イトウ
- 英名
- Japanese huchen
- 学名
- Hucho perryi (Brevoort)
- 別称
- イト(東北・北海道)、オヘライベ、チライ(アイヌ語)
- 分類
- サケ目 サケ科 イトウ属
- 体長
- 通常50~100cm、最大200cm
- 分布域
- 日本では、北海道の東部・北部。かつて青森・岩手県にも生息したが、絶滅した。その他、ロシアの南千島、サハリン、沿海州。
- 特徴
- 細長くて、断面に丸みのある丸太のような体形。頭部、体側、尾鰭、背鰭は多数の小黒点で密に覆われる。湿原に連なる河川や湖沼にすむ。日本最大の淡水魚といわれるが、現在は小型化して生息数も激減した。 稚魚は水生昆虫を主食に成長するが、30cmを超える頃から餌のほとんどが魚となる。オスは4~6歳、約40cmで、メスは6~8歳、約60cmで性的に成熟し、春期、河川の上流域の砂礫底で産卵を行う。最初の産卵後も死亡せず、産卵を繰り返す。寿命は、15年~20年に達する。一部の個体は降海し、定置網に掛かることもあるが、海における生活史はよくわかっていない。
- 料理法
- 天然物は幻の味となってしまったが、養殖物が流通している。刺身、ムニエルフライなどで美味というが、その赤い身色や味は養殖ニジマスに近いという評価もある。サケマス類の身の赤味は、甲殻類のもつアスタキサンチンという色素に由来しており、河川にすむ天然のイトウの身色は本来あまり赤くない。