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詳細情報

ハマトビウオ

ハマトビウオ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Japanese giant flyingfish
学名
Cypselurus pinnatibarbatus japonicus (Franz)
別称
ハルトビ(東京)、カクトビ(東京、鹿児島)、オオトビ・コシナガ(宮崎)、フルセントビ(和歌山)
分類
ダツ目 トビウオ科 ハマトビウオ属
体長
50cm
分布域
北海道から奄美諸島にかけての太平洋沿岸。他に、大西洋、インド洋西部、カリフォルニア、オーストラリアにそれぞれ別亜種が存在し、日本に産するものと合わせて、世界に5亜種が存在する。
特徴
世界中に約50種あるトビウオ類中の最大種。腹部は幅が狭くなって角張っており、体の断面は逆三角形を呈する。胸鰭と背鰭は暗色で半透明、尾鰭は黒色を帯びる。トビウオ類の尾鰭の下葉が上葉より長く伸びているのは、水面より飛び出した際に滑空するためのスピードを得るために、水面を効率よく左右に叩くため。本種は、トビウオの中では最も冷水域に適応した種で、その回遊範囲は、南北はほぼ日本の本土の全長、東は太平洋沿岸から沖合2,000Kmに及ぶ。南九州には冬季、伊豆七島には早春、産卵のために大群で来遊する。産業上の重要種で、刺し網、浮敷網、定置網などで漁獲される。孵化した稚魚は、流れ藻に付いて動物プランクトンを食べながら成長し、体長15mm位になると下顎にヒゲが生えだし、それは次第に幅が広がって「羽」のような形に変化し、やがて消失する。また、体長30mm位からジャンプを行うようになる。なお、学名の‘pinnatibarbatus’は、ラテン語で、この「羽状のヒゲ」を意味する。
料理法
肉質は淡泊な白身だが青魚らしい血合いもある。刺身、たたき、塩焼き、空揚げ、さつま揚げ、干物などで美味。胸鰭を広げた姿造りは豪華でもある。伊豆諸島では「くさや」に加工する。