ヨーロッパイチョウガニ
- 英名
- Ox crab、Edible crab、Brown crab
- 学名
- Cancer pagurus Linnaeus
- 分類
- 十脚目 短尾下目 イチョウガニ科 イチョウガニ属
- 体長
- 甲幅20cm、最大30cm
- 分布域
- ノルウェー以南のヨーロッパ全域および北西アフリカ(モロッコ)に分布するが、地中海には少なく、イギリス、フランス、ノルウェー周辺に多い。
- 特徴
- 甲羅の前側縁は丸みを帯び、特徴的な皺状の歯が左右に9個ずつ並ぶ様は、しばしば「パイ皮」に例えられる。ダンジネスクラブに似るが、本種は甲羅の左右両端にトゲ状の突起をもたない。潮間帯から水深100mまでの砂礫底にすみ、冬期は深場へ移動する。メスは秋に産卵し、腹に抱かれた受精卵は翌年の夏に孵化する。幼生は約2カ月間のプランクトン生活の後、着底し、貝類を主とする底生動物を餌として成長する。成熟までに5~6年を要し、30年位生きる。餌を入れた籠を用いて漁獲され、少量ながら冷凍や活で日本にも輸入される。
- 料理法
- ヨーロッパでは最もポピュラーな食用種のカニで、イギリスでは単に「食用カニ」と言えば本種を指す。身肉は繊維がしっかりしており、さっぱりとした甘みがあって美味。また、ミソや内子は濃厚な旨みをもつ。単純にレモンを垂らして食したり、むき身にソースなどを加えて殻に詰め、さまざまな料理に用いる。活きたまま、あるいはボイルして売られるほか、缶詰にも加工される。