ニシウミスズキ
- 英名
- Bass
- 学名
- Dicentrarchus labrax (linnaeus)
- 別称
- ヨーロッパスズキ、ヨーロピアンシーバス
- 分類
- スズキ目 モロネ科 ディケントラルクス属
- 体長
- 通常60cm 、最大1m
- 分布域
- 北大西洋東岸(ノルウェー南部~モロッコ)。地中海、黒海
- 特徴
- 日本のスズキによく似るが、本種の鰓蓋には黒斑があること、また、スズキの背鰭のトゲの数(棘条数)が12本以上であるのに対して、本種は8本しかないことなどで区別できる。沿岸の浅場にすみ、幼魚は特に汽水域を好み、時には河川にも上る点、魚食性が強い点など、生態もスズキに酷似する。産卵は、地中海では冬、大西洋では春に行われ、稚魚は、エビやタコ、イカなどを食べて成長し、次第に魚を多く食べるようになる。寿命は15年に達する。漁獲量の少ない高級魚であるため、ギリシャ、トルコなどの地中海諸国で盛んに養殖され、その生産量は天然物の数倍に達する。また、スポーツフィッシングの対象として非常に人気がある点でも日本のスズキと同様である。なお、日本を含む東アジア産のスズキ類は、従来本種とは別の科に分類されてきたが、本種と同じモロネ科に入れるべきと考える研究者もおり、その帰属は現在流動的である。
- 料理法
- 美しい繊細な白身で非常に美味。古くからヨーロッパ各国で高級魚として扱われ、レシピは無数にあるが、例えばフランスでは、バール(Bar)、あるいはルー・ド・メール(Loup de mer、「海の狼」の意)と呼ばれ、グリエ(網焼き)やポアレ(フライパン焼き)にしたものに様々なソースを掛けるのが定番。また、パピヨット(Papillote)と呼ばれる紙包み焼きにもよく用いられ、スズキの奉書焼きとの類似が興味深い。