ミルクイ
- 英名
- Gaper
- 学名
- Tresus keenae Kuroda & Habe
- 別称
- ミルガイ、ホンミル
- 分類
- マルスダレガイ目 バカガイ科 ミルクイ属
- 体長
- 殻長16cm
- 分布域
- 北海道~九州。朝鮮半島
- 特徴
- 水管は太くて長く、硬い黒皮に覆われており、殻の中に引き込むことはできない。殻には水管の部分に隙間があり、ぴったり閉じることができる。内湾の水深30m以浅の砂泥底にすみ、殻は砂泥中に潜り、水管のみ海底から上に出してプランクトンなどを食べる。名前の由来は、この水管に、ミルという海藻が生えていたためという。実際、いろいろな種類の海藻が生えているのが見られるが、決して食べているわけではない。漁獲法は、潜水夫が水管を目印にして海底を探して、一つ一つ採取するもの。かつては、東京湾、三河湾、瀬戸内海などでかなりの水揚げがあったが、現在では絶滅が危惧されるほどに減ってしまい、すっかり高級品になってしまった。代わりに、ナミガイという種が「白みる」として使われるようになったため、今では本種を「本みる」と言って区別するようになった。白みるも美味しい貝ではあるが、本種とは、分類上も、食味も全くの別物である。
- 料理法
- 殻を開いて水管を切り離したら、先の部分の皮を少し剥いてから、さっと熱湯にくぐらせて皮を全て剥く。こうすると先が紅に染まり美しい。寿司種、刺身として、味・香り・食感、共に絶品。ヒモや貝柱も生食で美味。旬は一応冬だが、夏場以外は入荷がある。