タテジマヒメジ
- 英名
- Red mullet、Surmullet
- 学名
- Mullus surmuletus Linnaeus
- 分類
- スズキ目 ヒメジ科 メダマヒメジ属
- 体長
- 30cm、最大40cm
- 分布域
- 北東大西洋沿岸(北アフリカ~ノルウェー南部)。地中海、黒海
- 特徴
- 体側には、中央に赤褐色の、その下に黄色の、計2本の縦縞が走る。背鰭にも黄色い縦縞1本と暗色斑を1個もつ。しかし、本種の縞模様や赤味の濃さは、気分によって大きく変化し、特に、夜間寝ている間や死んだ場合は、縞が薄くなって全体に赤くなる。水深100m以浅の砂泥底にすみ、昼間海底を泳ぎ回りながら、下顎にある味を感じることができる2本の長いヒゲで探って、ヨコエビ、ゴカイ、貝類などの餌をとる。春から初夏にかけて産卵する。寿命は約10年。古代ローマ時代に最も珍重された魚の一つで、宴会の食卓で、死にゆく本種の体色の変化を楽しんだという。また、著名な美食家のアピキウスは、本種は、本種自身から造った魚醤に漬けて溺れさせてから料理するのが最高としている。
- 料理法
- 肉は骨離れのよい繊細な白身で、ややクセがあるが美味。フィレーにして、あるいは丸のまま、フライ、グリル、スチーム、ローストなど様々に料理される。その際、本種であることを示す美しい皮目を残すのがミソ。また、新鮮な肝も美味しいという。ヨーロッパでは古くから高級魚とされ、特に大型の地中海物は、現在でもたいへん高価である。