おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

詳細情報

ホンビノスガイ(チェリーストーン)

ホンビノスガイ(チェリーストーン)
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Cherry stone、Northern quahog、True quahog、Littleneck(2~3inch)、Topneck(3~4inch)
学名
Mercenaria mercenaria (Linnaeus)
別称
シロハマグリ(商品名としては使用不可)
分類
マルスダレガイ目 マルスダレガイ科 ビノスガイ属
体長
殻長12cm
分布域
千葉県。北米東岸(セントローレンス湾~メキシコ湾)、カリフォルニア、オランダ
特徴
殻は灰白色で重厚、成長に伴う規則正しい輪肋が並ぶ。もともとは北米東海岸原産だが、1998年に千葉県・幕張で突然発見され、瞬く間に商品として流通するようになった。出現の原因は、船舶のバラスト水に幼生が含まれていたらしい。ホンビノスガイの名は、日本産の「ビノスガイ」の仲間で、一番先に新種として発表されていたため「本」を付け加えたもの。また、「ビノス」は、美の女神の‘Venus’の意味。本種の学名は、リンネが命名した1758年当時は‘Venus mercenaria ’であったため。名前を漢字で記すと「本美之主貝」。もちろん当て字である。潮間帯から水深10m位の浅瀬で、淡水の影響のある砂泥地を好む。酸素の欠乏にも強く、東京湾ではアサリが死滅するような青潮にも耐えて生き残った例が知られている。原産地では4~8歳で、10cmに達する。北部のものほど成長は遅い。その後、成長は鈍化するが15歳位までは成長を続け、成長が止まった後も、40歳位までは生きると推定される。稚貝はほぼ全てがオスで、成長に伴い約半分がメスに性転換を行う。
料理法
黄色味がかった身色で、身質はしっかりしている。味は濃厚で美味。カキとともに北米東岸、特にボストンを中心とする‘ニューイングランド地方’の食文化を代表する食材。小型のものは片貝にしたものに、カクテルソース、西洋ワサビを添え、レモンを絞って生食する。また、スチーム、シチュー、スープなど各種料理に用いる。大型のものは、身質が硬くなるので、主に刻んでクラムチャウダーや ‘Staffed clam’(片貝にパン粉、ベーコン、ハーブなどと一緒に詰めて焼いたもの)に供する。日本では、ハマグリの代替品として、焼き貝、酒蒸し、お澄ましなどに使われる。