おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

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キチジ

キチジ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Bighand thornyhead、Broadhanded thornyhead
学名
Sebastolobus macrochir (Gunther)
別称
キンキ・キンキン(北海道、東北)・メンメ・メイメイセン(北海道)、アカジ(福島、茨城)
分類
カサゴ目 フサカサゴ科 キチジ属
体長
30cm
分布域
駿河湾以北の太平洋岸。オホーツク海。千島、樺太
特徴
頭部は鋭いトゲに覆われる。体は鮮紅色で、背鰭の黒斑が目立つ。学名の ’macrochir’ は「大きな手」の意味で、大きな胸鰭を指す。水深100~1,500mの岩礁域付近の泥底に単独で生息するが、400~600mに多い。水流が餌を運んでくる斜面を特に好むという。生息環境は、低水温(2~4℃)で低酸素。餌は、幼魚はオキアミが多く、成魚はエビ類、魚類、クモヒトデ、タコなど幅広く食する。卵胎生であるメバル類とは異なり卵生で、ゼラチン質に包まれた卵塊を生みだす。その卵塊は水流に乗って水中を漂うが、孵化した稚魚はほとんど見つかっておらず、その生態は謎である。底曳網、刺し網、延縄で漁獲されるが、1980年代に乱獲により水揚げは激減した。浮袋を持たないため、水揚げ後も生きていることがあり、活魚でも流通する。また、水族館でも飼育されるが、光を当てると体色が黒くなってしまうという。
料理法
身は脂が多く、干物、煮付けとして絶品。煮付けには必ず肝を使うこと。鮮度がよければ、刺身、寿司種にも。小型のものは空揚げ、蒲鉾原料にも使われる。以前は大衆魚であったが、現在では高級魚。特に、大型のものは高い。