イシビラメ
- 英名
- Turbot
- 学名
- Scophthalmus maximus (Linnaeus)
- 別称
- イボガレイ(トルコ)
- 分類
- カレイ目 イシビラメ科 イシビラメ属
- 体長
- 50cm、 最大1m
- 分布域
- ヨーロッパ沿岸(スペイン~ノルウェー、地中海、黒海)、アフリカ北岸(地中海~モロッコ)
- 特徴
- 体は幅が広くて厚みがあり、まさに座布団。表側に鱗は無く、代わりに骨質の突起を多数備える。水深70m以浅の砂底、岩場などさまざまな底質に生息する。主食はイカナゴ、ハゼ、タラなどの魚類で、他に甲殻類、貝類などをも食する。約5歳で成熟し、春~夏にかけて産卵を行なう。稚魚は成長に従って深場へ移動する。寿命は約25年。底曳網、延縄などで漁獲され、オランダ、イギリス、デンマークなど北ヨーロッパにおける漁獲量が多い。ヨーロッパでは1980年代に漁獲量が激減したため、スペインを中心に養殖が盛んに行われるようになった。また、2000年頃から中国でも養殖が始まり、山東省を中心に急激な伸びを示し、現在では、本家ヨーロッパの生産量を遥かに凌ぐ。なお、黒海産の個体群は、小型で体の裏面にも骨質突起を持つため本種の亜種とされることが多いもの。トルコにおける最高級魚で、在留邦人の間では、なぜか「イボガレイ」の呼び名で親しまれている。
- 料理法
- 身は厚くてよく締まっており、きわめて美味。ヨーロッパにおける最高級魚の一つで、調理法は数多いが、グリルかボイルしてソースをかけて食べることが多い。ただし、養殖物は脂が強く身質は柔らかで、天然物とは別物の評価。中国では「多宝魚」と呼ばれ、ほとんどの海鮮料理店の水槽に置いてある人気魚種。姿蒸しにされる場合が多いが、最近はしゃぶしゃぶにもよく使われる。いずれも脂が落ちるので、養殖物に合った調理法である。