ウナギ (ニホンウナギ)
- 英名
- Japanese freshwater eel
- 学名
- Anguilla japonica
- 別称
- ニホンウナギ(新和名)、マムシ(関西)
- 分類
- ウナギ目 ウナギ科 ウナギ属
- 体長
- 60~100cm
- 分布域
- 北海道南部以南の日本各地。その他、台湾、中国、フィリピン、ベトナム北部
- 特徴
- ウナギ類は、下顎が上顎より長い「受け口」であることで、近縁のアナゴ類やハモ類と区別できる。日本には、本種と南方系のオオウナギの2種があるが、本種は体に模様がなく、より小型である。河川の中流から河口域、湖沼など多様な環境にすみ、日中は岩陰や泥中に隠れ、夜になると、魚、エビ、貝、水生昆虫、カエルなどの餌を求めて活動する。5~10歳で成熟し、産卵のために川を降り、南方にある産卵場へ旅立つ。本種の産卵場の正確な位置は長年の謎であったが、2005年以降の東京大学海洋研究所の調査により、マリアナ諸島の北西200マイル沖のスルガ海山付近であることが確認され、2009年には世界で初めて天然卵の採集に成功、さらに2011年には、新月の2~4日前の日没から深夜にかけて、水深150~180mの海中で産卵されたことまで判明し、長年の謎はほぼ解明された。孵化した稚魚はレプトケファルスと呼ばれ、柳の葉のような形をしており、北赤道海流と黒潮に乗って北上し、日本沿岸にたどり着く頃には、無色だが親に近い形のシラスウナギに変態している。養殖は、この稚魚を池に入れて行われるが、近年極端な不漁によりシラスウナギの価格が高騰しており、ウナギ製品の価格も「鰻上り」となっている。なお、人工孵化は実験室レベルでは成功しているが、2011年現在実用化には至っていない。また、天然物も、うなぎ筒、うなぎ掻き、釣りなどで漁獲されるが、その量は総消費量の1%にも満たない。
- 料理法
- 日本の食文化を代表する食材の一つであり、ほとんどが蒲焼きに用いられるが、タレをつけずに白焼きにしてワサビ醤油で食べたり、卵焼き(う巻き)の材料にしたりする。また、ヨーロッパではワイン煮やパテ、ゼリー寄せ、燻製に、中国では煮込みにも使われる。身は脂肪とビタミンAに富み、栄養食として名高い。