おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

詳細情報

ウミタナゴ

ウミタナゴ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Temminck’s surfperch
学名
Ditrema temminckii Bleeker
別称
タナゴ(全国各地)、マタナゴ(神奈川)、コモチダイ(鹿児島)
分類
スズキ目 ウミタナゴ科 ウミタナゴ属
体長
24cm
分布域
北海道中部以南の日本。朝鮮半島南部
特徴
ウミタナゴについては、昔から色彩や模様の異なる幾つかのタイプが知られてきたものの、その分類について一応の決着がついたのは、2007年のこと。その結果、アカタナゴ、アオタナゴ、ウミタナゴの3種に分けられた。アカタナゴは文字通り赤味の強い体色で、アオタナゴは青味がかった銀白色、そして本種は薄い青色の地に橙黄色の縦縞を数多く持つ。本種はさらに、ウミタナゴとマタナゴの2亜種に分けられ、イラストは千葉県から和歌山県、瀬戸内海に分布するマタナゴである。沿岸の藻場や岩礁域に小さな群れですみ、海藻にすむワレカラなどの甲殻類を食べる。繁殖の方法は非常に変わっている。秋頃に交尾したメスの体内で、1月頃に稚魚が孵化し、さらに親から分泌された栄養分を摂取しながら成長し、5~7cmに育った5~6月に産み出される。一度の出産数は20~30尾の場合が多い。本種の場合、卵胎生ではなく胎生と見なす考え方もある。定置網や釣りで漁獲され、地方によっては魚屋にも並ぶ。
料理法
身は水分が多くて柔らかく、塩焼き、干物、空揚げ、味噌汁にして美味しい。刺身には向かないが、なめろうは旨いらしい。東北地方で特に人気がある。