味は淡白で、濃厚な旨みをもつチョウザメのキャビアとは全くの別物だが、価格相応に楽しめる。肉はゼラチン状で、かつて北欧では燻製などにして食べる習慣があったが、近年は全く食用とされず、卵を取ったあとの魚体はすべて海に廃棄されてきた。しかし、2008年頃から、食感の似たナマコの代用品として中国における消費が急増、今では魚体のほとんどが中国向けに輸出されている。